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雨が好きなとき。

春の雨はゆっくり落ちる。
なんとなく、そんな気がする。

ときどき、まばらに、大きな雨粒のぽと、という音が混じる。

それで今なぜか、中学生の頃、部屋から見ていた雨の庭を思い出した。
着ていたのは母のお下がりのワンピース。
グリーンのタータンチェックで、ペコペコとしたサッカー生地。
袖には細いフリルが付いていた。
半袖だったから6月か7月かもしれない。
とても、心地いい雨の日だったことを覚えている。

生まれてから死ぬまでの間、雨が降る日とそうでない日はどのくらいの割合なんだろう。
降らない日のほうが多いように感じる。
では、せっかくなら降る雨にもっと耳を傾けてみるのもいいかもしれない。
雨が濡らす景色に、もっと目を凝らしてみるのもいいかもしれない。
あ、ひさしぶりですね。
最近はわりとよく降ってますね。
といったふうに、もうすこし、雨それぞれを眺めたり。

春の雨はそんな気にさせてくれる。


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