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ちょっといいハナシ

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2020年10月の記事一覧

亡き馬がいつも居た場所に・・・小さな言葉

「えっ、こんなことってある?」ってって思ってしまった。 まるでディズニーの映画のワン・シーンにありそうなこと・・・。 亡き馬が、いつも居たテント下のエサ場。 このところ、しばらく来れてなかったのだけど、久しぶりに来てみると、固く踏み固められているコンクリート・プレートの隙間から、一輪の大きなハナカタバミが、ピンク色の可憐な花を咲かせていた。 帰ってからハナカタバミの「花言葉」を調べてみると、 「心の輝き」「喜び」「あなたと過ごしたい」など・・・。 心の奥の方で泣け

「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」は家族旅行中、子ども達にしていた創作話

私にとって「イングランドのウサギ代表?」と言えば、ピーターラビットよりもこの、「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」で、なんとも切ないストーリーなのが味わい深いと思うのですが、物語が出来た由来というのは、表題の通り、リチャード・アダムスが家族旅行中、2人の娘のために話して聞かせた創作話です・・・。 リチャード・アダムスをwikipediaで調べてみると、呆れるほど素っ気ないものです・・・ 『イングランドのバークシャー出身。オックスフォードで歴史を専攻し、卒業後は農務省に

身体が弱いので、お風呂をもらいに来た隣のアパートの女の子

今からもう50年以上も前の話。 私が住んでいたアパートは、戦後6,7年後に建てられたものだった。 全8棟には「うぐいす」「はと」「かもめ」といった鳥の名前がついていたが、間取りが少しずつ違っていて、いずれも風呂場は付いておらず、最も狭いものは、ベランダも無い一間だけというものだった。 私のいた「はやぶさ」には、かろうじて「洗濯場」があったので、風呂桶を置くことができた。 隣の「つばめ」には、それもなく、風呂桶はベランダに置いてベニヤで囲むしかないのだが、冬場は当然寒い

映画「リバー・ランズ・スルー・イット」の原作は、持ち込まれた全ての出版社で門前払いだった

映画「A river runs through it」は、ブラッド・ピットの登場とともに大ヒットし、その予告編では「偉大なるアメリカの書籍」という文字が流れますが、全く調子のいい?表現です。 Norman Maclean  1902 - 1990 映画にある通り、シカゴ大学の教授となったマクリーンは、学生の間でも人気が高く、名誉ある賞も何度か受賞しています。 70歳で退官した後、2年の歳月をかけて執筆したのが、映画の原作「A river runs through i

聖ヴェロニカ

私が出会った「彫刻」の中で、最も印象深いのが、「長崎26聖人記念像」を制作された舟越 保武(ふなこし やすたけ)さんの「聖ヴェロニカ」像。 粘土を盛りつけていく塑像とは、あきらかに違う彫刻の研ぎ澄まされた感覚が作品から放たれていて、その洗練された美しさは、息を呑むものがありました。 また彫られた石は、「諫早石」という長崎産のもの・・ということも、何か感じるものがあります。舟越さん74歳の作です。 「聖ベロニカ」『 ゴルゴダの丘で処刑されるキリストが、重い木の十字架を背

大分・九重登山口で登山者達を見守る犬の像 ~ ガイド犬「平治」は皮膚病のひどい捨て犬だった

「犬の像」と言えば、JR渋谷駅前の「忠犬ハチ公」が圧倒的に知名度も高く人気ですが、九州大分県、九重登山口長者原(ちょうじゃばる)ヘルスセンター横には、今もなお九州中の登山者・トレッカーから親しまれる犬の像があります。 それが「ガイド犬平治(へいじ・雌)」の像です。平治号とも呼ばれます。(九重連山のひとつ、平治(ひじ)岳にちなんで、つけられました) このどこにでもいるような秋田犬は、仔犬の頃、九重の登山口である長者原ヘルスセンター近くに捨てられていた野良犬でした。 しかも

「みそ五郎どん」の高岩山をガイドするのは、かつて主のいなかったビーグル犬・大五郎

長崎県 南島原市・高岩山には「みそ五郎どん」という心優しき大男の伝説があります。 その伝説とは・・・・・ 『 昔むかし、西有家で一番高い高岩山に大きな男が住んでおった。この大男、人が良く、ちから持ちでだれやかれやから好かれておったそうな。みそ五郎どんは畑仕事の手伝いをしたり、山を切り開いて、畑を造ったりして、みそを分けてもらっておった。 高岩山を住みかにしとったので、朝起きて雲仙岳に腰を下ろし、有明海で顔を洗うのを日課にしておった。 そして、唯一の楽しみは雲仙岳に座り、高