2020新シーズン開幕、大宮アルディージャが目標を達成するために

待っているのは最高の週末だ。

いよいよ待ちに待った、2020明治安田生命J2リーグが明日開幕。
さいたまシティカップ以降の情報が無く、このチームがどんなスタートを切るのか想像がつかない状況ではあるが、現段階の予想としては、未知数な戦術と選手の移籍による個の力の低下により、PO圏内には入るが去年より順位を落とすと見ている。

ただ、戦術面で個の力を補うことができる献身的かつ適材適所の人材は揃っており、課題をクリアすれば勝ち点86を獲得しての優勝は充分可能である。ポイントと思われる部分を3つ挙げていきたい。


1.ポゼッションスタイルの成功



大宮というクラブの伝統として、毎シーズン堅守速攻はそれなりにできており、昨年も然りだった。問題はその先である。
以前に鈴木淳監督が指揮を執った際にもポゼッションスタイルに挑戦したが、ポゼッションあるあるに陥った。

①ポゼッションが手段ではなく目的になり、ゴールが遠ざかる
②自分達のサッカーを標榜するあまり、ピッチ上での柔軟性を欠く

今季については昨年のサッカーとポゼッションを両立することが課題となるが、両方やるとなるとより難しい。当然どちらかのスタイルが合わなかったり、戦術理解が追い付かない選手が出ることも考えられる。しかしながら、ここを乗り越えないと大宮と高木監督の従来のスタイルを再現するだけで終わってしまう。今後の補強についても、ひたすらハードワークのみを追求すると、強烈な個は組み込めない。より高みを目指すのであれば、この積年の課題を成就させたい。


2.ユース組の更なる自立とチームへの融合


今季チームにはユース在籍経験選手が12人。数合わせではなく、全員がレギュラー争いに加われる実力のある選手と言っても過言ではない。
今季目指すところのポゼッションはユースで仕込まれたサッカーとの相性も良く、ボールを扱う技術に長けている彼らの出番は今季も多いだろう。
しかしながらユース出身だからと言って特別扱いばかりはできない。ピッチ上では彼らはあくまで29人のうちのひとりにすぎない。
以前にセレッソ大阪がJ2降格した際に、ユース出身選手たちでグループが出来てしまっているとか、仲良しクラブだとか記事が上がっていたことがあった。
大宮に悪い方向に流れてしまう選手はいないだろうが、自己主張が少なく事なかれになっている部分は多少たりともあるだろう。大人しい選手が多い中、ひとりでも多くのユース出身選手にクラブを精神的にも引っ張れる、雰囲気を作れる選手が出てきてほしい。サッカーが上手いだけでなく、人間的にもタフな選手に成長していくフェーズに突入している。大山のような選手間の架け橋になれるような選手は大事であり、また黒川の復帰時のコメントは今後に期待を持たせてくれるものだった。
今季はより当事者意識を持ち、高木監督と三門キャプテンの喝待ちになることは絶対に避けたい。

3.2シャドーが得点を増やす必要性

昨年については、チーム全体での得点者数は多かったものの、この選手で得点を取れるというポイントが1トップのふたりのみで、シャドーに至っては明確な得点源となる選手がいなかった。ざっくり昨年の前線3枚の得点数を挙げてみる。

1トップ(得点22)…フアンマ13、シモヴィッチ8、富山1
2シャドー2(得点19)…茨田5、奥抜5、大前5、バブンスキー4
ポジション3つで計41得点。1トップは得点数が割れたが合格点ではあるが、シャドーは割れに割れたうえ、ひとり頭で二桁に届かなかった。

今季目指すであろうサードストライカー(ウイングバック)の得点ももちろんプラスアルファで大事だが、前線3枚のほうが相手ゴールに近いわけで、彼らが点を取るほうがウイングのPA内侵入に懸けるよりも効率的でネガトラ時のリスクも少ない。
ハスキッチの活躍がないと昇格が難しいのは言うまでもないが、トップを潰してもシャドーがしっかり枠を捉えてくる怖さが必要である。ちなみに参考例として、3バックを採用し近年昇格した2チームの前線3枚の得点数は以下の通り。

①2018年2位 大分トリニータ
1トップ(得点28)…藤本12 三平10 伊佐4 林2
2シャドー(得点32)… 馬場12 後藤10 小手川4 清本4 川西2
計60得点。基本3-4-2-1だが、3-5-2の3センターを採用している試合もあるため単純に比較できないが、二桁得点が4人。

②2016年優勝 コンサドーレ札幌
2トップ(得点42)…都倉19 ジュリーニョ12 内村11
トップ下(得点9)…ヘイス7 荒野2
計51得点。トップ下を置く3-5-2のシステム。2トップが確実に得点を稼いでおり、二桁得点は3人。

事例を目標とし、昨年の大宮の他ポジションの得点数21からも若干の増加を期待すると、昨シーズンの41から今季は55~60得点は欲しいところである。1試合2得点を掲げるのであれば、この数字はノルマである。フロントはシャドーの得点力アップのための補強を行っており、あとはフィットし結果が出るかにかかる。


4.最後に

三門キャプテンが本当にいいことを言ってくれているので、サポーターも我慢するべきところは我慢しないといけない。
今年こそ、今年こそはと期待したいと思います。

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