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埋まらぬ穴

そこに穴がある。
ぽっかりと空いた穴が。
決して埋まらぬ、決して見過ごせぬ穴が。

よくしていただいている方が言っていた〝心の穴〟。
大事な、唯一無二を亡くされたときにできた、ぽっかりと空いた穴。

その穴は絶対に元通りにはならない。
その穴は絶対に埋まらない、だってその穴には今は亡き方しかはまらないから。
いくらほかの人で満たそうにも、決して決して埋まらないでしょう。

そう、たとえるならばこの世界にたった一つしかない形の穴に別の、この世にたった一つのピースをはめるようなものだから。
その穴には今は亡き、愛しい人しかはまらない。

それでも私は願いたい。
その埋まらない穴が目立たなくなるよう、心を別の出会いで覆ってほしい。
穴はなくならなくていいんです。
穴は隠れなくていいんです。
その穴がいつまでも存在し続けていれば穴の持ち主はいつまでも心の中で生きるのだから。

時にその穴から悲しみがこぼれて心を痛めつけるでしょう。
その時は別のピースからあふれ出る喜びで痛みを癒してほしい。

時にその穴から切なさがあふれて泣いてしまうでしょう。
その時は別のピースがスポンジとなり、その涙を吸い取って落ち着いたら笑えるようになってほしい。

私は願う、あなたの心の穴を少しでも小さくなることを。
私は願う、いつか心の穴をふさいでくれるような出会いができることを。
私は願う、決してなくならない穴の存在感が少しでも小さくなるように。

あなたの幸せを真に願う。

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