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私が対州馬を絶滅から救いたいと思う理由 その106

窮地に立った時にこそ、本当に重要な人と出会うことができる ⑭


 
2年半の間、雨の日も風の日も、お盆も正月もクリスマスも毎朝夕通った道を、ひん太と一緒に移動してきた走ってきたことは、私にとって感慨深いものでした。

今でも、そのルートを通ると、この日のことを思い出さない日はありません。
 
そして、新しい放牧地へ着きました。
この放牧地の中に入ってこそ、「引っ越し」は完了します。

頭の中のシミュレーション通りにトラックをスイッチバックして、放牧地のゲートに近い場所までトラックを近づけて停めました。
次にゲートを開き、踏み板を渡しました。
全ては、いつも通りの感じでスムーズに行うことが肝心でした。
 
いよいよ繋いでいた紐をほどき、ひん太を180度回転させ、踏み板を渡り、新しい放牧地に入りました。
全ては、何の問題も無く、スムーズに行うことができました。
そして、一応中でひん太の引き綱を留めた後、ゲートを閉めた時は、言いようの無い充足感が体中に満ちました。

独りと一頭で、馬の移動を成し遂げた瞬間でした。




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