見出し画像

願望のなれ果て

今回も自分の記憶に纏わることを少々。
noteさんを始めて、過去の事とか最近の事とか未来の事とか、今まで以上に考えるようになりまして。
まぁ、時期も時期なもので。
過去の事を考えてみると、それなりに挫折みたいなものを経験しているようで。
今思い返すと笑えたりするので、そんなの挫折じゃねーよ、甘いと言われそうですが、自分に甘いのがモットーです。
今叶っている願いが、過去叶わなかった願いに勝てるのかとかも考えたりもします。
不毛である。
でも、不毛なものにこそ何かがあると信じたい。

その考えの延長で過去の願いが全部叶っていたらどうなってたんだろうと、多くの人が思い描いたことがあるかもしれない妄想に耽っているのであります。
あの時こうなっていればとか、あの時こうしておけばとか。
でも、もしそうなっていたら今出会っている人と出会わなかった可能性もある。
そこが妄想の妄想たる所である。
妄想だからその人生でも大切な人々とは奇跡的に出会えるのである。とても仲良く。
そしてその妄想はその後も展開されまして、全て順調です。

その妄想ではまず大金持ちです。
輝いています。眩しいです。
強いです。
めっちゃ人を助けてます。
めっちゃ犬とかも助けてます。
あまりグダグダしません。
たまに銀行強盗に遭遇して、犯人をやっつけたりしてます。
有名人とも親友です。
宝くじ当たらないかなぁって、宝くじを買ってもないのに思ったりしていません。
無力だなぁってトボトボ歩いた経験なんてありません。
牛丼食べながら泣いたこともありません。
「覆水盆に返らず」と敢えて紙に書いたりしたことなんかありません。
零れた水も頑張ってかき集めたり、タオルで吸って絞れば盆に返るんじゃないかとか、起きたことを必死に取り返そうとしません。

画像1

書いて、壁に貼ってみたら何か寂しい感じになりました。

何やってんだ。

でも、習字も懐かしい。筆ペンですが。
この「覆水盆に返らず」
後悔の言葉かと思っていたのですが、改めて調べてみると「一度離婚した夫婦は元に戻ることはできない」のが元々の意味らしい。
由来を読んでみたら、何とも言えない気持ちになったのでご興味ある方は。
転じて「一度起きてしまったことは二度と元には戻らない」だから間違ってはいないが、何か今後使うのを躊躇してしまいそう。

何の話だっけ。

後悔みたいな妄想はたらればが常であります。
ほぼみんなが大好きゲームの桃鉄にもありましたね。
びっくりの「たらればカード」。
サイコロを振り出た目を進み、目的地を目指すゲーム。
通常一回しか振れないサイコロを、何と一回目振って気に入らなかったらもう一回振りなおせるという魔法のカード。
何回も救われたし、他の人が使うと羨ましい。
でも、このカードはサイコロを振る前に使わねばならない。
カードは消耗品なので一回使うと消滅する。
二回振ってもいい数字が出なかったら、使わなければ良かったと後悔を生じ、一回目でいい数字が出たら二回目は振らないので使わなければ良かったと後悔する。
そして、次の目的地の時に「さっき使わなければ・・・」と本当のたらればを発症するという魔法のカード。
他にも後悔しがちなのが「夢のまた夢カード」や「千載一遇カード」。
開発者の人すげーな。

当初のテーマから脱線している気がしますが、これを書いていても友達と桃鉄をした記憶が少しづつ蘇ってくるから記憶とは不思議である。
99年やったなぁ。
でも、途中で飽きて50年ぐらいで辞めてたなぁ。
最初は99年やるぞって意気込むのに途中から貧乏神を自分から取りに行ってたもん。

さて、記憶の話を。
記憶の中で、もしこうなっていたら人生大きく変わっていただろうなと思うのは大学受験である。
冒頭の挫折みたいなものである。
宮崎の進学校でそれなりに勉強をし(たつもり)、直前の模試等で志望校合格A判定を貰い、ルンルンと挑んだ大学受験。
当然通ると思っていました。
前期試験で落ちた時は後期で通るからいいやと思っていました。
神様も意地悪だなぁって。乗り越えられない試練は無いってか。
一抹の不安を抱えながらもルンルンで後期試験にも挑みました。
結果、後期も落ちました。
びびりました。

完全な油断である。
だってA判定なんだもん。
直前の模試で合格率90%以上(80%だったかも)なんだもん。
当時は採点ミスなんじゃないかと、少しは改善されていたであろう不貞腐れ野郎も顔を出していた。
大学側から「すみません、採点にミスがありまして・・・合格です。おめでとうございます」と訂正が来て、「いやーこんなこともあるんですね。今後気を付けて下さいよ」と返事をする妄想ボーイも顔を出していました。
だって合格率90%だって、10回中9回は通るって言われてたんだもん。
でも、結果は不合格。
学校の先生もビビっていました。
現実だよと言われ泣きました。
その時の両親の顔ははっきりとは思い出せないけど、何とも言えない顔をしていた気がします。

通るもんだと思っていたから、他の大学は東京の1校しか受けていない。
浪人する勇気も無い。

宮崎から福岡(第一志望の大学)での生活を大冒険と考えていた慢心ボーイは東京という異世界への冒険にプルプル震えながら旅立つ決意をする(この時不安ながらも両親の後押しもあった)。

でも、第一志望に後期試験で通ると思っていた(何度も言う)から、住む家なんか決めていない。
母親と急遽東京へ住む家を探しに。
でも、当時その時期(3月前半~中旬)は駆け込み需要からか、なかなか手頃な物件もない。
宮崎でスクスク育った母子は大学近くの不動産屋を訪ねるが、交渉等分からない。
今思うといいお客さんだっただろうなと。
プルプル震えながらも慢心ボーイはなかなか決まらず不貞腐れボーイに。
決めなきゃしょうがないでしょと、母も臨戦態勢だった(当然のこと)。
建物にしては家賃が高めの新住居を決定。


そして、荷造りや手続きを諸々終え、宮崎から東京へ。
引っ越しには母と姉も来てくれて順調に引っ越し終了。
心変わりの激しいボーイは世間知らずで、既に受験の事など忘れ、少しウキウキし始めている。
人生初の一人暮らしのお供に大量の漫画とプレステを持参し、新しくファイナルファンタジーを購入し、大学に通うために始める一人暮らしを妄想の冒険に出る為だと勘違いしているようだった。
母と姉はこれほんとに持ってくる必要あった?とあきれ顔だったが、ウキウキボーイは今となっては手元にも残って無い過去の戦友たちを、絶対必要でしょ。とドヤ顔で返していた。
東京に出てきたことでステータスが上がったと勘違いして、調子に乗っていたのである。

と思ったら、壁が薄いアパート。
隣人が女性嫌いだったのか翌日朝訪ねて来て、昨日声がうるさかったとクレーム。
母や姉では無く、自分が住むと分かったら何故か少し安心したようだったが、静かにお願いしますと強めに主張。
怖い人だった。
宮崎から勇ましく出てきたつもりのボーイは戦意喪失。
引っ越し二日目で引っ越しを考える。
だが、それでもそれ以上に買ったばかりのファイナルファンタジーが気になる。

その日の夕方。
母と姉、宮崎へ帰る。
息子、家族と離れ初めての一人暮らし。初めての長期での別生活。
理解していない愚鈍ボーイ。
宮崎へ帰る母と姉を見送りに最寄りの大崎駅へ。
工事が終わったばかりなのか綺麗な大崎駅。
不安そうな母と姉。
早くファイナルファンタジーがやりたいボーイは強がって大丈夫だと主張。
心配する母と姉。
何でそんなに心配するんだと不思議がりながら、ファイナルファンタジーをしたいボーイは大丈夫だからと足早に背を向ける。

結果、夜更けに不安になり寂しくなる。

この時の大崎駅での母と姉の表情は忘れられない。
その時にまともに話もせずに家に向かった自分も。

それから色んな事がありつつも、何とか東京で生活をし、福岡で生活していたら恐らく(ほぼ)やることはなかったであろう演劇業界に足を突っ込む。
大学の専攻と全く関係が無かったので、恐らく環境と友人関係がそうさせたのであろう。
18歳で宮崎を出て、もうすぐ同じ年月を東京で過ごそうとしています。
不思議であります。
もし、第一志望に受かっていたら違う人生ではあったが、今はこの生活以外は考えられないのかなぁと。トップの画像にある劇団公演のチラシは存在しなかったしなぁと思う。
妄想の中では大学も合格しているし(カッコよく中退もしている)、演劇もやっているし、出会う人には全員出会っている。
うん。妄想である。
しかし、妄想は楽しい。

でも、大崎駅で母と姉とちゃんと話しておけば良かった。
母と姉の表情を自分の行動で笑顔に出来たかもしれないし、もしかするとそれは他の場所で元々笑顔だったかもしれないと思うと、妄想というより覆水を盆に返したくなるのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?