無題

涙の意味は色々あって
その時々によって違う
違うのに、ひとつとして重ならないのに
同じ色して、落ちていく

軽くなるのは、その身体
途切れ途切れの言の葉達に
素知らぬふりで背を向けたりして

吹けば消えそうな儚さで
ゆらり、ゆらりと影が揺れ
吹けば消えそうなか細さで
それでも歩を進める貴女の

近づくときをおそれながら
近づくみちを見つめながら

凪ぎ、激しく
惑い、揺れ
綴じ込め、また
傍ら、溢れる涙に添う