見出し画像

おばけの力を借りて

表題からは不穏な様子を感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、そういう意図はありませんのでご安心ください。そもそも「おばけ」とは、『「化け物」の畏れと親しみ(好奇心)を織り交ぜた呼称。』(新明解国語辞典)とされており、「機会があればお目にかかってみたい」程度のであり、悪霊や地縛霊などとは趣が異なるのではないでしょうか。

我が家には第一反抗期に突入している「魔の2歳児」がおります。同様にお骨折りの親御さんも多いかと思います。そんな折、家庭だけでなく、保育園や幼稚園でもしばしば力を借りているのが「おばけ」の存在です。「遅くまで起きているとおばけが出るよ!」というのは親の常套句ですが、最近ではスマートフォンのアプリを用いて「鬼から電話がかかってくる」というものもあるそうで、実際に困っている親御さんからは効果絶大だと伺っています。保育園で子供たちがおばけごっこをやったり、子供向け番組でも刺激の少ない程度におばけを扱ったりしているので、子供たちも「実体は知らないけどなんとなくすごい能力を持っていて怖そうな存在」として、怖いもの見たさの面もあるのでしょうが、おばけの力を借りて家事を円滑に進める事も少なくありません。
我が家ではもちろんホラーや心霊番組などを子供に見せたことはありませんが、怖がらせる程度によってはトラウマになったりしてしまいそうなので、今のところきゃあきゃあ言いながら布団に隠れるくらいの怖がらせ方をしています。
しかし長じてから想像力がついてくると、おばけという漠然としたものから、怨霊、妖怪、モンスターなど、絵画や映画などから次第に具体性を帯び、恐怖心が根付くのだと思います。

「おばけ」などに対する恐怖心を持つのは決して悪い事ではありません。昔話に出てくるような水にまつわる事故や、悪行に対する罰・祟りなどは戒めのための民間伝承という面も多く、子供たちが闇や閉所、高所を畏れるのにも危機回避には役立つ事もあるでしょう。子供が論理的におばけを理解できる年齢になった頃には、一緒におばけについて語ってみたり、水木しげるロードを訪れてみたいと思います。
私個人的にはおばけはともかく、幽霊を否定するつもりはありませんが、霊感が疎いのか、「そういう雰囲気」を感じたことがほとんどありませんが、就寝中に目が覚めた際、背後から確実に何かが一歩一歩近づいてくるという経験を一度だけしたことがあります。当時私は一人暮らしで、寝床には飼っていた犬2匹も一緒におり、彼らも同様に「何か」を感じたようです。彼らの「それ」に対する様子から窺う限り、「それ」が怖いとは思いませんでしたが、なぜか振り返ることはできませんでした。

尤もこの現代では、おばけよりも人間の方が恐ろしいことは言うまでもありませんが。

#おばけ #育児 #父子

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?