堀之内出版 新体制移行のお知らせ

2020年7月より、堀之内出版は新体制へ移行します。
代表取締役を鈴木克洋がつとめ、編集は鈴木陽介が中心となって進行いたします。
それにともない、小林えみは企画進行中の書籍を外部委託として担当する以外の堀之内出版の業務からは退陣いたします。
堀之内出版に関するお問い合わせにつきましては、
info@horinouchi-shuppan.com
までお願いいたします。
なお、今後の小林えみへのご連絡は、よはく舎
yorunoyohaku【@】gmail.com
までお願いいたします。

【鈴木克洋より】
この度、代表取締役と相成りました鈴木克洋と申します。
新体制のもと、皆様にお喜びいただける商品を提供できるよう、より一層精進いたします。

私事ではございますが、“よはく舎”へ軸足を移す、小林えみ様には大変多くを学ばせていただきました。
雑誌『POSSE』を端緒とする小さな出版社をここまで支え、発展させた手腕とセンスは、独立後も遺憾無く発揮されることと思います。

堀之内出版も新しい方向に舵を切り、粉骨砕身、価値ある本を作ってまいります。
何卒変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。


【小林えみより】
1978年生まれの就職氷河期世代で、就活には苦労したものの、幸いにも就職浪人をすることなく出版社で仕事を続けてこられました。
しかし、その中で自分よりも優秀な人でも偶然が重なって職に就けない、あるいは過酷な仕事環境でやめていくことなどを目にし、
日本の労働環境への疑問や悔しい気持ちをもっていたことから労働問題や貧困問題を扱うPOSSEの活動に賛同し、
2014年から6年、堀之内出版での出版に携わってきました。
現在、POSSEなど社会を変えようとする活動による改善もあるものの、コロナ禍など様々な外的要因もあり、
日本社会、世界全体の課題は依然として多く残っています。
そうした中で、出版業界も景気が良いとは言い難く、若い人たちが活躍できる場は決して多くありません。
このまま自身や業界が高齢化していくことに問題を感じていました。
「功成り名遂げて身退くは天の道なり」の謂いをひくには、私に功といえるものがないのが恥ずかしい限りではありますが、
年輩の者が後進へ速やかに道を譲り、若い人の活躍の場をつくることこそが、
こういう時代だからこそ、なお道理にかなうように思います。
鈴木陽介さんは雑誌『POSSE』の制作ボランティアとして活躍、編集や出版に興味をもっておられたことから、
昨年から堀之内出版でインターンとして参加して頂いておりました。
大手の会社であれば、もう少し年月をかけて一緒に併走しながら仕事をするような状態かもしれません。
しかし、鈴木さんには熱意があり、また、小規模な出版社においては、実際に本人が責任をもって作り上げていく方が、
全体を見る面白さを感じながら、力を発揮してくれるでしょう。
今後、私は堀之内出版の運営や営業には関与せず、外部編集として進行中の企画を担当させて頂きますが、
新規の企画は行わず、しかかりが終わり次第、堀之内出版での業務を終了いたします。
若い力は思いもよらぬ面白さ、そして未来につながっているはずです。
みなさま今後とも堀之内出版へのご愛顧、ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします。


【鈴木陽介より】
突然の発表に驚いている方も多いかと思います。

というか、私が一番驚いているかもしれません。

正直に言って、まだまだ学ばなければならないことがたくさんあります。
雑誌『POSSE』編集部に関わりはじめたのは、大学2年生からでしたので、それから6年目になります。
書籍編集についてはほとんど素人同然で、わからないことも多く、関係者の方々にご迷惑をかけっぱなしの日々です。

とはいえ、いつまでも甘えているわけにはいきません。

労働問題、貧困、差別、気候変動、人権侵害などが溢れる世界では、今日も私と同年代の若者たちが社会を変えようと立ち上がり、大きな権力にも立ち向かっています。
その力となるために記事を編集し、雑誌をつくり、世に送り出す。
編集の仕事をはじめた原点に立ち戻って、いまなすべきことを全力でやりたいと思います。

私が尊敬する映画監督の黒澤明は、何気ないシーンのなかで、路面電車のパンタグラフの上の先っぽのほうがちらりと窓のそとを通り過ぎるところを撮るために、窓外の風景セットを組み、可動式のパンタグラフをスタジオ内にわざわざ作ったという逸話があります。
コマ数にしてわずか8コマ。映画館でそれを目に止める人はいないでしょう。
それでも全力で当たるからこそ、真に迫る映画を撮れたのだろうと思います。

一つ一つの仕事を手を抜かず、誠実に全力でやること。
原点を忘れずに日々前進していきたいと思っています。

創業10年後の企業の生存率が6.3%と言われているなか、継続して本を編集し、刊行し、営業に飛び回って堀之内出版を盛り上げてきた小林さんに対しては、この場を借りて敬意を表したいと思います。

今後、新たなフィールドでのご活躍を祈りますと言いたいところですが、
そんなことよりまずは自分の心配をしなさいという小林さんのお叱りが聞こえてくるようで、私の挨拶はこの辺にしたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

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