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門出の季節に思い出す

門出の季節はおおよそ過ぎて、春ももう終盤でしょうか🌸
最近は突然の夏日があったりして、春の「終わり」はどこへやら、という気もしますね。

桜と共に3~4月が出会いと別れ、旅立ちの季節のピークかなと思いますが、中には5月頃もまだ門出の時…という方もいらっしゃるかもしれません。(新人研修を終えていよいよ配属、とか)

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もう一年近く前の話になりますが、海外赴任が決まった方へ、同僚の方が言っていた言葉を思い出します。

準備はどう?事務所への出社はいつまで?など、赴任にまつわる雑談をあれこれしている中で一言。

でもしんどくなったら、
逃げた方がええよ。


特に深刻そうな物言いでもなく、その後も笑いながら続くような和やかな会話の中で、サラッと発せられた言葉でした。

でも、それが逆に印象深くて。
なんて良い言葉…!と、心の中で反芻してしまいました。

「ごく普通の言葉」として発せられていたことがむしろ言葉を浮き彫りにさせ、そのワンシーンだけが鮮やかな色合いで記憶に残っています。

私はたまたま近くに座っていただけだったので、会話に参加していた訳でも、私に向けられた言葉という訳でも全くありませんが(笑)、ふんふん頷きながら50回くらいメモを取りたかったです(笑)


応援してるよ。
あなたのことは心から応援しているよ。
けれど、壊れてしまうくらいなら
逃げてきて。


大切な人へは、確かにそう思いますもん。


誰かが新たな門出に出るときは、「頑張って!!」を使うことが多いです。
若いときは特に。
けれども年を重ねると、新たなステージ=明るいだけでは済まない場合も増えてくると思います。

先程の海外転勤方で考えれば、海外に単身で行くか、ご家族と行くか。お子さんがいる場合、学校はどうするか。自分は海外に行くが高齢の親が心配…などといった場合もありますし、すぐに飛んで帰って来れない距離というのは、当然リスクもあります。

勿論、海外に行くことがかけがえのない時間、一生ものの貴重な出会いがある場合もあります。

どちらが正かは、人それぞれ。
過ぎ去って、振り替えってみてからじゃないと答えは分からない。

最初から最善の道を選んでほしいですが、選んだ道が、合わない場合も出てくると思います。

そんなときは、
時には逃げても良いんだよ、と、でもそれは暗い言葉としてではなく、ごく自然体で言えるような人に、私もなりたいなと思いました。


そして、仮に自分がしんどくなった時。
「頑張ること」を否定するつもりはありません。頑張れる時は頑張りたいですし、頑張ることで得たものも今までたくさんあったはず。歯を食い縛って頑張った先の未来が拓けるのなら、それはきっととても価値のあること。

でも、すっかり暗闇の中で自分の限界が分からないな…なんて思う時には(分からない時ってもう限界なんて超えてる気もしますが…)、選択肢の一つとして、「逃げる」ということも思い出せるようにしておきたいなと思いました。

実際に逃げる・逃げないは別にして、つらいときは思考も凝り固まりがちです。
そんな時、ふと選択肢に「逃げる」を思い出せたら、少し頭と心が柔らかくなるかもしれない。打開策を、突破口を見つけられるように、そんな視点も持てるようにしておきたいなと思いました。

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