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長崎市の風景 かつての路面電車軌道跡に造られた勝山市場

娘にとって「勝山市場のおばあちゃん」だった鶴田商店さん


私がパンを買っても牛乳やヤクルトをおまけにくれるような、やさしい人でした。
昭和29年に軌道が変更され、桜町の立体交差を通る以前は、このスロープを電車が登ってきていました。勝山市場は、その軌道跡のスロープに造られていました。
登りきると、今の桜町小学校、下りきると現在の蛍茶屋線の軌道にでます。鶴田商店は、写真に見える辺りにあったかと思います。
市場が、スロープ上に建っていたことがよくわかる写真。
軌道があった時代から残る石積み。
鶴田商店と反対側の通路から見た勝山市場。
2011年頃の内部。この頃には、すでに8割くらいの店舗が商いを辞めてしまっていました。


鶴田商店さんで買ったサラダパン。このなつかしいパンを見つけたことで、商店さんとの交流が始まったのですが、やがては出荷元がサラダパンの提供をやめてしまいました。
他の戦後の市場と同様、店舗の上が住居となっていたようです。
きっと各店舗に、あたたかな暮らしがあったことでしょう。
2017年には、鶴田商店さんも閉店されていました。久子おばあちゃんも、その後ご健在かどうか、まったくわかりません。店を閉めた後も、私のイラストだけは、店の前に残しておいてくれていました。
この近くには、大勢の市民で賑わった思い出の場所・長崎市公会堂があったのですが、その公会堂も取り壊されてしまいました。
2022年の現在は、この市場跡も、すっかり撤去されて跡形も無くなってしまいました。


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