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折角の。

駅近くの喫煙所で近くにいた大学生二人組が
「この2年半何となく過ぎて行ったわ」
「あー、確かに。俺も何もしてない」
「折角の大学生活なのに」
「確かに」
みたいな会話が耳に入ってきた。

確かにな、とは思う。
自分は大学時代が何となく過ぎて行った感覚が無きにしもあらずだが、折角の期間というイメージ的にはそうなのかもしれない。
去年に知り合いから聞いた話では、その知り合いの中学生の甥っ子が初めて付き合う事になったらしいが、相手のマスクを取った顔を見たこと無くて、今度初めて見るらしい。
クラスが違うとそのようなこともあるのか。ご飯の時以外外しちゃ駄目みたいなことだろうか。
ある意味、凄く純愛だなと話した記憶がある。

そんな折角や折角の期間はきっと沢山溢れていて。
結婚式や出産や、子どもや孫の成長や運動会や入学式、卒業式、成人式、年越しやお正月、お葬式。
ようやく緩和され、最近は規制なしで実施されているイベントも多い。
個人的には凄くいいことだとは思うが、その緩和されたイベントをテレビ等で見ている、ここ二年半でそんなイベントに参加出来なかった方が多くいる。それこそ沢山。
もちろん、自分にも折角はある。思えば沢山ある気もする。

でも、折角は折角である。
折角には滅多に得られない、恵まれた状況を大切に思うみたいな意味もあるらしい。
滅多に得られない。
確かにそうだが、最初に書いた喫煙所の大学生二人のその後の会話は
「ダンスしかしてないわ」
「でも、それで全国行ったんだから、まぁいいんじゃない?」
「そうだけどさぁ」
「○○も××(大手企業)に就職決まったじゃん」
「まぁ、頑張ったから」
みたいな会話が繰り広げられていた。

折角って。
逆の折角ってことなのかな。
そんな折角の日々を今日も必死に生きる。

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