新たなシーズンに向け毎年思うことー個人チャントを作る基準とは?

初投稿。サッカージャンルについては、2007年からの大宮アルディージャサポーター歴を活かし、記憶と記録を頼りに記事を纏めていければと思います。

1.期待される選手、そうでない選手?

毎シーズン、開幕戦といえば全試合分の1(近年は42分の1)以上の大きな期待を持って迎える試合。
新戦力や飛躍が待たれる選手のプレーを見るのが最も待ち遠しくなるのがこの開幕直前。
その中で毎年気になるのが、開幕時に歌われる新加入選手のチャント。

早速、直近3年間で開幕前にチャントが作られた選手を挙げてみる。

2017…MF長谷川アーリアジャスール、FW大前元紀、FWマルセロ(途中加入)
2018…GK笠原昴史、MF三門雄大、MF嶋田慎太郎、FWシモヴィッチ
2019…MF石川俊輝

以上である。個人チャント自体は2015年以降増えている印象がある。例えば2014年に在籍した選手はラドンチッチ、中村北斗、増田誓志、橋本晃司らのチャントが無かったし、J1初昇格後に至っては、功労者である冨田大介や波戸康広のチャントが作られたのは晩年のことであった。
昨シーズンはアウェイ戦目掛けて新チャントが発表されており、特に古巣対戦前などに作られることが多かった。

さて、本題に移ると、「何故彼らのチャントが作られたのか」という点である。ルーキーは別にしても、大宮に籍を置いてレンタルで充分実績をあげた選手やチャントのできた選手と同程度の実績のある選手のチャントは作られなかった。

作られなかった選手との差は何なのか?もし自分が選手なら「何故自分のチャントは作られないのだろう?」と正直思ってしまうだろう。これは作成者側の好みと言わざるを得ないだろうが、果たしてこのままで良いのか?


2.そもそもチャントが作られる基準とは?

具体的な数字を列挙して、チャントが作られる基準を考察する。J1時代は可能な限り出場時間も記載する。まずはチャントの無かった選手。

・DF大屋翼 44試合出場(15年18試合、16年20試合1,185分、17年6試合454分)
・DF沼田圭悟 18試合出場(16年17試合1,119分)
・DF高山和真 14試合出場(17年11試合895分)
大屋は2年連続で準レギュラーとして活躍しており、2017年頭にチャントが作られてもいい出場時関数だった。

一方、出場時関数が短いながらチャントが作られた選手。

・MF長谷川アーリアジャスール 16試合出場855分
・MF瀬川祐輔 16試合出場862分
両者1年のみの在籍となったが、チャントが作られた。アーリアに関してはチャントの話題性もあり開幕前に作られている。

もう一つ、2017年に途中加入したブラジル人選手二人を比較してみる。

・マルセロ 15試合出場1,078分
・カウエ 14試合出場985分
マルセロは2017年夏の加入と同時に人気のあった長谷川悠のチャントをあてがわれたが、カウエは2018年夏の移籍までチャント無し。

同時入団といえば、2008年の土岐田洸平と市川雅彦。法政大学のアタッカーコンビで、土岐田は裏への飛び出しを武器にSH、SBとして2年半で通算51試合出場。市川は2009年キャンプでの大爆発がありながらもケガが多く延べ4年で通算34試合出場。土岐田にはチャントが無かったが、市川には2年目早々に作られた(恋のメガラバが元ネタだが、恐らく歴代屈指の音痴チャントだった)

これらを見る限りでは全く基準というものはないものの、守備的なポジションの選手ほどチャントが作られない傾向にあることがはっきりわかる。ただ、GKはチャントを早く作られる傾向にある。松井謙弥・清水慶記・加藤有輝はほぼ試合に出始めた段階でチャントが作られたと記憶している。


3.チャントが選手に与える力ー落としどころは?

過去に長谷川悠と奥井諒は退団時のコメントで、チャントについてファン・サポーターに感謝のコメントを述べていた。奥井に至っては以前神戸時代にチャントが無かったことについて気にしている旨のコメントを残していたこともある。また、清水慶記・大山啓輔も好きなチャントに自分のチャントを挙げていた(探せば多分もっと出てくる)選手は思った以上に個人チャントを意識しているという証拠である。

結論として
・クラブで出場記録のない選手のチャントは時期尚早ではないか。もし作るなら全員作るべき
・チャントを作る明確な基準がないのは仕方ないにしろ、あまりにもポジションによるばらつきが大きい。

同じユニフォームに袖を通している以上、期待されない選手などいない。守備的な選手も当然ながら戦術的に欠かせない選手であり、地味なプレーでもタックルやクリア、クロスと良いプレーに対して褒め称えたい。
そうこうしているうちに、一部の新加入選手のチャントが発表になるだろう。開幕当初はその望みは薄いが、今後は是非ともゴール裏主要団体には上手に舵取りをしてほしいところである。

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