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また明日ね

以前、バスに乗っていた時のこと。
終点の駅に着き、のそのそと立ち上がり降りる順番を待っていた時、前の方に乗っていた小学校2、3年生の男の子がバスの降りぎわで運転手の方に素晴らしい滑舌の大きな声で「ありがとうございました!」と言って、颯爽と降りて駆け出して行った。
普段からお礼を伝える人も多いかと思うが、小学生低学年の子の大声は破壊力がある。
バスの中は温かい空気に包まれた。男の子の前に降りた人はバツが悪そうに振り向き、次に降りたお姉さんも小さい声で「ありがとうございました(恐らく)」と言って降りていったので、より一層温かさに包まれた。
目的地に行くのが若干億劫な用事だったのに、ちょっと楽しもうと思えるぐらいだった。
世界を優しくした男の子にいい事があって欲しい。

男の子は純粋に感謝を伝えただけだったのだと思う。
ただ何故か自分には「僕はここにいました」「僕はここにいますよ」の意味も無意識に含まれるんじゃないかと妄想してしまう。
文面で見るとあまりいい感じがしないが、自分にとってはとてもいい意味でのそれである。

挨拶や言葉を交わすことは自分がここに存在してますよってことを表す意味も含まれると思う。
誰かを探す時の「おーい」と自分が見つけて欲しいときの「おーい」は似ている。

そんなことを想いつつ、劇団PIS★TOLさんの「また明日ね」の絶賛稽古中。稽古中だからそんなことを想う。
何回も参加させて頂いている、劇団PIS★TOLさんの現場は今回も例に漏れず温かい。
主宰の仲村大輔氏、劇団員の方の人柄がそうさせているのだと思う。

劇団PIS★TOLの我らが本倉さつきさん

舞台の稽古に入ると、期間中はほぼ毎日同じ座組みの方々と会う。「また明日ね」が当たり前の状況になる。ここ2、3年はその当たり前が危うい状況が続いてはいるのだが。
しかし、その当たり前も千秋楽を終えるとパッタリと「また明日ね」が無くなる。
そして、また新たな「また明日ね」が始まる。
「また明日ね」が当たり前だった面々と久々に集まり、懐かしがったりもする。

とあるワンシーン、我らが剣持さん



でも同じ屋根の下で生活している家族とかだと「また明日ね」は自分の中ではしっくりこない。確定事項すぎるからかもしれない。
完全には確定事項ではないことを約束する「また明日ね」明日もここにいますよ。いますよね?と。無意識に信じる。
「また明日」日々を生きていると鬱陶しいなと感じる時もあるかもしれないけど、とても素敵な言葉だと思う。

芝居中ではなく、絶対ただの雑談中のガッツ兄と千寿

題名から稽古の終わりには「また明日ね」が飛び交っている稽古場。
過去に劇団PIS★TOLさんの「以心伝心311」という作品を「また明日ね」にタイトルを変更して挑む今作。仲村大輔氏の想いが存分に詰まった作品。
「また明日ね」の持続を願うぐらい楽しみつつ、ここにいるよと抗いつつ、稽古に励む。

悩ましい仲村大輔氏

詳細載せさせて頂きます。
ご興味ありましたら、何卒よろしくお願い致します。
舞台のチケットご予約はこちらから。

劇団PIS★TOL第8回本公演
「また明日ね」

作・演出 仲村大輔
2023年2月15日(水)~2月19(日)
@ザ・ポケット(中野)

いつの間にか懸けちがえた
懸けちがえながらもあなたのもとへ

ー東日本大震災の前日に駆け巡る様々な想い

"フレー、フレー"
この空を走る流れ星
明日に還って消えていった

ー2017年に誕生した「以心伝心311」が生まれ変わって還ってくる

キャスト
小沼将太
秦瑞穂
小笠原孝佳
堀之内良太(劇団水中ランナー) 
浦川拓海(ラッパ屋)
高橋玄太(ぽこぽこクラブ)
三澤康平
山本華
千寿
神谷康太

松本淳
加藤晃良

三原珠紀(演激集団INDIGO PLANTS)

剣持直明(劇団だるま座)

丸山敦史

劇団PIS★TOL
五十嵐山人
川又咲
本倉さつき
仲村大輔


公演日時
2/15(水)19時
2/16(木)19時
2/17(金)14時/19時
2/18(土)13時/18時
2/19(日)12時/16時

受付開始は開演時間の45分前、受付後すぐ開場させていただきます

上演時間
110分を予定

チケット
一般4,500円(自由席/4列目以降)
S席6,500円(指定席/1列目~3列目/特典付き)
U-25割3,000円(自由席/4列目以降)

※指定席につきましてはご予約順に前席より割振らさせていただきます

会場
ザ・ポケット(中野)
〒164-0001東京都中野区中野3-22-8

公演情報を随時お知らせ
劇団PIS★TOL公式Twitter/@noact_nolife/

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