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【第五回】新作オリジナルミュージカル『COLOR』制作日誌

今年9月開幕予定の新作オリジナルミュージカル『COLOR』。草木染作家・坪倉優介さんが自身の体験を綴ったノンフィクション「記憶喪失になったぼくが見た世界」をベースにミュージカル化する。その制作過程を本作のプロデューサー自らが日誌形式で綴っていく連載。#カラー制作日誌

【2022年5月 リーディング第一回目】

今月、キャストが唯一集まれる貴重な一日。リーディングワークショップの最大の目的は、役者さんの身体・声を通した時にどう作品が見えてくるか。台詞や歌詞の聞こえ方や、全体の流れを音で聞いて客観的に見られる日。
リーディングを始める前に、音とキーチェックをざっくりと行おう!と言って開始したら、曲数が多く、想定以上の4時間が経過。通常だとこれで終了、となってもおかしくない時間だが、この日しかない!ということで、ここから2バージョンのリーディング。(後日、鬼~と思った、と言われてしまいました。スミマセン、皆様)
ただ、この貴重な一日は、非常に重要な一日となった。リーディング後、キャストとスタッフ全員で感じたことを忌憚なく言い合う。気づけばリーディング終了から2時間近くが経過していた。この日を受けて脚本の高橋知伽江さんが第7稿を執筆する。

【2022年6月 リーディング第二回目】

再び、今月唯一揃う貴重な一日。前回のリーディングを受けて上がってきた第7稿でリーディングを実施。今回は、音楽的な全体の流れを見るために、歌うことは重視せず、頭からラストまでなるべく止めることなくやってみる。本作は歌で紡ぐミュージカルにしたく、セリフや心情をシンプルな音に乗せていただきたいと思い植村花菜さんに楽曲を依頼した。止めずに全体を通したことで、楽曲の聞こえ方、曲数、テンポ、芝居とのバランスなど、ブラッシュアップすべき箇所がクリアになった。

【2022年7月 リーディング第三回目】

稽古開始前に行う最後のリーディング。第8稿で実施。改めて、目線を引いて客観的に作品を見ると、さらに見えてくることがある。この日に初めてリーディングに参加したスタッフからも忌憚ない意見をもらう。新作は客観的な意見が本当にありがたい。見えていないこと、ちょっと気になっていた部分などが明確になる。リーディング終了後は、振付で入って頂く川崎悦子さんと演出の小山ゆうなさんとでイメージの共有、キャストの歌稽古、そして、リーディングを受けての本打合せを並行して進行。作って、壊して、作って、壊して、その繰り返し。その作業こそが新作の醍醐味。お客様に届けるその日までブラッシュアップ作業は続く。

リーディングの様子


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