ペール・アンデション『旅の効用〜人はなぜ移動するのか〜』草思社
パッケージデザインから好印象を受けたということを動機として購入するのを「ジャケ買い」と言いますが、この本は「タイトル買い」しました。本のタイトル『旅の効用』も気に入りましたが、章ごとのタイトルも好きです。特に2章、9章、15章なんかは、学生時代から常に自問自答してきた問いでもあり、惹かれました。
印象に残ったこと
自力が頼りの旅のエッセンス
穏やかなスピードが旅を彩る
旅は安ければ安いほど体験が豊富になる
感想
いったいなぜ、私たちは旅をするのか
この本を読んだ上での、暫定的な答えは、
「世界に対する好奇心を、ジグソーパズルのピースを合わせるようにして満たしたい」から。
・基本的に、一度も訪れたことのないところに行きたい
→ピースを埋めていないから
・国やエリアによって好奇心(=興味・関心)に強弱がある
→好奇心(強)…ピースが小さく、数が多い、沢山行かないと満足できない
→好奇心(弱)…ピースが大きく、少し行けば満足しやすい
・好奇心は数値で満たされない
→経験上、行った国・都市・世界遺産などの数で満足度は測れない
→〜に行ったというスタンプラリー的事実はいらない
→自分のこの眼で見た、この口で食べた、この耳で聞いた、この肌で感じた、この鼻で嗅いだという事実があればいい。他者に公表する必要はない
・いかに旅の“過程”を楽しむか
→素のままの自分(お金・スマホ・インターネット・ガイドブックに頼らない)を外国に晒し、偶然や予想外が舞い込んでくるのをドンと待つ
→トラベル(travel)はトラブル(trouble)と語源が一緒
→残りの日数を気にしないくらい長期間を確保し、ゆっくりと、そして成り行きと直感に任せた旅をすれば“過程”を楽しめるかな
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