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炭鉱

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昭和30年代まで長崎県内に無数にあり、地域の発展を支えた炭鉱のこと
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#長崎県

映画「空の大怪獣ラドン」の中に見る、日鉄鹿町炭鉱(長崎県北松浦郡鹿町町)

この記事の目的は、①かつて鹿町鉱で生活されていた方やその親族の方に当時の様子を振り返って頂きたい②「ヤマは、ひと家族」と言われた温かなコミュニティーが存在したことを地元の方や子ども達に知ってもらい多少でも振興の一助となって欲しい、の2点に尽きます。 そういう観点で読んで頂ければ有難い限りです。 「空の大怪獣ラドン」は昭和31年12月26日に公開された東宝映画です。したがって、これから紹介する旧北松郡鹿町町・日鉄鹿町炭鉱(加勢地区)の風景は、同年の春から夏ごろにかけて撮影され

映画「 家族 」の中に見る、日鉄伊王島炭鉱

このトピックの目的はかつて伊王島坑で働かれ、今は遠方や海外などにおられる方に、当時の生活をひととき思い出して貰いたい、ということの一点に尽きます。 昭和45年に公開された松竹映画「家族」(監督:山田洋二)は伊王島から北海道へと移住する家族を描いたロード・ムービーです。 伊王島炭鉱で働く夫と家族は、馬込(沖ノ島)天主堂近くに住んでいましたが、夫が北海道で酪農をやることを決心し、一家で離島する場面から始まります。 「ヤマは、一家族」ですから、引越しともなると、大勢の人が集ま

昭和初期に栄えた炭鉱町 ~ 佐々町・芳野浦鉱 再訪

(記事作成:2012年12月20日) 北松浦郡佐々町にあった住友・芳野浦炭鉱跡を訪ねてから、約2年が経ちました。しかし大きなヤマ(炭鉱)でありながら、昭和28年という比較的早い時期に閉山したためか、その痕跡を追跡することができず消化不良でしたので、今回再び同地を訪れてみました。 芳ノ浦商店街裏手にある「住友芳野浦炭鉱記念碑」のある場所から山手に登ります。 階段を登ったすぐ傍にあるのが、この円筒形の構造物。印象では水タンクのように見えますが。 閉山後、展望台として整備さ