なぜ埼玉県は高校の共学化を強行しようとするのか?

こんばんは、スーホです。先日、このようなニュースがありました。

埼玉県の公立高校に共学化の波が押し寄せている

記事によると、埼玉県の高校共学化は「男子校に女子が入れないのは女性差別ではないか?」という根拠をもとに進められているようです。しかし、この主張にはいくつか矛盾点が見受けられます。

矛盾点① 埼玉県内の男子校には必ず対応する女子校が設置されている

埼玉県内の男子校には必ず対応する女子校が設置されており、「〇〇高校が男子校だから近隣の高校に通えない」といったことは発生しません。

矛盾点② 行政側が高校の価値を偏差値と進学実績で測っている

また、この手の別学校は基本的に男子校の方が偏差値が高く、進学実績もいいのですが、「偏差値が高く進学実績がいい高校に入れないこと」が差別であるとするならば、それはすなわち偏差値が高く、進学実績がいい高校こそいい高校であると考えていることの証明です。確かにそのような価値観にも一理ありますが、行政の口から出ていい発言では明らかにないはずです。そして、埼玉県が偏差値と進学実績こそ全てとする考えを持っていることはのちの私の主張にも繋がってきます。

矛盾点③ 学生や保護者のほとんどが反対している

そもそも、高校は学生のために存在しているものです。そういった現場の当事者の8割以上が反対する中で、共学化を強行するほど埼玉県はアホではないはずです。

以上が埼玉県の主張の矛盾点・破綻点です。このような状況の中で、埼玉県が矛盾だらけの共学化を推し進めることにはある背景があると私は考えています。

埼玉県が高校の共学化を推し進めているのは県外からの圧力ではないか?という説

①埼玉県は高校生人口に対して指定校推薦が少ない?

こちらはある高校受験マニアの方が作成されたブログで、一言で言えば入学偏差値の割に進路実績が微妙な高校の一覧が記載されています。2024年版になって改善されたようですが、それでも埼玉県の対象校は千葉県に次いで2番目に多いです(千葉県は高校で学力が下がってるからです)。このことから、埼玉県の高校では在学中に学力が下がりがちなのでは?という仮説が立ちます。

しかし、データは逆のことを示しています。2019年に実施された全国学力テスト(中学)で埼玉県は47都道府県中20位である一方、この世代が受けた共通テストの平均点では7位です。ここから導き出される結論は、埼玉県の高校生は高校3年間で学力の立ち位置が上がっているのに進学先のグレードは下がっているということです。

ここからは完全な推測なのですが、埼玉県は高校が別学なせいで有名校の指定校推薦が人口に対して少ないのでは?という仮説が立ちます。学力以外で進路が決まる要因といったら指定校推薦ですよね?別学出身というだけでコミュニケーション能力に何があると見られ、指定校の枠が少なくなり、結果的に進路のレベル感が下落している可能性があります。

そもそも、埼玉県は高校の進学実績を重視しています。共学化が「学力の割にいい大学に行けない問題」を解決する手段だとすれば、埼玉県が高校共学化を推し進めるのも納得です。

② 埼玉県出身の学生は企業から嫌われている?

ここでは埼玉大学を例に考えるんですけど、埼玉大学の就職実績ってはちゃめちゃに酷いんですよ。東京に近いというメリットがありながら、受験業界で同格と言われている静岡大学や滋賀大学に完敗しているのはもちろん、ハッキリいってしまうと準難関の国立大なのに進路は日東駒専レベルです。そしてその原因は何か。埼玉大学ですから無論埼玉県民は圧倒的に多いでしょう。埼玉県民が就職市場で評価されない原因は別学高校ではないのか?という考えが行政にはあるのではと邪推してしまいます。

しかし高校が別学なせいで埼玉県民が就職できないと考えているならとんだ大馬鹿者です。なぜなら、同じように別学主体の群馬・栃木は就職市場でそこまで不利益を得ていないからです。おそらく、埼玉県民が就職市場で評価されない理由は近年の新卒就活における地方出身者の過大評価にあるのですが、埼玉県は頓珍漢な対策を打とうとしています。

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