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お試し版【2022.9.29号】自分で自分に依頼とは ほか

上田です、おはようございます!昨日は誕生日でした!

毎年私の誕生日の付近は、道にコスモスが咲き乱れてそれを見るのが楽しみだったりします。ああ、今年も一年無事に経ったのだなとしみじみしてしまう瞬間です。

月刊購読マガジン、9月第4号をお送りします。

本マガジンは週に1回ほど、上田の生活のなかにある「ごはん」と「くらし」と「ことば」の三点について、毎回エッセイをつづっていくというコンセプトのものです。毎回おおよそ2500字以上と、たっぷりボリュームでお届けします。

どうぞ今回も、よろしくお願いいたします!

今回のテーマはこの三本!

【自分で自分に依頼とは】――ことば
【毎回新しいレシピを試すこと】――ごはん
【公民館で紅茶教室】――くらし

【自分で自分に依頼とは】

先日、呑み書きで坂口恭平さんの「中学生のためのテストの段取り講座」に触れました。この本ですね。


この本のなかで「将来の現実を決めろ」という面白い言葉をご紹介させてもらったのですが、私、もうひとつ「なるほど」と思った箇所がありまして。

将来の夢なんかもはやどうでもいいんです。やりたいと思っていることは中学生だからとやらずに済ませるのではなく、さっさとどんどん実践してみたらいいんです。仕事の依頼がないからできない、ではなく仕事の依頼は自分でやるもんなんです(本文より)

「あの、坂口さんの小説を読んでみたいんです、あのとき、ぽろっと言ってた船乗りの話、もっと聞きたいんで、雑誌に掲載したいんで、ぜひ書いてください」これを僕は自分で自分に言うんです。(本文より)

すっごく面白い考え方じゃないですか?「はー!」と思いましたよ。私はいまほんとうに坂口さんのご著書にはまっていて、たくさん読んでいるのですが、この「中学生のためのテストの段取り講座」はすごーくわかりやすくて。私のなかで、ベストじゃないかな。

自分が何かを作って生きていきたいときの指針をすごく支えてくれる感じがして大好きなのです。

やっぱり、本を出していく前提として、原稿のストックというものはとても大事になってくるので、もう作家になりたい人だったらたとえば、それこそ中学生のときからでも「こういう話を書いてください」って自分が編集者になりきって、作家の自分に頼んだと思って作品を書く、とかそういう発想ができたら楽しいのかなって思いました。

もしくは、妄想のなかだけで好きなアニメキャラとか、好きな俳優さんとかに編集者役をやってもらって「こういうの書いてください!」って頼まれた風に空想するとか。それをモチベ―ションにして書けたら、楽しいかもしれないですよね。

たぶん、この本はまず中学生をターゲットとしているので、そういう子たちが「自分の好きなものを見つけ、続けていって将来苦しんで死なないための考え方の足がかり」を示してくださってるのだと私は理解しています。

中学生以上の年齢だったとしても、フラワーアレンジメントを教えたいなとか、ウェブデザインをやりたいなとか、そういうことをやっていきたい入り口にいるとしたら「夢がいつか叶ったらいいなあ」と待っているのではなくて、実際に脳内で仮の仕事相手を作って、その人に依頼されたと思ってどんどん作品を制作するのが上達の早道なのかもしれないですよね。

そんな楽しくも実践的な本でした。いや、紙本しかいま売られていないので、入手できてよかった。これ、創作して生きていきたい人は絶対に買いの本なので、おすすめ全力でしています!

【毎回新しいレシピを試すこと】――ごはん

料理が上手くなりたい熱が最近また上がってきまして。というのも、毎日文筆仕事をやる時間を決めてしまったのですね。自分のなかで。そうすると、必然的に家事はこのくらいの時間やろう、とかも決まってきて。

そして、料理は私にとってストレス解消の面があるのですが、料理をもっと特技にしていきたいな、楽しみたいなと思ったとき「もう覚えているレシピだけ作っていたら進歩がないな」と思いまして。

料理やりたてのころは、新しいレシピをどんどん試していたのですが、最近それがおろそかになっていたなと感じ、あえて「新しいレシピを必ず試す日」を組み込んでいこうと決心しました!

とはいえ、忙しいときは、なんとなくレシピ確認せずとも手順を覚えてる料理を作って済ませちゃうのですけどね(笑)

で、最近初めてつくったのが、大学いもでした。私の母がね、大学いもが好きで、子供のころはしょっちゅう出てきたのですよ。でも、実家を離れてからはほとんど食べていないし作ってもいなかった。

金沢の美味しいサツマイモ(加賀野菜ですね)の五郎島金時がスーパーにあったので、それを使って作りました!

てりてりに美味しくできて大満足。やっぱり黒ごまですねえ。

あと、レシピは何のサイトで見ているか?ということなんですが、五、六年前まではクックパッドが多かったのですが、最近はナディアを見ています。

実は無料会員で、レシピのランキング検索とかはできない設定で見ているのですが、それでも私はクックパッドにせよナディアにせよ、この頃はランキング上位じゃなくて新着レシピから探すことが多くって。

まあ、要するにレシピのジャケ買いのようなことをしてるわけですけれども、料理をある程度し慣れてくると「この調味料でこの分量だと、だいたいこんな味になるんじゃ?」という予想がついてきて、それからだいたい外れません。

もう高評価が定まったレシピだけ試すのは、ちょっとつまらなく思えてきてしまって、じゃんじゃん新着で届いたレシピを試しています。ナディアはとくに、選抜されたプロの料理家さんが載せるレシピサイトなので、なにを作っても美味しいですよ。

今夜は何を作ろうかな?どんなレシピサイトに出会えるかな?

そう思って、夕食づくりが楽しみです。

【公民館で紅茶教室】――くらし

昨日ちょうど誕生日だったんですが、市内の公民館でのあるお教室に申し込んでいまして、行ってきました!その前の予定が立て込みまして、遅れそうだとあわてて市電に乗ったのですが、間に合ったのでよかった。

席について一番、もうご準備されていた講師の先生が「ウェルカムティーよ」とおっしゃって、まず一杯淹れてくださって感激。

ティーインストラクターの先生はとってもテキパキして素敵な方でした。私、youtubeができてから「動画で料理の手順を見るのはなんてわかりやすいんだろう」と感心していたのですが、じかに実際目の前で見ると、またさらに違いますね!

先生の素早い「ポットの温め」の手順や「ポットがなぜ2つ必要か」の理由、紅茶の茶葉の大きさによる等級の違いなど、ほんとにわかりやすかったです。

テーブルが4つあり、そこに3~4人ずつ分かれて座っていたのですが、私のテーブルに、おばあさんがおひとり座っていらして。最初70代半ばの方かしら?と思っていたのですね。

でも、実際に御年をたまたま聞く流れになってわかったのですが、なんと95歳の方!!!背もそれほど丸くなく、ちゃんと歩かれていて、お話もちゃんとできておられて、紅茶を淹れるときこそ私たちがお手伝いしましたが、ちゃんとカップを持って普通に飲んでおられて。

いや、びっくりしました。すごい、こんな90代になりたいものだけど、なれるかまったく自信がないです(笑)

紅茶はダージリンのセカンドフラッシュを、実技としてテーブルごとに淹れて、ノリタケのカップで飲みました。本当に美味しく淹れることができた紅茶っていうのは渋味がないのですね!

一緒にチョコレートケーキも出てきて、誕生日だったのでほくほくでした~!近くのケーキ屋さんにオーダーしてこの講座のためにつくってもらったみたいで。優しい甘さがめちゃくちゃ紅茶に合っていました。

家でも美味しい紅茶が淹れられるように研究したいと思いました。そして、先生に「日本の紅茶ってどう思いますか?」という質問ができたのもよかった。

最近、紅茶専門店にも日本の紅茶置いてありますよね。前から国産紅茶気になっていたので、先生がどういう風に思っているか知りたくて。「すごくがんばっていて、美味しくなってきている。でもやはりスリランカとか紅茶の元々の産地は歴史がとんでもなく長くあり、その積み重ねで培った味の精度は大きい」というようなことを回答としていただけました。

最後にお土産でいただいたクッキーも美味しかったです。自宅にはいま、義母や叔母からもらった紅茶の茶葉があるので、今度さっそく試したいなと思いました!

【今日のフォト:信州のホテルがクラシカルですてきでした】

夫と、車旅で長野県松本市に行ってきました!諏訪市の諏訪大社に行ったあと、松本市に入り、松本ホテル花月さんへ。

こちらのホテル、コンセプトは「泊まれる民藝」だそうで。松本城から徒歩5分、明治二十年創業のクラシカルな味わい深いホテルでした。

夕食、とても美味でした。スパークリングワインも美味しすぎて夫とびっくりし合いました。

誕生日の一週間前ほどだったのですが、もうお祝いしてもらったような気分になってしまって。

信州いいとこだったのでまた行きたいです。

ということで、今回はお試し版としてすべて無料で読める形でお送りしました。いかがでしたでしょうか。

マガジン「上田聡子のごはん くらし ことば雑誌」ですが、毎回3テーマにしぼり、全体で2500字以上の分量で書いています。今回が19記事目で、マガジン購読していただくと、いままでのすべての記事が読めます。

よかったら、お試しくださいね。出入りは自由です!基本ゆるりとしています。どうぞよろしくお願いします。

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