#昨日ジュンク堂で買った本 大森静佳『カミーユ』ほか7冊
『短歌タイムカプセル』書肆侃侃房
現代歌人115人の短歌20首と1首鑑賞。1500円で現代短歌をざっくり知れて、お気に入りの歌人を見つけられちゃうお得な一冊。超オススメ!
50音順に作家が並んでたり、全員20首に統一されていたりと、全員フラットに扱われていて、先入観なく自分の好みと向き合えるのが良かった。
歌集『カミーユ』大森静佳
「まず声が女になった 軋みだす 臭いだす また軋みつづける」の歌が好き。一回目の「軋みだす」と、二回目の「軋みつづける」の質感の深さと違いがすごい。
帯にある「曇天に火照った胸をひらきつつ水鳥はゆくあなたの死後へ」も好きすぎる。曇天のもわっとした熱と、火照った胸の期待感。胸を「ひらく」の意味の多層性。水鳥の湿気と曇天の湿度。水鳥「は」の助詞。死後から冒頭の曇天への呼応。
表現にゆるさがなくて、最後の一音までチョコたっぷりの作品が多くて良かった。
句集『雲は友』岸本尚毅。
私の推し。描写の鬼。
「蜘蛛は蛾をねぶり溶かしぬ夕野分」
「ひとところ黒く澄みたる柿の肉」
「這ふ蟻に熟柿の皮の裂目あり」
「水澄むや日暮に似たる雨あがり」
あとちょっと笑える句とかもある。
「埼玉は草餅うまし雲白し」
「DANGERと描くTシャツや老涼し」
「手を頬にひとりわらひの初笑」
「佐川の女ヤマトの男春の風」
「WOWWOWと歌あほらしや海は春」
句集『また明日』太田うさぎ。
「フラダンス笑顔涼しく後退る」
とか面白い句のイメージだったけど、
「まつたての雨となりけり藪椿」
とかしっかりした句も多くて意外だった。
面白さと真面目さの緩急が面白い。
『17音の青春 2023 五七五で綴る高校生のメッセージ』神奈川大学全国高校生俳句大賞の作品集。
今年の神奈川大学全国高校生俳句大賞の受賞作の作品集。3句連作応募の賞。最優秀賞5人のうち、愛知県旭丘高等学校の渡邉美愛さんの作品が好きだった。
「セーラーの襟憎らしき春の朝」(渡邉美愛)
「実るなと掴む乳房や春嵐」(同)
「同性の我らへ桜蘂落ちる」(同)
かなりご年配の審査員もいて、作者の高校生とのジェネレーションギャップがありすぎて、選考過程の中には個人的にあんまり同意出来ない部分もあっだけど、そこも含めて読んでよかった。
『第13回田中裕明賞』 『第14回田中裕明賞』
その一年間に発売された句集から選ばれる賞で、選考過程がほぼ句集評バトルみたいな感じ。ビブリオバトルっぽい。俳句の文体や技巧の読み解き方、モチーフや美的感覚の探り方とか、句集を読むときの参考になった。
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#文学フリマで買った本 21冊も紹介してます。そちらも合わせてどうぞ!↓↓↓
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