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京都サンガ2024 Vol.2 ~そのCB、消えるよ~

 "Vol.XX"にしているのは、直近の試合にとらわれず好きなようにやるため…というのは建前で、実際は毎試合レビューするなんて無理だからです。せめて2週に1回はやりたいとは思ってます。この世のすべてのマッチレビュアーにビッグリスペクト。


アピは三度消える

 J1第4節(vs横浜F)の7分、CBのアピアタウィア久(#5)がペナルティアーク付近で植中朝日(#14)を後ろから倒し、DOGSOによる一発退場を受けました。京都サンガでは3度目の退場で、前回(あの中指事件)から169日が経過していました。いや退場し過ぎで草。ちなみにサンガでは3年目、39試合30先発でした。ぶっちゃけもう亀岡で観たくない選手ですが、台所事情を考えると使わざるを得ないんでしょう。

問題のシーン2連発

 実は、退場の直前の5分の失点にも絡んじゃっています。ついでなので、2つとも確認していきましょう。まずは失点から。

見づらくて草(直線:ボール、破線:人の動き、波線:ドリブル)

 川﨑が渡辺からプレッシャーを受けバックパスを出しますが、アピが処理をミスってアンロペに刈られ、そのままエリアに持ち込まれた末、エリア内でフリーになっていた水沼に冷静にパス、簡単に仕留められました。
 トラップをミスるのはもう仕方ない。あれぐらいは処理してほしいけど、やっちゃったものはどうしようもない。ので、指摘したいのは2点。
 1つ目は、川﨑には金子を見てほしかったというところ。きついプレスを受けていて、完全に後ろを向いてしまっていましたが、金子を見れていれば右のアウトサイドで出すこともできたはずです。金子はフリーだったので、チャンスになったかもしれません。代表選手ならやってほしいところ。
 2つ目は、なぜか交差する佐藤と水沼です。アピにボールが出たとき、佐藤はタッチライン際に下がっていきますが、その前を水沼がダッシュでエリアに入っていきます。水沼はよくわかってる、素晴らしいランニング。佐藤は…パスをもらいたかったんでしょうか。アピがミスをしなければ、ソンユン→佐藤へスムーズに出せたのでしょうか。個人的には、アピの右足にボールが出た時点でそれはなかったと思います。水沼の勢いを考えると、外に張ってるリターンよりリスクも勝つ。まあ結果論かもしれませんが。
 そして問題の退場シーン。

 1:35から。このプレーに関して、なぜかやたらアピが擁護されていますが、一番悪いのは間違いなくアピです。確かに、川﨑の安い縦パスからのカウンターですし、治療のため外に出てた植中があのタイミングで戻ったということもありました。キジェの縦志向とハイすぎるラインのせいでもあります。ただ、悪いのはアピです。準備不足、アンテナのなさ、計算のできなさ、CBとして擁護すべき点はありません。戻ってきた植中を拾ってさえいれば起きなかった事象です。ただ、あえて言うなら、本当に7分に数的不利を作ってまで「失点する可能性の比較的低い」状況を作るべきだったか、タックルする前に考えたかどうか。PK・イエローでソンユンに賭けるか、1対1をソンユンに任せるか、あの場においてもアピには3つの選択肢がありました。考えた結果?キジェの教え?それとも退場を覚悟していなかった?聞いてみたいところです。

スカウトレポートもどき

 アピのプレイヤーとしての特徴を軽く見ていきます。まず長所ですが、平面・対面の1対1には強い印象があります。パワーとスピードはあるので。サイズも上々。なのでポテンシャルは感じるところ。以上。
 短所はたくさん。まず安定感がゼロなところ。技術的にも精神的にも。うーんCBとして致命的。次にポジションが意味不明なところ。いつどこにいればリスクが減らせるか全くわかってない。湘南戦のハイライトとかヤバイですよ。ただし、この点についてはキジェの責任に加え、育成時代のコーチの責任が多分にあるので、かわいそうな点でもあります。
 もう1点。恵まれたフィジカルを生かせてない。湘南戦での飛び蹴りミスで確信したことです。

現地で観てて笑っちゃった

 おそらく技術的なミスではなく、コーディネーションの問題でしょう。思った通りに身体を動かせないのでは?そしてそれは、育成年代に身体能力だけで何とかなってしまっていたせいで、教わるべきことを教わっていないからでは?ということを考えてしまいました。

どこでなら使えるか

 現状のまま試合に出すとしたら3バックの右側ですかね。後ろにカバーがいないと怖くて使えない。逆に「常に後ろに人がいる」状況だと、フィジカルを活かして前に潰しに行けるだろうし、やたらとチャレンジングなプレーを選びがちなところも活きるのかもしれません。キジェはそう思わないのか、ほかのCBのコンディションが整わないのかはわかりません。

頑張って欲しいとは思ってる

 アピアタウィアに悲しい過去…(今更)

 エリートとは決して言えない経歴の持ち主ですが、J1まで這い上がってきたのは本当にすごいことだと思います。ポテンシャルはあったということでしょう。だからこそ、もっともっと頑張って欲しいと思うのです。プレー選択、ポジショニング、コーディネーションに磨きをかければ、長くJ1で活躍できる選手になれるでしょう。このままでは…
 とにかく、いいもん持ってんだから、何とか立ち直って成長してほしいですね。同い年なので頑張って欲しいです。


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