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「はだしのゲン 完全版」を読了して

「はだしのゲン」。
自分の子どもの頃から、学校においてあり、漫画であるという理由で、手に取った人も多いでしょう。

しかし、原爆の話ですから、少し読み進めた後、読むのを辞めてしまった人がほとんどではないでしょうか。私もそうでした。

数か月前、テレビで「はだしのゲン」をロシア語に翻訳されている方の活動を紹介しているトピックスを観て、同書を最後まで読んでみようと思い、図書館から完全版全7巻を借り、読了しました。

感想は、実際に家族を亡くされた作者中澤さんの怨念とも言える、つよい「怒り」が託された作品だと感じました。
そして、その中で、後世に伝えたいメッセージが溢れたものであるとも。

特に繰り返し描いているのは、国とかプロパガンダとかいうことよりも、大災害、戦禍と言う中で晒される「醜い人間の心」であって、主人公ゲンの姿の中に、「そういう時にこそ、人間らしく誠実に生きよう」ということを言いたかったのではないかと思いました。

この間、広島県が、この「はだしのゲン」が、「今の時代にそぐわない」として教科書への掲載をやめたことが話題となっていました。
それに対し、SNS上などで、「そんなことは当たり前」などという反論も多かったと聞いています。

教科書に載らないことが、どうなのかについては、難しい問題だと思いますが、教科書に載る載らないよりも大事なことは、漫画に描かれている内容が、被爆者とその周りの社会の実態を、真実以上の真実として描いたものであるということは、後世に残したいと私は思いました。

そして「実際はこんなものではないだろうな」ということも感じました。


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