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私が対州馬を絶滅から救いたいと思う理由 その93

窮地に立った時にこそ、本当に重要な人と出会うことができる ②


 
教えてもらった場所は、自宅からバイクで数分の場所でした。
何の伝手もあても無いので、ともかく行って当たってみるしかありません。
 
今考えると、いきなり見ず知らずの人間がやってきて、「馬を飼うので。場所を貸してくれ」なんて、なんて突拍子もないことだろうと思います。
 
その家は、団地とは十数メートルしか離れていないものの、その間には小さな小川があり、住宅地とは隔てられていました。
家は、鳴鼓岳~烏帽子岳連山の裾野にあたり、周りは元畑地であったらしく、雑草や木々に覆われていました。
 
チャイムを鳴らすと、中から見るからに感じのよさそうな初老の男性が出てこられました。
事情を話すと、門前払いではなく、ちゃんと話を聞いてくれました。
この「話を聞いてくれる」ということで、とっても可能性を感じました。
何でも、ご自分の生家が長崎市大浦地区で牛を飼われていたらしく、このことが非常にラッキーなことでした。
牛と馬は違うとは言え、大型動物を飼養することの苦労をよく知っているという話でした。
特に、牛を「出す時」、つまり廃牛や出荷する時の牛の悲しそうな仕草、最後を察してか、なかなかトラックに乗りたがらないことなどを話されました。

この話を聞いて、私は「この方なら、きっと自分の気持ちを理解してくれる」という確信が出来てきました。
 
果たして、家の隣にある空き地を格安で貸して下さるという事になりました。


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