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「異世界探偵 ~神宮寺清彦の事件簿~」企画書

◯キャッチコピー
ハードボイルド気取りの探偵と天然美少女の凸凹コンビが、幾つもの異世界を渡って難事件を華麗に?解決!

◯あらすじ
異世界の存在が実証され、転移・転生の原理も明らかになった現代日本。
ハードボイルド気取りの若手探偵 神宮寺清彦と、その雇い主の孫娘のヒロインは、どうにも反りが合わない凸凹コンビ。
そんな二人が請け負った新たな依頼。それは「十三年前に事故死した息子が、異世界に転生しているのか確かめてほしい」というものだった。

調査は意外にも難航し、清彦は途中で「転生した可能性は低い」と結論を出すも、ヒロインの熱意に押されて調査を続行。
結果、異世界の令嬢として転生していた捜索対象の発見に成功する。
ところが、元少年の令嬢の口から予想外の言葉が飛び出す。
自分は事故死ではなく殺された、犯人を捕まえてほしい、と。

◯第一話のストーリー
異世界の存在が実証され、転移・転生の原理も明らかになった現代日本。
神宮寺清彦は異世界絡みの調査を専門とする探偵事務所の若手社員で、所長の孫娘であるヒロインとコンビを組まされることになった。
ハードボイルドを気取る清彦は美少女とのコンビに不満があり、ヒロインも清彦のことを変なキャラ付けだと軽く見ている。

そんな二人の初仕事は、十三年前に事故死した少年が異世界転生しているか否かの調査。
依頼主は少年の両親。最近になって異世界の存在を知り、もしかしたらと考えて依頼を持ち込んだとのこと。

清彦は現場付近の『ゲート』(世界間を繋ぐ不可視の経路)の接続先を調べ、転生した可能性がある世界を推定。
異世界渡航管理局の人工ゲートでヒロインと共に異世界(中世ファンタジー風)へ渡り、その先で異世界ならではのトラブルに巻き込まれたり、ヒロインの天然ボケに困らされたりしながら調査を進める。
しかし少年が転生した証拠は見つからず、清彦は調査の終了を考えるが、依頼主に共感したヒロインの熱意に押されて調査を続行。
元の世界で事故の詳細を洗い直し、ある事実を突き止める。

少年が実際に死んだ場所は、両親が証言した事故現場から大きくズレていた。
実は事故に遭った時点では即死せず、瀕死の状態で何とか移動し、偶然にも別の異世界(スチームパンク風)に繋がるゲートの付近で事切れていたのだった。

さっそくその世界に渡ろうとする清彦だったが、管理局は現地の政情不安を理由にゲートの使用を許可しなかった。
そこで清彦は、いわゆる「トラックに跳ねられて転移」という現象を応用した裏技で、ヒロインと共に異世界転移を敢行する(ゲートの至近距離で強烈な衝撃を受けると転移が起きる。距離が少し離れていたら死んでから転生。清彦は高所から飛び降りることで転移の条件を満たした)

転移先はスチームパンク風近代都市。他の世界の組織を受け入れるかどうかで意見が分かれ、内乱一歩手前の緊張状態。
清彦は聞き込みを進め、受け入れ肯定派のリーダーの十三歳になる娘が転生者であるという情報を掴み、どうにかその娘との面会にこぎつける。

清彦の読み通り、その娘こそ、調査対象の少年が異世界転生した姿だった。
無事に依頼達成かと思われた矢先、元少年が「自分は事故死したのではなく殺されたのだ」と証言。
そして「自分を殺した犯人を探してほしい」と追加依頼をするのだった。

◯第二話以降のストーリー
・第二話(仮)
十三年前、元少年は帰宅中に不審なワゴン車を発見し、二人組の男女が死体を積み込んでいる現場を目撃。
慌てて逃げ出すも二人組に気付かれ、車で撥ねられて瀕死の重傷を負う。
助けを呼ぶために朦朧とした状態で歩き続けたが、途中で力尽きて絶命。
気がつくとこの世界に転生していたのだという。

更に清彦は、元少年に何らかの写真を見せ、被写体のことは知らないという返答を引き出す。
清彦は謎が解けたと宣言し、ヒロイン(と読者)には解説を焦らしつつ、元の世界に戻って証拠集めに取り掛かった。

場所は変わって、元の世界の探偵事務所。
調査結果の報告をするという名目で依頼主の夫婦を呼び出した清彦は、ひとまず元少年を発見した事実を伏せたうえで、二人が元少年の本物の両親ではないと断言する。

元少年は、ファンタジー風異世界に繋がるゲートの近くで自動車に撥ねられ、そこから瀕死の状態で移動をして、スチームパンク風異世界に繋がるゲートの近くで絶命した。
しかし目撃者がいなかったため、当時の警察もマスコミも、元少年は後者の場所で事故に遭ったのだと思い込んでいた。
つまり、本当の事故現場を知っているのは、元少年本人と元少年を撥ねた張本人だけ。

往生際悪く言い訳をする偽両親に、清彦は「元少年に二人の写真を見せても、両親だと認識しなかった」という事実を突きつける。
十三年前の殺人が事故として処理され、長らく安心して過ごしていたが、最近になって異世界転生の存在を知り、少年が異世界で生きながらえているのではという不安に駆られた――それが捜索依頼を持ち込んだ動機。

偽両親は進退窮まり、激昂して清彦に襲いかかろうとするも、事前に連絡を受けて事務所内に隠れていた警察官達が、すぐさま偽両親を制圧。

警官隊が引き上げた後、清彦とヒロインは内心でお互いへの認識を改める。
清彦はヒロインの熱意を見直した。もしもヒロインが食い下がっていなければ、最初の異世界が空振りに終わった時点で調査を切り上げ、偽両親を野放しにしてしまっていた。
ヒロインは清彦の能力を見直した。ハードボイルド気取りの格好つけたがりだと思っていたが、探偵としての能力は本物だった。
しかし二人ともそれを口に出すことはなく、今まで通りの凸凹コンビであり続けた。

後日、偽両親が逮捕された警察署で、刑事達が事件の奇怪さに頭を悩ませる。
偽両親は「十三年前に元少年が目撃した死体」について、大金を貰って処分を依頼されただけで、自分達が殺害したわけではないと主張。
そして二人の証言通り、山中から白骨死体が発見されるが、それは「銃殺されたエルフ」という異常なものだった。
十三年前はまだ渡航管理局すら存在せず、転移転生についても研究途上だったはず。
これは警察の手に負える事件ではない――刑事達はそう考え、専門家である異世界探偵の協力を仰ぐことを心に決めるのだった。

・第三話(仮)
一方その頃、清彦達は中世欧州的な獣人の世界で、浮気調査に勤しんでいた。
調査対象は単身赴任中の管理局の職員、依頼主はその妻。
夫のことは信じてはいるが、現地の同僚からタレコミがあり、確かめずにはいられなくなってしまったとのこと。

まずは依頼主に情報を提供した同僚に面会。
同僚は自分の証言に間違いはないと熱弁するが、清彦は証拠を集めないと結論は出せないと冷静に答え、探偵らしい地道な聞き込みと張り込みを行う。
そして、調査対象が定期的に森の奥を訪れていることを突き止める。
さっそく尾行を試みるも、森の管理人の獣人に見つかって追い払われてしまう。

ヒロインは作戦失敗を残念がるが、清彦はむしろ収穫があったと喜ぶ。
管理人は自分達を追い出した一方で、少し先にいた調査対象は咎めなかった。
つまり、調査対象が森に立ち入ったのは、所有者である領主の許可を得た仕事の一環。
浮気相手と密会している可能性は低いと言えた。

ひとまず依頼主に中間報告をと考えた清彦だったが、街を離れる前に領主の私兵部隊に拘束されてしまう。
領主は清彦達が件の局員の動向を探っていることを怪しみ、理由次第で投獄すると脅しをかける。
震えるヒロインを尻目に、清彦は探偵の業務内容を冷静に説明。
すると領主は、調査を専門とする探偵業に興味を抱き、清彦に交換条件を提示する。
無罪放免にする代わり、件の局員を手伝ってとあるモノの調査をせよ、と。

それは現地人が『空船』と呼ぶ、朽ち果てた世界間渡航機。
小型飛行機に似たその機体は、一ヶ月前に森の奥に不時着したが、乗組員は既に姿を消していたのだという。

・第四話(仮)以降
清彦は調査対象だった局員と合流し、調査の進行状況を確認する。
乗組員の行方は不明。機体も色々な世界で使われている平凡な代物。
この世界だとろくな解析機材もないので、調査はほとんど進んでいなかった。

やがて会話の話題が浮気調査の件に移行する。
局員曰く、局員が空船の調査担当に任命されたとき、例の同僚は不気味さすら感じるくらいの必死さで「担当を代わってくれ」と懇願してきたのだという。
功績を焦っているのだと思って断ったが、まさか妻に嘘を吹き込むとは思いもしなかった。
もしも妻から直接問い質されていたら、仕事を放り出してでも弁明をしに帰国していただろう……とのこと。
ヒロインは素直に喜ぶが、主人公は何かに気付いたような顔。

場所は変わって領主の館。清彦は調査報告のついでに大胆な質問をする。
自分達を捕らえるために私兵を送り込んだ行動は、あまりにも迅速すぎた。
その理由は、何者かの密告があったからではないか、と。
更に、清彦はその密告者をズバリと言い当て、領主を驚かせる(この時点では名前を伏せる)

視点変更。件の同僚視点での描写。
唐突に例の局員から連絡が入り、妻に浮気を疑われているから弁明のため一時帰国する、その間の調査を代行して欲しい、と頼まれる。
同僚は上手くいったと喜びながら、その日の夜に森へと向かう。
森の管理人にも止められず、首尾よく自分一人で空船にたどり着き、迷うことなく座席下の隠し金庫を取り出す。

次の瞬間、眩しい照明が同僚を照らす。
周囲を取り囲む領主の私兵。清彦と局員の姿もある。
そして、同僚が回収しようとしていた物品は、既に清彦の手中にあった。
愕然とする同僚に、清彦が推理と捜査の結果を突きつける。

この空船は密輸業者の船。同僚はその共犯者。
逃亡した操縦者に代わって積荷の回収をすることが目的で、そのために空船の調査担当になりたがっていた。
浮気の偽情報を流したのは、担当局員が慌てて帰国するよう誘導するため。
担当局員の妻が探偵を雇った場合は、空船について探っている等の嘘の密告をして領主を動かし、合法的に排除するつもりだった。

しかし、そこまで迅速に密告ができるのは、清彦がこの世界に来た理由を知る人物、つまり担当局員の同僚しかいない。
清彦はここまでする理由が空船にあるに違いないと考え、担当局員と徹底的に機体を調べ上げ、隠し金庫と禁制品を発見。
同僚の目的がこれだという証拠を掴むため、局員に頼んで一芝居を打ってもらったのだった。

無事に事件を解決した清彦のもとに、第二話最後&第三話冒頭の警察からの連絡が入る。
事情を聞いた清彦は、二つの事件の裏に、とある組織が絡んでいることを予想する。
その名はカドゥケウス。管理局設立の遥か以前から存在する、多世界間犯罪結社。

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