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「考える力の100倍であるイメージの力」を発揮させるには

「イメージは、考えるの100倍」と言われるが、その意味は、案外きちんと繋がっていない。

たとえば誰かが、経済的或いは健康的に、かなり厳しい状況にあるとしよう。
傍から見ると、それは「大変な状況」である。本人がこれを自覚しているとすると、これが「考える力」である。

しかし、沈んでばかりはいられないから、何とかその状況を挽回しようと考え、試みる。
その試行錯誤には、うまくいったことを期待しているわけだから、イメージしていると言えなくもない。

しかし、ここまでは「考える」の範疇になる。

言い換えると、ここまでは「人間の脳」の中の新皮質であるとか大脳辺縁系といった「新しい時代の脳」或いは「理屈の通じる脳」の部分で行われていることである。

であるから、本当のイメージと言うか、「シグナル」或いは「サイン」といった力を及ぼすには、まったく違う「動作」「行動」が必要になる。

結論を先に言うと、「人が、何かいいことが起きた時にやる行動、仕草、態度」を実際にやることである。

人によりそれはまちまちだろうが、次のようなものが挙げられる。

*満面の笑みで笑う。
*拳を結んで、ガッツポーズをする。
*万歳をする。「ばんざい!」という。
*「よっしゃ」「イエス!」などと言う。
*「乾杯」と言って、何かを飲む。
*ダンスをする。
*スキップをする。
*口笛で、明るい曲を吹く。
等々・・・

実際、そのようなことをする理由がなくとも、実際にそれをすると、脳の中の脳幹部と言われる「原始時代の脳」「理屈の通じない脳」に影響を及ぼす。
それらの古い時代の脳は、現実に起こったからそうしているのか、嘘でやっているのかが区別できないからである。

そういった筋肉の動きや言葉の刺激を「プラス」と受け取り、おそらくDNAレベルから活性化してゆく。
これが「イメージの力」と言われるものである。


タレントである武田鉄矢さんが、まだ若くて売れない頃のエピソードに、次のようなものがある。

昭和44年、次男の鉄矢は、教師を志して、福岡教育大学に入学。
そこでフォークソングにのめり込んだ。東京で勝負してみたいと鉄矢はイクに直談判。学費を工面してきたイクは、猛反対だった。
イクは肉声テープの中で、「だから私はフォークソングが憎たらしいと思っております」などと話していた。
イクが出した条件は1年。鉄矢は、中牟田俊男らメンバーと上京し、大学は休学した。「母に捧げるバラード」について、三女・スミヨさんは「あれは歌かな?いや歌じゃないよ」みたいな、恥ずかしいから私誰にも言いませんでした、と明かした。歌は100万枚に迫る大ヒットで、NHK紅白歌合戦にも出場した。さらのこの歳、鉄矢は妻・節子さんと結婚。人生が順調に回り出したかに見えたが、「それから1年たった12月ぐらいはガランガランになる」と武田鉄矢は語った。

鉄矢 どん底の日々 母と交わしたコップ酒

次のヒット曲も出ず、事務所も倒産。上京から3年半、鉄矢は実家に足を向けた。今後の身の振り方を相談するつもりだったという。イクは、黙って鉄矢の目の前にコップ酒を差し出した。イクは、鉄矢の顔に貧乏神がついているといい、それをだますために乾杯をしようといったという。さらにイクは「人生は思い通りにはいかん、でもあきらめたらばそこでおしまいばい」と話したという。転機は翌年訪れた。映画「幸福の黄色いハンカチ」に大抜擢された。俳優業に新たな活路を見出し、3年B組金八先生が大ヒット。大河ドラマ「徳川家康」など活躍の場は時代劇にも広がった。さらに書きためていた歌が次第に花開く。イクは、嬉しそうに「あと2曲ヒット曲を出しなさい」と鉄矢に言ったという。

トーク

武田鉄矢は「乾杯の厄払いのコップ酒の一夜は、本当に忘れがたい人生の曲がり角の一夜」と振り返る。

TVでた蔵:NHKファミリーヒストリーより


「貧乏神をだますために、コップ酒で乾杯をする」。
何か冗談話のようだが、母イクさんが、行ったこの行動こそが、脳幹部とDNAをだます?「イメージの力」の発揮方法に他ならない。




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