第4話 喫茶店
なんとかコンビニまでずぶ濡れになりつつもたどり着いた俺らはコンビニでビニール傘を買う。そして喫茶店で暖を取ることにした。
「お姉ちゃん。今度は余命7年って、どうせ嘘でしょ?理子はもう姉貴のせいで色々我慢させられるのは絶対いやだからね。」
理子ちゃんは去年、病院の検査で余命1年宣言をもらいショックのあまり取り乱す姉を一生懸命なだめた健気な妹でもあるのだ。
「そ、そうだよ。嘘だよな麻里子?検査ミスって他の人との取違とかじゃないのか?だったら今は健康そのもの!俺たちと同じように明日から元気に学校に通えるってことだよな?そういってくれ。」
俺たちはすっかり取り乱していた。
「なんで嘘ってわかるのよ?私は余命7年って聴こえたんだもん。ほんとだもん。」
目をそらす麻里子。この自信のない態度は何か隠しているな。
「それはまさか1年前のこと、なのか?その今余命7年って言われたわけじゃなくて。だったら後6年。ってことなのか?」
残酷な質問かもしれないけど、コイツ嘘ついている。と俺の直感は言っていた。
「あのね。まだ死んでないから、私死ねないから、余命1年じゃなくて7年って聞き間違えたのかなぁ?なんて。はは。あまり自信ないんだけど。」
え、それじゃ。余命7年なのかもわからないのか?おい。
「麻里子。これは大事な質問だ。余命1年と聞いたあと。病院に確認とかしたか?してないだろ、その調子だと。」
と問い詰めると。
「うん、あまりにショックだったもので、あはは。」
コイツ1年って聞いて、その後病院行っていないのか?しかし現時点では誤診であるかどうかの確定情報もなく、コイツはいつ死んでもおかしくないと。そういうことか?
「で、麻里子さん、一体全体何の病気何だ?おまいさんのは。その色々お泊まり旅行とか行ったけど結局教えてくれなかったよな?まさか、その知らないとか?」
麻里子はうつむき、頷くそして。
「うん、じつはその。へへへ。ショックで聴こえなくて、私もその、良く知らないんです。はい、です。」
くそ、コイツ典型的な勘違いやろうなんじゃないか?だいたいこんなピンピンしている病人がいていいものか?
「姉貴、まずその病院にいこうよ。姉貴を診断したっていうさ?まずはそこからでしょ?先生にちゃんと病名ぐらいは聴こう?ね。」
さすがしっかり者の理子ちゃん。ダメな姉を持つと下の子はここまでしっかりするものか。
僕たちはとりあえず、その病院に行って事実関係を確認するということにしたのである。
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