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炭鉱

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昭和30年代まで長崎県内に無数にあり、地域の発展を支えた炭鉱のこと
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2022年5月の記事一覧

炭鉱町に住んだ人々~隣人との付き合い(2)

ある土地で人が生活をする場合、非常に苦慮する要因のひとつが、その土地の出身者か否か・・という「排他性」でしょう。 「よそ者」という呼称はポピュラーな言葉ですし、我が県においても、「居つき」「旅のもの」・・・など、他地区からの転入者を差別する言葉は、身近な場所にすら転がっているのが現実なのです。 また、そのほんの狭い地区の中でも、海に近い所で生まれたか、山に近いか・・などで細かく差別し合い、争い合っているという場所もめずらしくないでしょう。 日本の僻地を巡って歩いた民俗学

炭鉱町に住んだ人々~職場

本当は、このことを記事にするのは、大変ためらいがあるのですが、炭鉱のことを知る上で、素通りするわけにもいかない・・・と思うので、できるだけシンプルにつづりたいと思います。 まず作業をしている場所です。 炭鉱によって深さも構造も様々ですが、最深部では地表から1,000m~1,200mという深さ。坑口から2~3kmはざら、5km以上も遠い現場(最前線を切り羽『きりは』という)もありました。 東京都墨田区にスカイツリーという恐ろしく高いタワーがありますが、そのスカイツリーを見る機