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読んで覚えるタロットカード「大アルカナ」のストーリー

タロットカードには、大アルカナと小アルカナという2種類のカードがあります。
大アルカナは、人間の魂の成長を描いた物語と関連付けて解釈されることがあります。

大アルカナには、0番から21番までの22枚のカードがあって、それぞれのカードには、特定の意味や図柄に込められたメッセージがあります。

大アルカナの物語は、0番の「愚者」から始まります。
「愚者」は、無垢で好奇心の魂であり、何も知らないからこそ恐れを知らずに自由に行動できます。彼は旅に出て、さまざまな出会いや体験を通して人生の教訓を学んでいきます。これが大アルカナの物語です。

では、どんな物語なのでしょうか?
ざっくり、出会いのテーマと学びについてまとめるとこんなカンジです。

1番の「魔術師」では、愚者は自分の持つ力や才能に気づき、創造的に活用することを学びます。

2番の「女教皇」では、自分の感情や直観を知り、優れた知性を活かして、学問や未知の分野を探求することを学びます。

3番の「女帝」では、自分の魅力や豊かさを表現し、実りある結果を生み出すことを学びます。

4番の「皇帝」では、自分の意志や秩序を築き、オペレーションしたり責任を果たすことを学びます。

5番の「法王」では、社会の規範に従い、モラルや指導を受け入れることを学びます。

6番の「恋人達」では、他者との関係や選択の場面に直面し、恋愛やコミュニケーションの意味について学びます。

7番の「戦車」では、自分の目標に向かって進み、勝負に挑むことや、勝利を掴む方法や困難に立ち向かう勇気を学びます。

8番の「力」では、自分の気持ちや衝動をコントロールし、忍耐強く努力することで成功することを学びます。

9番の「隠者」では、自分の内面に向き合い、深く考察したり俯瞰して周りの状況を見つめることを学びます。

10番の「運命の輪」では、運命や流れには逆らえないと知り、変化や転機に臨機応変に対応することを学びます。

11番の「正義」では、公平な目で物事をみつめ、適正な判定や正しさを見つけることを学びます。

12番の「吊された男」では、自分の視点や価値観を変えるために、自分を犠牲にしたり耐えることを学びます。

13番の「死神」では、古いものや必要ないものからの束縛から解放されるために、物事を終わらせること、再生させることを学びます。

14番の「節制」では、自分の哲学や宇宙観に基づいて、調和やバランスをとることを学びます。

15番の「悪魔」では、自分が本能や欲望に囚われていることに気づき、執着や快楽から抜け出すことについて学びます。

16番の「塔」では、自分の誤った思い込みや傲慢さによって、災難や転落を招くことを学びます。

17番の「星」では、自分の希望や夢に向かって進むことで、自分の才能を磨き問題や困難を解決することを学びます。

18番の「月」では、見えない恐れや不確かな不安に直面しながら、真実を見つけることや、心が生み出した幻想を見抜くことを学びます。

19番の「太陽」では、自分の価値や既に手に入れているものに気づくことで、名誉や成功を掴みとれることを学びます。

20番の「審判」では、過去の行いや未来に対して責任を取ることで、これまでの努力にふさわしい機会を得られることを学びます。

21番の「世界」では、これまでの行動の結果が全て結びつき、最高の結末を迎えます。そして次の目標に向かって前進するための完成を学びます。

ではそれぞれのカードを詳しく見ていきましょう。

* *  * *

物語の主人公は、愚者という名の少年です。彼は、自分の運命を探すために、旅に出ることを決めました。彼は、何も持たずに、道に迷った犬と一緒に歩き始めました。彼は、自分の心に従って、どこへでも行けると思っていました。

彼が最初に出会ったのは、魔術師という男でした。彼は、テーブルの上に置かれた杖やコインやカップや剣などの道具を使って、不思議な芸を見せてくれました。
彼は、愚者に「これらの道具は、自分の意志で物事を変える力がある」と教えてくれました。愚者は、魔術師から一つだけ道具を選ぶことができると言われましたが、どれも気に入らなかったので、断りました。

次に出会ったのは、女教皇という女性でした。彼女は、本やトーラー、三日月の王冠といった知識の象徴を持っていました。彼女は、愚者に「これらの知識は、自分の直感に気づく力がある」と教えてくれました。愚者は、女教皇から一つだけ知識を得ることができると言われましたが、どれも興味がなかったので、断りました。

その後に出会ったのは、女帝という女性でした。彼女は、豊かな自然や美しい花々、実りある穀物などの豊穣の象徴に囲まれていました。彼女は、愚者に「これらの豊穣は、自分の愛情を満たす力がある」と教えてくれました。愚者は、女帝から一つだけ豊穣を受け取ることができると言われましたが、どれも必要なかったので、断りました。

さらに進んだ先で出会ったのは、皇帝という男でした。彼は、王冠や雄羊の王座や赤いローブなどの権威の象徴を持っていました。彼は、愚者に「これらの権威は、自分の地位を高める力がある」と教えてくれました。愚者は、皇帝から一つだけ権威を得ることができると言われましたが、どれも欲しくなかったので、断りました。

そして出会ったのは、法王というの男でした。彼は、二本指で祝福のサインを作り、十字架や三連冠などの信仰の象徴を持っていました。彼は、愚者に「これらの信仰は、自分の魂を救う力がある」と教えてくれました。愚者は、法王から一つだけ信仰を得ることができると言われましたが、どれも信じられなかったので、断りました。

次々と出会った人々から何も受け取らなかった愚者は、自分の旅に疑問を感じ始めました。彼は、自分の心に従っているつもりでしたが、自分の心が本当は何を望んでいるのか、わからなくなっていました。

そんなとき、彼は、恋人たちという二人の若者に出会いました。彼らは、愛や美や選択の象徴である木の実や花や天使のそばにいました。彼らは、愚者に「これらの愛は、自分の幸せを決める力がある」と教えてくれました。愚者は、恋人たちから一つだけ愛を選ぶことができると言われましたが、どちらも魅力的だったので、迷ってしまいました。

そこで、愚者は恋人たちに「どちらを選んでも後悔しないようにするにはどうすればいいですか」と尋ねました。すると、女性の方が「自分の本当の気持ちを聞くことです」と答えました。
続けて愚者は、「では、自分の本当の気持ちを聞くにはどうすればいいですか」と尋ねました。すると男性の方が「自分の内なる声に耳を傾けることです」と答えました。

なので愚者は、自分の内なる声に耳を傾けることにしました。すると、彼は、自分が本当に求めているものが何なのか、わかり始めました。彼は、自分が本当に望んでいるものは、他者から得られるものではなく、自分自身から生まれるものだと気づきました。

そして彼は、自分自身から生まれるものとは何なのか、知りたくなりました。彼は、自分自身から生まれるものを探すために、再び旅に出ることを決めました。彼は、道に迷った犬と一緒に歩き始めました。彼は、自分の心に従って、どこへでも行けると思っていました。

しばらく進むと、彼の前に戦車と名乗る男が現れました。彼は、勝利や意志・行動の象徴である星の王冠や鎧を携え、2頭のスフィンクスを従えていました。彼は、愚者に「これらの勝利は、自分の目標を達成する力がある」と教えてくれました。愚者は、戦車から一つだけ勝利を得ることができると言われましたが、どれも自分の目標ではなかったので、断りました。

愚者は、自分の目標とは何なのか、知りたくなりました。彼は、自分の目標を探すために、再び旅を進めました。彼は、自分の心に従って、どこへでも行けると思っていました。

彼が次に出会ったのは、という女性でした。彼女は、力や勇気・情熱の象徴であるライオンや無限のマーク、花飾りの冠を身に付けていました。彼女は、愚者に「これらの力は、自分の欲望を制御する力がある」と教えてくれました。愚者は、力から一つだけ力を得ることができると言われましたが、どれも自分の欲望ではなかったので、断りました。

愚者は、自分の欲望とは何なのか、知りたくなりました。彼は、自分の欲望を探すために、再び旅を始めました。彼は、道に迷った犬と一緒に歩き始めました。

その後、彼が出会ったのは、隠者と名乗る老人でした。彼は、智慧・孤独・探求の象徴である、ランプや杖や黒いマントを身に付けていました。彼は、愚者に「これらの智慧は、真実を見つける力がある」と教えてくれました。愚者は、隠者から一つだけ智慧を得ることができると言われましたが、どれも自分の真実ではなかったので、断りました。

愚者は、自分の真実とは何なのか、知りたくなりました。彼は、自分の真実を探すために、再び旅に出ることを決めました。

彼がさらに進んだ先で出会ったのは、運命の輪という名前の大きな車輪でした。それには、運命・変化・サイクルの象徴である神聖文字が刻まれてあり、周囲を神々が廻り、四隅にいる聖獣に見守られていました。それは、愚者に「これらの運命は、自分の運を変える力がある」と教えてくれました。愚者は、運命の輪から一つだけ運命を得ることができると言われましたが、どれも自分が求める運ではなかったので、断りました。

愚者は、自分の運とは何なのか、知りたくなりました。彼は、自分の運を探すために、再び旅立つことにしました。彼は、道に迷った犬と一緒に歩き始めました。彼は、自分の心に従って、どこへでも行けると思っていました。

彼が次々と出会ったのは、正義という女性と、吊るし人と名乗る男でした。彼女は、正義や均衡・公平性の象徴である天秤や剣を持っていました。男は、犠牲や受容や忍耐を象徴するような逆さまに吊られた姿で足をタウ十字型に組み、背後には後光が差していました。

彼女は、愚者に「これらの正義は、自分の行いに責任を持つ力がある」と教えてくれました。男は、愚者に「これらの犠牲は、自分の価値観を見直す力がある」と教えてくれました。愚者は、正義から一つだけ正義を得ることができると言われましたが、どれも自分の行いではなかったので、断りました。吊るし人からも同じように一つだけ犠牲を得ることができると言われましたが、どれも自分の価値観ではなかったので、断りました。

愚者は、自分の責任と価値観とは何なのか、知りたくなりました。彼は、自分の責任と価値観を探すために、再び旅に出ることを決めました。彼は、道に迷った犬と一緒に歩き始めました。彼は、自分の心に従えば、どこへでも行けると思っていました。

その後に彼が出会ったのは、死神でした。彼は、死や変化・再生の象徴である黒い旗を携え白馬に跨り骸骨の面を被っていました。彼は、愚者に「これらの死は、自分の過去を捨てる力がある」と教えてくれました。愚者は、死神から一つだけ死を得ることができると言われましたが、どれも自分の過去ではなかったので、断りました。

愚者は、自分の過去とは何なのか、知りたくなりました。彼は、自分の過去を探すために、再び旅に出ることを決めました。

彼が次に出会ったのは、節制という天使でした。彼女は、バランスや調和や中庸を表すように2つの杯の水を移し替えており、アイリスの花や虹に囲まれていました。彼女は、愚者に「これらのバランスは、自分の内外を調和させる力がある」と教えてくれました。愚者は、節制から一つだけバランスを得ることができると言われましたが、どれも自分の調和ではなかったので、断りました。

愚者は、調和とは何なのか、知りたくなりました。彼は、自分と他のものとの調和を探すために、再び旅に出ることを決めました。彼は、道に迷った犬と一緒に歩き始めました。

その後、彼が出会ったのは、悪魔と名乗る男でした。彼は、漆黒の闇の中で、額に逆五芒星を浮かべ、小悪魔の男女を鎖で繋いでいました。それは本能や束縛・欲望の象徴のようでした。彼は、愚者に「これらの本能は、自分の欲望を引き出す力がある」と教えてくれました。愚者は、悪魔から一つだけ本能を得ることができると言われましたが、どれも自分の欲望ではなかったので、断りました。

愚者は、自分の欲望とは何なのか、知りたくなりました。彼は、欲望を探すために、再び旅に出ることを決めました。

さらに進んだ先で出会ったのは、という建物でした。その塔は大きな雷に打たれ火の粉を散らして崩れ落ち、塔から人々が投げ出されていました。その様子は破壊や解放を表しているようでした。それは、愚者に「これらの破壊は、自分を解放する力がある」と教えてくれました。愚者は、塔から一つだけ破壊を得ることができると言われましたが、どれも自分の解放ではなかったので、断りました。

愚者は、解放とは何なのか、知りたくなりました。彼は、自分の解放を探すために、再び旅に出発しました。

彼が次々と出会ったのは、と名乗る女性と、でした。彼女の頭上には星々が輝き、希望や信頼を象徴する美しい水や鳥に囲まれていました。
月は、騒ぎ立てる犬やオオカミを、夜空から不安げに見守っていました。星は、愚者に「これらの希望は、自分の才能を見つける力がある」と教えてくれました。月は、愚者に「これらの不安は、自分の直感を信じる力がある」と教えてくれました。愚者は、星から一つだけ希望を得ることができると言われましたが、どれも自分の才能ではなかったので、断りました。愚者は、月から一つだけ不安を得ることができると言われましたが、どれも自分の直感ではなかったので、断りました。

愚者は、自分の才能と直感とは何なのか、知りたくなり、自分の希望と直感を探すために、旅を続けることにしました。

彼がその後に出会ったのは、太陽と名乗る子供でした。彼は、大きな太陽に照らされ、喜びや明るさの象徴であるヒマワリに囲まれ、両手をいっぱいに広げて無邪気に笑っていました。彼は、愚者に「これらの喜びは、人々から称賛を得る力がある」と教えてくれました。愚者は、太陽から一つだけ喜びを得ることができると言われましたが、どれも自分の喜びではなかったので、断りました。

愚者は、称賛とは何なのか、知りたくなりました。彼は、自分の称賛を探すために、再び旅に出ることを決めました。彼は、自分の心に従って、どこまでも行けると信じていました。

彼が次に出会ったのは、審判と名乗る天使でした。彼女が、復活や啓示の象徴であるラッパを吹くと、棺から人々が光背を伴って蘇り始めました。彼女は、愚者に「これらの復活は、自分の魂を目覚めさせる力がある」と教えてくれました。愚者は、審判から一つだけ復活を得ることができると言われましたが、どれも自分が目覚めさせたい魂ではなかったので、断りました。

愚者は、自分の魂とは何なのか、知りたくなりました。彼は、自分の魂を探すために、再び旅に出ました。

そして彼が出会ったのは、世界という名前の人間でした。その人は、卵型のリースの中で、2つのバトンを持ち、四隅の聖獣に見守られながら佇んでいました。その人は、愚者にここは完成地点であると伝えました。そして「これらの世界は、自分の全てを受け入れる力である」と教えてくれました。愚者は、世界から一つだけ完成を得ることができると言われましたが、どれも自分の全てではなかったので、断りました。

愚者は、自分の全てとは何なのか、知りたくなりました。彼は、自分の全てを探すために、再び旅に出ることを決めました。彼は、道に迷った犬と一緒に歩き始めました。

しかし、彼が歩いているうちにあることに気づきました。それは、彼が旅を始めた時から変わっていないということです。それは、彼が何も持たずに歩いていることでした。そして、彼が道に迷った犬以外に友達がいないことでした。それは、彼が自分以外の誰も愛していないことでもありました。

それに気づいたとき、彼は無性に悲しくなりました。
旅をすることで何かを手に入れられると思っていましたが、実際には何も得られていません。彼は旅をすることで自分を見つけられると思っていましたが、実際には自分を見失いました。彼は旅をすることで幸せになれると思っていましたが、心からの幸せを感じていませんでした。

愚者は泣きました。自分の選択に疑問を抱き、怒りを覚えました。彼は自分の心に従えば、どこへだって行けると考えていましたが、実際にはどこへも行けませんでした。

そのとき、彼の耳に声が響きました。その声は、最後に出会った世界のような人の声でした。その声は、「あなたは何も間違っていない」と言います。

愚者は驚きました。「どういう意味ですか?」と尋ねました。

その声は微笑んだかのようでした。「あなたが旅をすることで得られるものは、あなた自身だったのです」と言いました。

愚者は混乱しました。再び世界にどういう意味か尋ねました。
世界は優しく答えます。
「あなた自身とは、あなたがこれまで出会った大アルカナの全てです。あなた自身を見つけるには、これまで知らなかった大アルカナの全てを学ぶことです。あなた自身を得るには、これまで断ってきた大アルカナの全てを受け入れることです。」と続けました。
そして「あなた自身を幸せにするには、これまで愛さなかった大アルカナの全てを愛することです」と言い切りました。

愚者は驚き「それだけでいいんですか」と尋ねました。「それだけで満足できますか?」と疑問を持って問い返しました。

確信を持って、世界は答えました。「本当です。それだけで十分なのです。それだけで幸せになれるのです。」

愚者は納得しました。そしてその声に向かって「ありがとう」と伝えました。彼はもう一度、新しい旅を始めることにしました。


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