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【第一回】新作オリジナルミュージカル『COLOR』制作日誌

今年9月開幕予定の新作オリジナルミュージカル『COLOR』。草木染作家・坪倉優介さんが自身の体験を綴ったノンフィクション「記憶喪失になったぼくが見た世界」をベースにミュージカル化する。その制作過程を本作のプロデューサー自らが日誌形式で綴っていく連載。#カラー制作日誌


【2020年4月】日常にこんなにもキラキラした幸せが広がっていたことに気づかされた瞬間

新型コロナウイルス感染拡大により、エンタメは全て止まり、在宅勤務が続く中、坪倉優介さん著「記憶喪失になったぼくが見た世界」と出会った。読んだ時の驚き、紙の上の文字から感じる生き生きとした感触。自分が感じたこの思いを、演劇という形で一人でも多くの人に届けたい、と思いミュージカル化を企画。

実は、本を読み始めた瞬間に、この物語をミュージカルにしたい!という思いが頭をめぐり、読み進めながら演出や脚本、音楽、キャストのイメージを膨らませて本を閉じた。そして、読み終えた時には企画書を書き始める。
今、この瞬間、生きることができているこの時間。普段当たり前のように生活し、見ていること、やっていることがいかに幸せな瞬間か、愛を持って生きることの大切さ、日々の暮らしの中でささやかだけれど宝物のような幸せがこんなにも広がっていたんだ、ということに気づかされた。
このミュージカルを観た方が、何か小さな幸せを見つけ、劇場を後にするときに、少し背中を押せる、そんな作品にしたい!

【2020年7月】ついに、本格的に企画が動き出す

演出は小山ゆうなさん、脚本・歌詞には高橋知伽江さんに依頼。
作品の方向性として、当初より、シンプルにピアノと限られた演者が歌で言葉を紡いでいく、そんな作品にしたいと思っていた。植村花菜さんは「トイレの神様」が国民的に有名な楽曲だが、音と言葉の繋がりが素晴らしく、語る音、日本語を伝える音、を作って頂ける方だと感じ、作曲を依頼。編曲・音楽監督には、あえて、ミュージカルをメインとしている方ではなく、新しい感覚で音を作り上げて頂きたい、と感じ、数多くのアーティストさんの楽曲編曲を手掛ける木原健太郎さんに入って頂くことに。
オリジナルミュージカルは大きな挑戦だが、お客様に新しい形でこの物語を届けられることに胸が高鳴る。