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2020年10月の記事一覧

僕の子ども絵日記 ~ ながさきの四季

2011年3月11日、何の因果か、東日本大震災の起こった日に、長崎新聞社より発刊されたもので、約3年間月1回、同新聞の生活・文化欄に掲載されたものです。 これに連載時にはなかった「軍艦島タイムスリップ編」4編を収録しています。 内容は、長崎県全郡・市・町を舞台に、フィクションの設定の子どもと大人たちのやりとりと、そのテーマに関する自身の思い出を綴ったエッセー。イラスト。舞台となった写真とイラスト・マップが1セットになっています。(自伝ではありません) 下のようなイラスト

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「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」は家族旅行中、子ども達にしていた創作話

私にとって「イングランドのウサギ代表?」と言えば、ピーターラビットよりもこの、「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」で、なんとも切ないストーリーなのが味わい深いと思うのですが、物語が出来た由来というのは、表題の通り、リチャード・アダムスが家族旅行中、2人の娘のために話して聞かせた創作話です・・・。 リチャード・アダムスをwikipediaで調べてみると、呆れるほど素っ気ないものです・・・ 『イングランドのバークシャー出身。オックスフォードで歴史を専攻し、卒業後は農務省に

映画「リバー・ランズ・スルー・イット」の原作は、持ち込まれた全ての出版社で門前払いだった

映画「A river runs through it」は、ブラッド・ピットの登場とともに大ヒットし、その予告編では「偉大なるアメリカの書籍」という文字が流れますが、全く調子のいい?表現です。 Norman Maclean  1902 - 1990 映画にある通り、シカゴ大学の教授となったマクリーンは、学生の間でも人気が高く、名誉ある賞も何度か受賞しています。 70歳で退官した後、2年の歳月をかけて執筆したのが、映画の原作「A river runs through i

聖ヴェロニカ

私が出会った「彫刻」の中で、最も印象深いのが、「長崎26聖人記念像」を制作された舟越 保武(ふなこし やすたけ)さんの「聖ヴェロニカ」像。 粘土を盛りつけていく塑像とは、あきらかに違う彫刻の研ぎ澄まされた感覚が作品から放たれていて、その洗練された美しさは、息を呑むものがありました。 また彫られた石は、「諫早石」という長崎産のもの・・ということも、何か感じるものがあります。舟越さん74歳の作です。 「聖ベロニカ」『 ゴルゴダの丘で処刑されるキリストが、重い木の十字架を背