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微睡む息子に携えられて

電車に揺られ、息子と帰郷している。
同じ関東圏なのでそれほど離れていないけれど、ベビーカーを携えて、泊まりのセットを持っていくと普段と違う特別感がある。

2018年1月に生まれた息子は、幸いなことに、本当に幸いなことに、大きな病気もせずにスクスクと成長してきた。僕も妻も至って健康なままで日々を過ごしている。お互いに好きなことは我慢せず打ち込みたいねと言いながら、楽しく生きてきた。

僕の胸に引っ付いて眠る息子の右頬は、36.8度くらいの熱を持っていて、ほんのり温かい。鼻を寄せて匂いを嗅ぐと、まだ赤ちゃんっぽい柔らかな香りがする。

ふと分からなくなるのは、僕は息子を抱っこしているのか、息子に抱っこさせられているのかということだ。確かに僕より小さな息子は、僕に抱っこされているのかもしれないけれど、時々力強く、僕の身体を抱きしめる息子は、あらん限りの力で存在を示してくれている。

最近、子どもから「大丈夫だよ」とポンと告げられたというエッセイを読んだ。微睡む息子に「ゆっくり休んでね」なんて呟いたりするけれど、もしかしたら「僕が休んでいる間に、お父さんが休んで良いんだからね」なんて思われているのかもしれない。

そうだね、この1週間もまあまあバタバタしていたから、お言葉に甘えて休むことにするよ。時々、気が向いたときで良いから、一緒に遊んでね。

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