M-1 2021決勝戦を見て感想

一組ずつ感想を。

1. モグライダー

素晴らしいトップバッターだった。題材が最高な上に二人のキャラクターを観客に伝えるのも早かった。ここまで題材が良いと多少アドリブでやってもウケるだろうと思える極上のネタ。一生懸命なバカ、ともしげと強ツッコミが冴えわたる芝が繰り広げる最高にバカバカしい漫才。芝が説明を入れずに歌いだすのもテンポが出て気持ち良かった。過去最高のトップバッターの点数も納得。順位が後半ならもっと点数は伸びていただろう。

2. ランジャタイ

完全にいつもと変わらないランジャタイワールドを見せつけてくれた。今までで一番無秩序だったコンビ。その中でも国崎の動きは意味不明なネタを非常にわかりやすく伝えている。同じことを続けるしつこさ、動きボケ、適格に入る伊藤のツッコミ、世間にランジャタイのヤバさを十分に伝えられたはずだ。来年はさらに露出が増えそうだ。

3. ゆにばーす

決勝常連のコンビだが、個人的にここはハマらず。二人のキャラを活かした上に饒舌なしゃべくり漫才だったが、微妙に生々しい下ネタがそこまでハマらなかった。自分としては2017年決勝のネタを越していない。

4. ハライチ

ここもハマらず。岩井が最初にブチ切れたときは面白かったが、その後の展開がワンパターンだったのが残念。ハライチにはワード的な面白さも期待してしまった。ただ、売れているだけあってコンビとしてのオーラは凄かった。特に岩井はやってやった感が出ていてカッコ良かった。

5. 真空ジェシカ

素晴らしい。2019年にハマってから約二年。決勝の舞台で観れただけで感動してしまった。そしてネタのクオリティの高さ。強いボケワード、笑いを増幅させる嘆きツッコミ、後半に大きな笑いを持ってくるための前半の振り含めてこれぞ現代の最強のコント漫才。一振り一振りに必ず笑いが起こるボケの手数の多さ、ブラックなボケも嘆きツッコミでマイルドに見せている。ボケがひねられているので、理解する前に次のボケが来ていた感じはあったが、ベストな出来だろう。世間に面白さが確実に伝わった。キャラクターが伝わったこれからの方がより有利になるコンビ。来年は優勝を狙える。

6.オズワルド

圧巻のしゃべくり漫才。1mmの隙も無いような雰囲気。題材も素晴らしいし、畑中のサイコなキャラと伊藤の緩急をつけた強ワードツッコミもバチバチにハマっていた。今のしゃべくり漫才師ではオズワルドに勝てる漫才師はいないだろう。こういう漫才が優勝する漫才何だと感動まで覚えた。

7. ロングコートダディ

コントのイメージが強いが漫才も面白かった。設定はコント寄りだが、強いボケもあるし兎のすっとぼけた感じを非常に上手く盛り込んでいたと思う。後半の発展も流石。キングオブコントでもM-1でも結果を出している優秀なコンビだ。

8. 錦鯉

ここまでバカバカしいと笑うしかない。おじさんが合コン というテーマから面白いし、まさのりはキャラクターで勝っているので何をしても面白い。渡辺のツッコミもしっかり決まっていて、誰もが笑える良い漫才。伏線等の綿密に作りこまなくてもキャラクターだけで十分に笑いを取れる事を証明してくれた。

9.インディアンス

ここも誰もが笑える楽しい漫才。近年ではツッコミのきむ も楽しそうに漫才しているのが伝わってウケ方が一段上がったような気がする。田淵のキャラクターもまさのり同じく、あそこまでしつこくやられると笑うしかない。その中でもきむのツッコミをしっかり活かすようになってからコンビとしての強度は上がったと思う。

10. もも

ここも決勝にきて非常に嬉しかった。いつもよりテンポが遅めだったのはTV用に合わせたのかもしれない。前半はあまりハマらないか?と思ったが後半にかけてどんどんウケていった。ミルクボーイにも似た、本人達だけが傷つくグルーブ感がたまらない漫才。前半にもう少しくだりを入れて欲しかったが、ここも世間に知れたので来年も決勝に来るだろう。


今年は超ウケ というコンビはいなかったが、全組自分達の色を出しつつかなりのウケを取っていた非常に良い年だったと思う。個人的には真空ジェシカが見れただけで大満足。



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