かつての炭鉱町にあった小学校跡地にポツンと残る、或る人の一生ものの記憶
『 私は、神林で、四年生まで、いました。それから、伊王島にいきました。
神林の時の、思い出は、記憶がありません。残念です。
私の祖父は、鍛冶屋でした。うたがうらでした。
神林の学校は、楽しかったことだけ、記憶にあります。
本当に記憶がないんですよ。
先生が優しかったです。それだけ、おぼえています。
神林の一年生の担任は、ふじまつ先生かもしれない。女の先生でした。
クラスの子が、床に何かを、こぼした時に、私が床をふいてあげたら、先生が私に、優しいね、といってくれたのを、今も覚え