【ライブレポート】2019/7/5 goomiey「Arms~ぐるぐる関東ツアー~」@渋谷CLUB CRAWL

ふと思い立って、渋谷CLUB CRAWLにgoomieyのツアーを観に行ってきました。各所からいろいろと話を聞いて、これは今観ておいた方がよさそう、ということで足を運んだわけですが、出演者のほとんどがハタチ以下という若さ溢れるラインナップに、心が洗われるようでした。ちなみにどのバンドもライブは初めて観ます。

トップバッターのplumは最後の曲の途中から聴けた、という状況でしたので、他の4バンドについて簡単にメモを残しておきます。

ちなみにplumは女子スリーピースバンドで、ドラムの子の笑顔とベースの子のクールな感じ、そしてボーカルの抑えながらもギラギラした表情が印象的でした。


Spotifyに上がっていたのは2曲でしたが、どちらも好みのタイプ。ライブちゃんと観られなかったことを後悔…。

■ELENoiX

公式のサイトがないようでいろいろと情報不足なんですが、ステージには4人。ボーカルはステージ右端にいた女の子で名前は武田くるみさんというらしい。中央には背の高いギターの小池くん。武田さんがギターの子を「小池」と名前を呼んだのでわかりました笑。左端にベース、後ろにドラムと言う配置です。

1曲目はかなり重心低めのずしんとした曲で、ちょっとダークな印象。こういうテイストの音楽をやっているバンドなのかな、と思っていると2曲目から一転、ガラリと雰囲気が変わって激しい音が鳴り響く。

小池くんはステージ上で暴れすぎて、ドラムの音を拾うために設置されていたマイクに激突しノイズを生んでしまう。自分でマイク位置を直しながら苦笑い。

小池くんはトークのほうもまだまだこれから、といった感じ。慣れた感じでまわすよりも今はいろいろ試行錯誤するのがいいんだと思います。「予定にないことを言う!」と武田さんが苦言を呈したそばから「チューニング長いな」なんて武田さんにツッコミを入れて「ほんまお前は…!」とさらなる怒りを買う小池くんです。

その空回り感すら好感が持てます。

小池くんばかり触れてしまいましたが、武田さんの感情を乗せて、力強く歌うその声には、刺さるような瞬間が何度もありました。また、ポエトリーリーディングのように言葉を連ねるパートもあるなど、振り幅のある音楽性も面白いです。

■たじたたん


横浜のスリーピースバンド。こちらは女子のみの編成です。

ギターボーカル・ミライさんの第一声「たじたたんです、よろしくお願いします」がなんだかめちゃくちゃカッコよかった。抑え気味かつキレのある言い回しで、この言葉でいきなり興味津々。

ミライさんの低めな歌声、そして印象に残るリフ、さらに音色も個性的で、しばらく彼女に釘付けでした。一方ベースのおしなさんは笑顔をまったく浮かべず、クール…というか表情なくベースを弾いていて、それはそれで気になる存在。ドラムのえみさん含めメンバー全員、演奏中に笑わない。

それでもMC中にはこんなことが。

たじたたんは今年の1月に、おしなさんとえみさんの留学のために活動休止をしたんだそうです。今回が活動再開の1発目ライブだったのかな。ミライさんが、「留学したふたりは語学を身につけているので物販では英語で話しかけてあげてください」なんて言うと、ようやくおしなさんに笑顔(というかはにかみ)が。あ、良かった、ちゃんと笑える子なんだ、とホッとしました笑。

ということでおしなさんに注目してみると「青」という曲(タイトル違うかも)では冒頭から口ずさみながらベースを弾いていたり、メンバーの中ではいちばんの高身長なのでベース姿が映えたりと、改めていくつか発見もありましたね。

ミライさんのMCでは、自身が二十歳になり、十代の頃とは違う感覚になっていると話します。
「好きなものは好き、嫌なものは嫌、やりたくないことはやりたくない、と言えなくなった」
「好きなものは好き、というのが怖い」

子供の頃のように思ったことを言えなくなったけれど、「ありがとうを素直に言うことは大事」と話すミライさん。俺が二十歳の頃はそんなこと考えず、無邪気にやりたい放題だったかも。今の子のほうが大人だな…としみじみしてしまいました。

『君は僕に』という曲(タイトル合ってる??)のときに、観客に手拍子を促し、応えてくれるとそっと手を合わすミライさん。こういう一瞬の振る舞いだけでも、応援したくなる。

最後は『ヨヒラ』という曲でライブ終了。約半年のお休みを経て再び活動を始めたたじたたん。ちょっと気になる存在です。

■かたこと


トップバッターのplumは観れていないので除くと、今日、転換時に音の返し等をしっかりとリクエストしていたのは彼らだけでした。そして登場SEもなくフラッとステージにやってきてライブスタート。

湘南出身という彼らですが、「佐倉系」という印象を受けまして。これはもう完全に個人の主観ですが、ボーカルのたくみくんの声がHalo at 四畳半の渡井さんにちょっと近いような気がしたんですよね。耳を守るために耳栓をしていたので、ちょっと聴こえ方にズレがあるかもしれません。友達はユニゾンみたい、と言っていて、あとで音源確認したら確かにそれもわかるな、と。あと音とリズムの一部にBUMPの色も感じた、ということでざっくりと佐倉系。

いずれにしても、たくみくんはとても綺麗な歌声の持ち主です。

ベースの純くん。彼の動きはとても特徴的。ライブ前半はやたらと半身、しかもネックをフロア側に向けるスタイルで演奏します。ライブ後半になると逆側の半身になることも増え、トータルでバランス取っている感じ。そして彼の表情が面白かった。挑戦的でいて、でもどこか不器用な、シャイな感じもあり。それでいてペコリとお辞儀をする礼儀正しさも持ち合わせていて、不思議な魅力いっぱいの子。めちゃくちゃ気になります。ちなみにあとでインスタ見たらステージと全然違って素朴な男の子って感じでした。笑顔も可愛い。

ドラムのたくとくんはメンバーの中で唯一、楽しさを隠そうとせず演奏していました。口を真一文字にギュッと結んで叩くのがクセなのか、そういう瞬間が多かった気がします。

goomieyと同い年ということは、この春高校を卒業したばかりなんですね。ホントに今の十代の演奏技術はすごい。上手い下手はバンドにおいて最重要ではないと思うけれど、基礎テクがしっかりしていればやれることが増えるのは当然だし、その分可能性も広がりますからね。

曲中、アカペラで3人によるコーラスが繰り出された瞬間があって、これはかなりインパクトありました。思わず脳内で(うわ、かっけえな…!)と思ってしまうほど。バンドサウンドの中でこういう構成を入れ込んでくるとメリハリもついて、印象に残りますね。

個人的には本日最後に演奏し、8/6より会場限定でリリースされるという『最果てから』がお気に入り。


あと今日のライブではやっていなかったけど『Wonder Trip』もいいな。


セットリスト
01.主人公
02.エバーブルー
03.さよなら十二星座
04.スタートライン
05.ロックバンド
06.最果てから

■goomiey


本日のトリ、茨城県水戸の女子スリーピースバンド・goomieyです。

1曲目『リメンバーマイユース』の冒頭、CDでは休符となっている部分で元気よく「ワンツー!」と叫ぶメンバーの姿に一気に気持ちが引き込まれました。そして文字通り、弾ける笑顔とともに音を出す3人。今日のメンツは、全体的にステージ上であまり笑顔を見せないタイプのバンドばかりだったがゆえに、余計彼女たちが眩しく、キラキラ輝いて見えました。地下にある暗いライブハウスが一気に華やいだ感覚。

ここまでライブ始まってからたぶん10秒ちょっと。あっという間に彼女たちの世界でライブハウスを満たしてる。もう終始ニヤニヤしながらのライブ観賞となりましたよ。

ボーカル・平山さんの声は、なんて言ったらいいんでしょう…。核がしっかりしているというか、野球で言うならボールに指がしっかりかかって、外角低めにズバンと決まるストレートのような歌声。ライブ後に購入したCDよりもライブのほうがより強く感じたのは、レコーディング時より成長しているからかも?

ベースの岩堀さんは、もうとにかく最初から最後までずっと笑顔です。楽しいという気持ちが抑えられないからなのか、それともいつも笑っているのか。笑顔でない瞬間を探すのが難しいくらい、ずっと笑っていて、そして楽しそうで。

ドラムの大久保さんは長い髪を振り乱しながらの激しいプレイも、時折はちきれんばかりの笑顔を浮かべます。顔は正面を向きつつ身体をステージ上手側に少し傾けて叩く姿に、将来身体に不調がでなければいいな、と余計な心配もしてしまいました。


『SOSナイト』は独特のリズムが心地いい。テンポの速さだけでなく、いろんなかたちで違いを出していける、そんなポテンシャルを感じさせてくれる一曲。『アイロニー』も『夜のせいに』も好きだけど、今日goomieyのライブで聴いた中ではいちばん好みかもしれない。

ライブ中、ホントに笑顔が絶えない岩堀さんですが、ふと大久保さんに視線送ると、それまで真顔で叩いてもフッと笑みを浮かべる彼女とのコンビネーションも良かった。

平山さんは歌声にとでも魅力があって耳を楽しませてくれる一方、MCのほうはまだこれから、といった感じで初々しい。大久保さんをイジってみるものの、フロアにはいまいち響かず苦戦する場面も。ライブを重ねていくうちに、goomieyらしいトークと言うのもきっと形作られていくことでしょう。今日みたいな感じは今しか味わえないものだと思うので、しっかりと記憶に焼き付けました。ちなみに大久保さんは「させていただきます」がうまく言えないんだそうです。

『ハナコトバ』の冒頭で大久保さんが遠慮がちにスティック叩いて手拍子を促す場面。今のこの可愛らしいスタイル、いずれは堂々としたパフォーマンスへと変化していくかもしれません。

これからどう化けていくのか、ワクワクしてしまう。今日が初めての観賞ですが、彼女たちのライブはそれだけの魅力があると感じました。冒頭の10秒でバンドのカラー、自分たちの魅力をドン!とアピールできるのは強い。

ラストの『アイロニー』を歌い終えた瞬間の、やりきった!といわんばかりの平山さんの叫びもまた清々しかった。

3人全員が深々とお辞儀をして終演。結局やりませんでしたが、アンコールを求めるフロアの声に「お約束感」はなかったな。自分自身、もっと聴いてみたいと思いましたから。


物販で売っていたTシャツのデザインがまた良いんですよ。あれは普段着としても堂々と着れるやつ。いろいろと楽しみが多いバンドです。


セットリスト
01.リメンバーマイユース
02.SOSナイト
03.回数券
04.ハナコトバ
05.夜のせいに
06.アイロニー


あいにくの雨の中、フロアはスペースが気にならないくらい埋まっていて、期待の高さをうかがわせるものでした。早く次のライブが観てみたい。goomieyに限らず、他の出演バンドもみな若いのでこれからの数か月でもグンと成長する可能性がある。

また何かの機会に、チェックできればと思います。なんかもう、どのバンドも応援したくなる。

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