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世界で一番美しい少年

2022.2.21.9:50-@シネマクレール

ロマンチックな映画(たぐい稀な美しさを持った少年のその後と晩年)を想像していたが、おぞましく残酷な児童性虐待の話だった。

いかにそれが繊細な子どもの心と身体を痛めつけ破壊し、生涯にわたって苦しめるかのドキュメンタリー。

見終わってつらく、いたたまれなかった。と同時に、きっと、人はもう一度生き直せる と思えた。長い長い時間を遡り、勇気を出して、過去の自分と向き合うとき。人と人が丁寧に出会い直し、共に真実を知ろうとするとき。

「私は消えても、死なない」。ビョルンの母の遺した詩に、スルメのような(?!)人間の底力と光を感じた。

おとなは、自分が見たいようにしか子どもを見ない。子どもの声は圧殺される。心も体も圧殺される。

それでも生きてきた。生きてきた彼をそっと抱きしめてあげたい。

このドキュメンタリーの制作プロセスが、彼の生き直しの道につながることを願う。いやもう彼は、弱く傷つけられた少年を中に抱きしめた大きな彼として生きている。

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