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ZTF(ズィーティーエフ)彗星, etc.

旧石器時代以来5万年ぶりの来訪のZTFという彗星が2月2日に地球に最接近、2月11日は火星に最接近しています(曇って見えませんでしたが)。
今後は軌道が変わりもう二度と見られなくなるという事で注目を集めているようです。大きさの割に明るい彗星なのだとか。とはいえ、望遠鏡で見ないと分からないレベルです。

ZTF彗星(Credit:NASA)
この写真は進行方向と太陽の向きが異なる

核の周りのコマの部分が緑色になっていますが、これは彗星ではごく普通の事の様です。
ちなみに、以下の写真は2021年12月12日に地球に最接近したレナード彗星となります。美しいですね。レナード彗星の公転周期は約80,000年と言われています。ただ、こちらも軌道的にもう二度と太陽は通過しない様で、見納めだったようです。

2021年レナード彗星(Credit: Rolando Ligustri (CARA Project, CAST) and Lukas Demetz)

分かり難いですが、彗星の尾にはダストテイル(塵部)とイオンテイル(太陽風によって直線に伸びるプラズマ)の2種類が有り、同時に見えています。

さて、古来彗星というのは不吉な星と言われて来ました。最近では観測史上初の恒星間天体オウムアウアの地球接近の2年後、観測史上2例目の恒星間天体・ボリソフ彗星が太陽に最接近(2019年12月8日)しています。その後に起こったのはコロナのパンデミックでした(…観測史上2例目が早過ぎる⁉︎)。

オウムアウアについては塵とかは出さず、細長い形状から謎の天体(宇宙船かも)とされており、観測したハワイの言葉で「斥候」とか「遠方からの初めての使者」という意味なります。

オウムアウアイメージ図
European Southern Observatory / M. Kornmesser

ボリソフ彗星に関しては写真を見ると青色してこんなに綺麗なのに。と思ってしまいます(でもやっぱりちょっと不気味かも)。2018年12月に発見されて1年で地球に最接近したことになります。猛スピードで来る恒星間天体だと1年前〜直前位にならないと簡単に発見できない難しさが有ります。

ボリソフ彗星(Wikipediaより)
ボヤっとした所が地球の14倍

ボリソフ彗星のガスやちりで構成される尾の長さは地球の直径の約14倍になったとの発表もあります。太陽系外から来た2つ目の彗星ですし時期的にコロナ発生への何らかの影響が有ったとしてもおかしくありません。とはいえ、時速16万kmの彗星が地球から3億km離れた所(太陽と地球の距離の2倍、火星の外側)を通過したので、仮に尾の一部のプラズマと一緒にウィルスか、ウィルスを変異させる物質が飛んで行く事があったとして、12月中とかそんなに早くに地球に届くのかどうかは私には疑問です。(太陽風のプラズマだったら地球まで2〜4日でやって来ますが。)とはいえ当時、流行り病が来るかもと少し警戒はしてました。

約76年周期で太陽に近づくハレー彗星においてもですが、中世ではその年に欧州でペストが大発生したり、為政者が死去したり、冷害が起こったりした事が有ります。
最近の1910年のハレー彗星は尾の長さは空の120度にも及んだため、色んなデマが有って大変だったようです(空気が無くなる、毒ガスに包まれる)。しかし、1986年のも含め特に何も起きなかったように思います。1986年のは北半球での観測条件があまり良くならず、南半球で長さが15度近くだったようです。
あえて言うなら1914年には第一次世界大戦、1989年には冷戦終結や、天皇崩御など大きな出来事はありましたが(それ以前迄も色々起きてはいます)。他の年代のも調べないと分かりませんが、もしかすると影響の数年の誤差は宇宙スケールでは普通の範囲なのかもしれません。

ハレー彗星や他の彗星の見え方はその時の地球や太陽の位置関係にも依るのでしょうが、そういう事もあり、地上への影響の出方には色々差がありそうです。

https://www.neomag.jp/mailmagazines/topics/letter201906.html  より。
通り過ぎた後、尾の広がりが薄く被さって来るイメージか。

今回のZTF彗星はどうでしょう。数年も警戒する必要はないでしょうが、こんな時代だから敏感になってしまいますね。綺麗な花には毒がある。綺麗な彗星にも毒がある(かもしれない)。
青の彗星はボリソフ。緑の彗星はZTF。赤い彗星は?・・・どれも危険かもしれません。
ZTF彗星が見れる期間はあと僅かとなりますが、何事も起きないことを願っています(2月6日にトルコ・シリア地震が発生していますがほぼ関係無いとは思っています。不幸事ですが。)。


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