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「世界と二人と交差と」と「たらればカード」と「つぎはぎ配信」

桃太郎電鉄というゲームがある。
社長になって日本や世界を電車等でサイコロの出た目で目的地に向かって飛び回り、ご当地の物件を買いあさり、他のプレイヤーと資産を競い、貧乏神がキングボンビーになったり、何かめちゃくちゃな神様に変身するゲーム。
年数も設定でき、99年勝負だ!と当時ルームシェアをしていた友人たちと始めるも20年ぐらいで辞める事がほとんどのゲーム。
99年をやり遂げると、ゲームの成績よりやり遂げた達成感を友人たちと共有するゲーム(あくまで個人的感想)
そのゲームの中では色んなカードが使え、「刀狩りカード」や「銀河鉄道カード」等、手に入れるだけで勝った気になれるカードがある中で、なぜか自分は「たらればカード」が好きだった。というかそのカードをよく覚えている。
このカードを使うとサイコロを振って、出た目が気に入らなければもう一度振り直せるという、便利ではあるがそんなに重要度が高い訳ではないカードだった記憶がある。
実際便利は便利ではあった。
例えば目的地まであと5マスだったとしたら、一回目サイコロを振って4だった場合、「もう一度サイコロを振りますか」みたいな選択が出来て、「はい」を選ぶともう一度サイコロが振れる。それで5が出れば万々歳。
便利である。
悪知恵が働く友人は、貧乏神を引き連れて自分の近くに来て、このカードを使い、ぴったり重なるようにこのカードを使ってきた悪童もいた(ぴったりくっつかれると次のターンで付け返せない)。貧乏神擦り付け合いレースの勝者である。

ただし、このカードの肝は目的地まで5マスの場合、一回目のサイコロで5が出れば、もう一度振る必要は無いので「いいえ」を選ぶが、そのたらればカードは消失する。
そして、4が出て「はい」を選択し、もう一度サイコロを振って2とか3が出ても、4には戻れない。
よく出来ている。
一回目で5が出た場合は温存しとけば良かったと後悔し、二回目で2とか3だった場合、最初の4のままだったら次で「牛歩カード(1マスしか進めなくなるカード)」で目的地に入れたのにとか後悔する。
よく出来ている。
まぁ、2回目で5を出すこともあったけども。
桃鉄やったなぁと思い出す時はこの「たらればカード」に纏わるあれこれをいつもセットで思い出す。

30歳ぐらいまでは、「あの時、あぁやってたらなぁ」「こうしてればなぁ」がめちゃくちゃ多かった。たらればである。
それしか無かった時期もあった。
時には人に「あぁしてくれてればなぁ」と貧乏神みたいな感情をなすりつけた事も多々ある。
何も出来ない、何者でも無い自分を過去の自分のせいにする事で言い訳していた。
もちろん、今も少なからずそう思う時もある。
それで逆に救われて、お酒に頼って寝る事もある。
ただ、30歳ぐらいまでよりは減った。
前向きなのか前向きではないのか分からないが、1回目で5を出すことも増えたし(5に似た数字や、5と思い込んでる物も含め)、2回目で2とか3を出す事も増えたからかもしれないし、4に戻れない事を恐れるようになったのかもしれないし、4でいいじゃんといい意味でどうにもならない事を開き直れたからかもしれない。
これがいい事なのか悪い事なのかはもうちょっと吟味していきたいと思う。

たられば時代


ハリネズミ企画「二人と世界と交差と」絶賛稽古中。
鈴木彩子さんと田中愛実さんのユニットの旗揚げ公演。
旗揚げの公演に関われる事はとても光栄。
お二人からお話を頂き、作品の方向性を話させてもらっての今回の作品。
お話を渋谷の女性多めの階でドギマギしながらお聞きしたのを思い出す。
静かに真摯にお話頂き、不器用かもしれないが熱意みたいなものを感じた。
「これがやりたいんだ」と「やってみよう」の狭間。
今はこの「やってみよう」を行動に起こすことはとても凄い事のように感じる。
そしてお二人に集結したキャストさんと稽古に励んでいる。
稽古の帰りにふと「たらればカード」を思い出す。
書いてる時も頭の片隅にはあったのかもしれない。
「あの時、あぁしてれば良かった」だけじゃなくて「あの時、あぁしてなければ今笑えていないかもしれない」みたいな使い方もあったのかなぁ、みたいな。
そんな作品かは分かりませんが。

書くたびに宣伝みたいになっていますが・・・
詳細載せさせて頂きます。

ハリネズミ企画
「二人と世界と交差と」

脚本•演出
堀之内良太(劇団水中ランナー)

あらすじ
大きな岐路に立っている、とある女性二人。
思い出されるのは幼い頃の二人の記憶。共に生きていた記憶。
お互いがお互いを喪失し、それぞれがそれぞれの人たちと世界を構築し、またこれからも歩んでいこうとする世界の途中の岐路で、二人はまた出会う。


出演
鈴木彩子(イッツフォーリーズ)
田中愛実(イッツフォーリーズ)
川上茜(茜企画)
高橋玄太(ぽこぽこクラブ)
鷹村遊(u-you.company)

公演日程
2022年6月
10日(金)14:00/19:00(完売)
11日(土)12:00(完売)/15:30(完売)/19:00
12日(日)12:00/15:30

場所
RAFT
〒164-0001 東京都中野区中野1-4-4 1F

チケット
前売券¥3,500
応援券¥5,000(特典付※舞台写真3枚組)
チケットはこちらから。

そして、劇団水中ランナー「つぎはぎ」の配信も販売中です。
梅雨入りしましたが、お家時間にm(_ _)m
もし、よろしければ何卒よろしくお願いします。
6月12日18時まで何度もご視聴頂けます!

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