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『日本永代蔵』を読む ①
井原西鶴による町人浮世草子
お金の稼ぎ方について、様々な人間を通して教えてくれる。
今回は『巻一の四』昔は掛算 今は当座銀の項をマトメてみました。
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矢野公和・有働裕・染谷智幸 訳注
講談社学術文庫
(2018.09.10.)
「昔は掛算 今は当座銀」
これまでは、商品の値段に掛け値をする掛け算が大切だった。
今の時代は、正札販売で現金取り引きの時代になっていった。
これは、当時の越後屋(三越)の新商法「現金売りに掛け値なし」に ことよせたもの。
当時の駿河町 越後屋は、江戸の名所であり、「呉服物類 品々 現銀(金)掛値無し」と、19世紀の多くの錦絵に描かれた。
出典『史料が語る三井のあゆみ』
三井文庫 編 (公財)三井文庫 発行
吉川弘文館 発売 (2015.04.01.)
当時は、武家(お役人)の ご機嫌を取って宜(よしみ)を通じ商いが成り立っていた。
その後、入札制度になり商人は、利益を低く見積もらざるを得なくなり、ジリ貧状態になっていたと云います。
それでも、武家方の お屋敷に出入りしていると云う世間体のために商売を続け、莫大な売掛金を抱え、資金繰りも ままならないと云う状況だったようです。
このような状況から「現金売りに掛け値なし」は、革新的な商いでした。
越後屋誕生と三井高利
2023.01.25.