見出し画像

遺伝子を「ON」にするために

村上 和雄 氏の「生命の暗号」を読みました。
4章からなる構成でしたが、面白かったのは第1章のみで、2章以降は、同じことの繰り返し、著者の「やや自画自賛な繰り返しと専門的な内容」で、いい加減うんざりして、途中で読み飛ばしました。
従って、本としては、まったくお薦めはしませんが、1章の内容については、随分と興味を惹かれました。
この書のロジックの根幹であろうという部分を引用してみます。

「遺伝子のはたらきは、それをとりまく環境や外からの刺激によつても
変わつてくる」ということです。正確にいえば、それまで眠つていた遺伝子が目を覚ますことでもあるのです。
環境や外からの刺激といえば、 一般には物質レベルだけを考えがちですが、私は精神レベルでも考えています。精神的な刺激やショックが遺伝子に及ぼす影響、つまり遺伝子と心の関係がこれから注目されるようになると思っているのです。

遺伝子をONにできる人、できない人。昔から「病は気から」という言い方があります。
心の持ち方一つで、人間は健康を損ねたり、また病気に打ち勝ったりする――という意味ですが、私の考えではそれこそ遺伝子が関係しているということなのです。
つまり、心で何をどう考えているかが遺伝子のはたらきに影響を与え、病気になったり健康になったりする。
それだけではなく、幸せをつかむ生き方ができるかどうかも、遺伝子のはたらきによると考える学者もいます。
これは、人間の幸せは生まれつき遺伝子で決まっている、という意味ではありません。
幸せに関係すると考えられる遺伝子は、だれの遺伝子にも潜在しているはず
です。
その遺伝子をONにすればいいのです。いままで眠っていてOFFになっていた遺伝子を起こしてはたらかせる、ということです。

人間の遺伝子のうち解明された遺伝子はまだわずかです。これら遺伝子が、A、T、C、Gの四つの化学の文字で表わされる三十億の情報をもとに細胞をはたらかせるのですが、実際にはたらいているのはわずか5%程度とみられ、そのほかの部分がどうなっているのかはよくわかつていません。
つまり、まだOFFになっている遺伝子が多いのです。
心のあり方で遺伝子のはたらき方が違ってくるのは、人間の遺伝子のほとんどがOFFになっていることと関係があるのかもしれません。
私はこのわかっていない遺伝子のなかにも、心と強があるのではないかと思っているのです。

では幸せをつかむために、私たちは遺伝子をどうはたらかせればよいのでしょうか?。
それは日常生活をはつらつと前向きに生きることだと考えています。
「イキイキ、ワクワク」する生き方こそが、人生を成功に導いたり、幸せを感じるのに必要な遺伝子をONにしてくれるーというのが私の仮説なのです。

遺伝子のはたらきは、現在はたらいていると思われるのはわずか5%からせいぜい10%、あとは何をしているかわからない。
進化の歴史が残りの部分に書かれているかもしれないし、今後の進化の可能性を残しているとも解釈できる。まだ意味が不明なのです。

その意味不明の部分が、おそらく遺伝子のON/OFFに関係していると私は思
うのですが、要するに合理だけに目を向けていると、物事の半分しか見ていないことになる。


さらに驚異的なのは、これら遺伝子の構造と原理は、すべての生物に共通していることです。現在、地球上には二百万種以上の生物がいるといわれていますが、カビも大腸菌も植物も動物も人間もすべて同じ原理。ということは、あらゆる生物が同じ起源をもつことを示しているように思われます。


「生命の暗号」村上 和雄

では、2章以下に、その「前向きに考え、イキイキ、ワクワク」する為の具体的な内容や方策が記載されているのか?と大いに期待したのですが、結局博士自身の「やや自画自賛な繰り返しと専門的な内容」が、角度を変えながら何度も何度も同じことが繰り返されるだけでした。
ひじょうに肩透かしを喰った形で苦々しい読後感だったのですが、実は第1章を読み終えた頃、朝うとうとしている時に、「具体的に、どういう行動、心がけをすればいいか!」という内容について頭に浮かんできましたので、以下箇条書きに紹介したいと思います。


*好奇心を持ってトライする

普段気になっていることを、「まぁいいか」や「いつかね!」ではなく、すぐやる。試してみる。ともかく第一歩を踏み出す。


*直感を信じる

目先の損得、利益率、多数がやるから、流行りなどでは無く、自分の直感をしんじて行動・態度を決める。


*ワクワクを大事にする

「自分はどんなことにワクワクするか?」を考え、大事にし、生活の中に入れていく。トライする。


*不快なものと決別する。

不快なものの代表、「人間関係」「車の運転中」「レジの列の中」「職場の上司」などイライラする対象に真っ向から対抗しようとしたり、逃げ出したり、やり返そうとしたり、無視しようとするのではなく、「心の中では、No deal(信用・を信頼を築こうとする取り引きをやめる)」とし、「自分はそういう態度・言動が非常に嫌でイライラするから、自分は絶対他人にはしない!」と決心する。


*その日、気になっていることを紙に書きだし、すぐに取り掛かる。


*「失敗」に対し、「良い未来を想像する」を習慣にする。

一見、失敗、悲劇に思えることも、いつか意味があることとして、良い未来に繋がるのだと考える習慣をつける。


*5年日記をつける

10年日記でもよいが、そんなものはおそらく無いであろうから、5年日記をつける。
そうすると、1年前、2年前~4年前が、いかに心境が今と違っているかが判り、先のことをあまり憂うようなことをしてもしょうがないことが実感できる。


*コツコツを楽しむ

日記でもブログでも、俳句でも盆栽でも小説でも絵画でも何でもよい。
登山と一緒で、いつか振り返ってみると、「こんなに登ってきたのか!」と単純に感動できる。






※「チップ」は有難く拝受させて頂きます。もし、この記事が多少でも役に立った、或いは「よかったので、多少でもお心づけを」と思われましたら、どうぞよろしくお願いいたします。贈って頂いたお金は1円たりとも無駄にせず大切に使わせて頂きます。