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「シロハガネ ~明治機巧異聞録~」企画書

◯キャッチコピー
士族反乱の嵐が巻き起こる明治時代、鎧武者型機動兵器が神速の刃を交える異色の歴史剣戟絵巻!

◯あらすじ
明治七年、戊辰戦争が現実とは異なる形で終わり、蝦夷共和国が成立した日本。
若き警察官の伊織は活発化する不平士族の取締に追われていた。

ある日、故郷の村が不平士族に占領されたとの通報が入る。
独断で村に潜入した伊織は、蝦夷共和国が開発した全高四メートル半の鎧武者型ロボット「機巧甲冑」の姿を目撃する。

そこに男装の美少女リンが駆る白銀の機巧甲冑が出現。
不平士族の機巧甲冑を次々に撃破するも、あと一歩のところで返り討ちに遭ってしまう。
伊織はリンの代わりに白銀の機巧甲冑を操り、敵の頭領の機巧甲冑を撃破。
その活躍をリンに気に入られ、リンが率いる対機巧甲冑部隊にスカウトされることになったのだった。

◯第一話のストーリー
開幕は過去シーン。明治二年五月、箱館戦争末期。新政府軍の総攻撃に追い詰められる旧幕府軍。
部隊を指揮する土方歳三は、あんなものに頼りたくはなかったと吐き捨てながら、伯爵なる人物から提供された新兵器を投入する。
それは身の丈十五尺(四メートル半)の機巧甲冑。即ち鎧武者型ロボットだった。

五年後、明治七年。主人公の伊織は若き警察官で、藤田五郎(斎藤一)の部下として不平士族の取締に奔走していた。
箱館戦争は旧幕府軍の勝利に終わり、日本は明治政府と蝦夷共和国からなる連邦国家となった。
結果、本土の不平士族も蝦夷共和国に続けと活気づき、各地で士族反乱が頻発していた。

そんなある日、伊織の故郷の村が不平士族に占領される。
伊織の実家は古流剣術の道場で、父親は道場主。母親は早逝。弟妹は幼く、門下生は家族同然。
心配で気が気じゃない伊織。しかし村がある山は軍に包囲されていて、警察は近付くこともできなかった。

伊織と藤田は隙を見て山に侵入。村は不平士族と三機の機巧甲冑に制圧されていた。
蝦夷共和国しか保有していないはずの機巧甲冑に驚く伊織。
そこに四機目の白銀の機巧甲冑が現れ、二機を瞬く間に倒すも、隊長機にやられて谷底に転落する。

伊織はすぐさま谷底に降り、白銀の機巧甲冑の搭乗者(ヒロイン)を救出。
ヒロインは美少年と見紛う男装の美少女で、純情な伊織は激しく困惑。
そこに不平士族達が追いついてくるも、伊織と藤田の剣術で撃退。
しかし、その後に現れた敵のリーダーの機巧甲冑には歯が立たない。

ヒロインが伊織に自分を白銀の機巧甲冑に乗せるよう頼むが、敵の妨害を受けて慌てて起動した結果、伊織まで操縦席に入ってしまう(極めて狭いのでヒロインと密着状態)

苦戦するヒロイン。機巧甲冑は操縦者の思考と接続し、体の延長として動くため、ヒロインの武術の腕前では性能を発揮しきれない。
あわやというところで、伊織が制御を奪って反撃に転じ、古流剣術を振るって敵の機巧甲冑を撃破。
その寸前、敵は伊織の剣術に見覚えがあるような発言を残した。

村は無事に解放され、弟妹と門下生は救出できたが、父親だけは行方不明。
ヒロインと白銀の機巧甲冑も軍に回収され、どこの誰だったのかも分からないまま。

後日、伊織は上層部に呼び出され、新設部署に異動するよう命じられる。
そこで引き合わされたのは、あのときの男装の少女だった。


◯第二話以降のストーリー
蝦夷共和国しか保有していないはずの機巧甲冑が、本土の不平士族に流出している――警視庁はその事実を受け、ヒロインの天宮リン率いる対機巧甲冑の特殊部隊の設立を決定。
リンは機巧甲冑の製法を知る数少ない人物で、白銀の機巧甲冑こと「白鋼(しろはがね)」の所有者。
新部署設立に協力する条件の一つとして、自分に代わる白鋼の使い手として伊織を指名した。

上官はこれだけ説明すると、後はリンから聞くようにと言って立ち去る。
さっそく色々と聞き出そうとする伊織だが、リンに「話は東京見物をしながら」とリクエストされる。

喜々として東京見物に興じるリン。まるで逢引のようだと動揺を隠せない伊織。
開通したばかりの鉄道にも乗車して、そこでようやく詳しい説明を聞くことができた。

男装の理由は、女らしい格好をしていると役人に軽んじられるから。
伊織を指名した理由は、いきなり機巧甲冑を乗りこなせるほどの適性があったから。
そして機巧甲冑の製造方法を知っている理由は、機巧甲冑が元々リンの一族に伝わる秘伝だったから。

戦国時代、リンの一族は大名に機巧甲冑を提供していたが、江戸幕府からは危険視され、隠れ里で細々と技術を伝承していた。
ところが、明治維新の直後に謎の勢力の襲撃で壊滅。
首謀者は「伯爵」を名乗る西洋人。一族からも造反が出て伯爵側につき、蝦夷共和国に機巧甲冑を提供したのだという。

リンが政府に協力している理由は、伯爵を探すため。
最初は軍と手を組んでいた(第一話で軍が山を包囲していたのはこのため)が、警察の管轄になる不平士族の動向を追う方が有力だと考え、警察にも協力するようになった、とのこと。
伊織はリンの事情と考えを知り、目的意識に欠ける自分とは大違いだと感心する。

質問も一段落し、到着地点の駅で降りた矢先、二人の目の前に貴公子然とした派手な衣装の若い西洋人が現れる。
リンは敵意を剥き出しにして、この男が「伯爵」だと叫ぶ。
咄嗟に刀を抜こうとする伊織だったが、伯爵は飄々とした態度で争う気はないと告げ、それどころか「次に不平士族の蜂起が起きる場所を教える」とまで言い出した。
逮捕を試みる伊織だったが、伯爵が奇妙な術を使ったことで意識が途切れかける。
咄嗟に刀を抜いて斬りつけるも、既に伯爵の姿は跡形もなく消え失せ、後には封書だけが残されていた。

◇ ◇ ◇

一連の出来事を警察上層部に報告した後で、リンは自分が把握していた情報を伊織にも共有する。

実は、機巧甲冑が使われた箱館戦争だけではなく、数年前のフランス帝国とプロイセン王国の戦争にも投入され、滅亡寸前だったフランス帝国の窮地を救っていた。
伯爵はフランスに機巧甲冑を流出させた最有力容疑者。
こういう前例があったため、リンは不平士族に機巧甲冑を与えたのも伯爵だろうと思っていたが、それなら隠れ家をリークする意味が分からないと困惑する。

後日、伯爵のリークがあった場所に警官隊が突入。
伊織はいつでも白鋼を動かせるように後方で待機していて、そこには新設された対機巧甲冑の特殊部隊のメンバーの姿もあった(追加ネームドキャラもここで紹介)

伊織は出撃準備を整えつつ、藤田に率直な感情を打ち明ける。
今の自分は状況に流されて動いているだけ。明確な目的に全力を注ぐリンとは大違い。こんな自分が大役を任されていいのだろうか、と。
藤田は「与えられた役目を果たしているうちに、己の使命に気付くこともある」と返答、伊織を元気づける。

そのとき、先行していた警官隊から出撃要請。
伊織は得意の実戦的な古流剣術で敵の量産型機巧甲冑を蹴散らし、敵の首領と思しき漆黒の機巧甲冑に挑みかかる。
だが、漆黒の機巧甲冑は伊織とよく似た剣術を操り、一枚上手の戦いを見せる。

熾烈な戦いの中、伊織は漆黒の機巧甲冑の操縦者の正体に気付く。
それは第一話の戦いで行方不明になったはずの伊織の父、黒木玄斎だった。
愕然とする伊織に、玄斎は勧誘の言葉を掛ける。
玄斎こそが、第一話の戦いを引き起こした不平士族のリーダー。
侍のための国を作るため、秘密裏に機巧甲冑を仕入れて蜂起の準備を進めていたことをリンに嗅ぎつけられ、戦いのどさくさに紛れて身を隠していた。

死んだ母はこんなことを望んでいない、と月並みな説得をする伊織。
だが、玄斎はそれを否定。母も蜂起を望んでいると告げる。漆黒の機巧甲冑がその証拠。
伊織は知らされていなかったが、機巧甲冑は死んだ人間の魂を宿すことで起動する。
その魂の意に反する戦いはすることができず、漆黒の機巧甲冑に宿っているのは、他ならぬ伊織の母の魂だった。

愕然とする伊織に対し、玄斎は機体を破壊してでも連れて行くと告げ、容赦のない斬撃を繰り出す。
だが、その刃は白鋼に当たる直前に停止した。
驚愕する玄斎。妻の魂が息子への攻撃を拒んだと悟った次の瞬間、伊織の咄嗟の攻撃が漆黒の機巧甲冑に大ダメージを与える。
お互いに動揺しているところに、玄斎の手下が煙幕弾を投げ込んで戦闘中断。
敵勢力はほぼ壊滅させるも、玄斎と半壊した漆黒の機巧甲冑だけは取り逃してしまう。

◇ ◇ ◇

ここまでの内容で、第2話から第3~4話辺りまでを想定。
以下、第5話以降に使う想定の要素を列挙。

◯リンとの一時的な軋轢と和解
機巧甲冑が人間の魂を必要とすることを伏せていたことについて、伊織がリンを問い詰める。
リンは素直に謝罪し、政府から口止めされていたと返答。
政府は機巧甲冑の採用を目論んでいるので、死者の霊を使うというマイナスイメージは広めたくなかった。

◯白鋼の謎
白鋼に使われている魂の正体は、リンも把握していない。
江戸時代以前から一族に伝わっていた機体を修復したもので、魂については記録が残っていなかった。

◯騎士少女登場
突如、フランスから騎士らしい立ち居振る舞いの少女が来訪。
しかも普仏戦争に投入されたタイプの機巧甲冑を持ち、伊織に決闘を申し込んでくる。
決闘の理由は、機巧甲冑を提供してもらった恩がある伯爵、正しくは「サンジェルマン伯爵」からの要請。
伯爵が何を考えているのか、更に謎が深まる。
(決闘後はサブヒロインとして伊織につきまとい、リンに嫉妬と危機感を覚えさせる)

◯蝦夷共和国からの招待
蝦夷共和国の土方歳三が、伊織を含めた部隊の主要メンバーを蝦夷地に招く。
応じるべきか否かで一悶着あった後で、招待に応じて蝦夷地へ。
土方の用件は、共和国政府は伯爵の行動を一切認知していない、と伝えること。
そして、伯爵を背任容疑で逮捕するつもりなので、制圧に協力してもらえないかと要請する。

◯伯爵の目的
伯爵は土方の行動を読んでいて、機巧甲冑同士の熾烈な戦いが繰り広げられる。
(藤田も蝦夷共和国の機体で参戦。宿された魂が新撰組隊士の霊だったため、藤田こと斎藤一に使われるのを喜んで受け入れた)
戦いの中、伯爵は自分の本当の目的を語る。それは機巧甲冑に天使や悪魔を降ろすこと。
遥か昔、戦国時代よりも前の機巧甲冑は、神を降ろす依代だった。
伯爵は機巧甲冑同士の戦いを誘発させ、収集したデータを元に研究を進めて、天使をこの世に呼び寄せようとしていた。
そして機巧甲冑改め「機巧天使」試作一号を起動させ、伊織や土方を始めとする邪魔者の排除を目論む。
全員が窮地に陥ったそのとき、伊織の白鋼が隠された力を解放、機巧天使を打ち破る。
白鋼の正体は、神を宿した「真の機巧甲冑」だった。


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