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『集中力がすべてを解決する』読書感想文


私は4年前まで、集中力とは縁のない生活をしていました。

夜の飲酒で、気を失うように就寝。翌日は体調不良で最低限の家事しかできず、2〜3 時間の昼寝。テレビは12時間以上つけっぱなし。「疲れた、面倒くさい」が口癖で、外出もままならない日々でした。

本当に異常だったと思います。家族にも迷惑をかけましたし、多くの時間を無駄にしてしまいました。

命の危険を感じて断酒をしたものの、何十年もアルコールに支配されていたせいか、集中力を取り戻すのが今でも難しいです。

映画を観に行くようになって感想文を書き、もうすぐ200本になりますが、集中することが難しく、気が散って他のことばかり始めてしまいます。

そのため、樺沢先生の情報発信の中でも集中力は特に注目しているテーマでした。

前置きが長くなりましたが、この本の第一印象は「元気が出る希望の書」でした。

「集中力を高める」という堅いテーマから「希望」を感じたのは自分でも意外でした。

「何から実践しよう」「まだまだできることがたくさんある!」とワクワク嬉しくなったのです。

最初パラパラと読んだ時に目に留まり、一番に試したのは「先送り・ミスゼロ仕事術」でした。すぐに、はっきりと効果がありました。

集中力がゼロだった頃の私は、映画を一本座って見るのが難しいのと同様に、一冊の本を読み通すことも困難でした。

本を広げた瞬間に、次から次へと雑念が現れて、異常なほど気が散るのです。

それは今でも続いていて『読書脳』で少し克服したものの、まだまだだと感じていました。

そこで、この集中力本を本格的に読む際「もしも他のことに気を取られても、TO DOとしてノートに書いて、脱線しないようにしよう」と決めてみました。

読み終わるまでの約1時間半で、どれだけ他のことを考えたかというと…。

「洗いもの」「植物の剪定」「アイロンかけ」「映画の感想文2本」「ダイニングテーブルのリメイク」「今日のスマホ利用時間チェック」「スチール棚を作る」「爪切り」

…こんなに多くの雑念が頭をよぎったのです。自分でも呆れてしまいました。

「思いついた用事を済ませてから、また読もう」と考えて中断、それっきりになるのがいつものパターンです。

しかし今回は、爪切りなど、すぐに終わることもノートに書き出すだけにとどめました。

この簡単な作業により「忘れないうちにやっておかなきゃ」という焦りから解放され、しっかりと本に集中することができました。

さらに、作ったTO DOリストは少し時間のかかる「映画の感想文2本」以外、すべて直後に短時間で達成することができました。

何日も前からの案件もありましたが、すごい速さと集中力でこなせたことに自分でも驚きました。

本は本で集中、雑用は雑用で集中、というダブルの効果が生まれ、TO DOリストの威力を再認識しました。

この方法がとても自分に合っていると分かり、以来、思いついたことはすぐに書き出すようにしています。

たったそれだけのことで、たくさんの用事を抱えて混乱し、右往左往していた自分から進化できました。

もちろん集中力も以前より上がり、時間が増えた気がしています。

脳は何歳からでも鍛えられる、成長できるという、実体験を伴った樺沢先生の発信に、同年代の私はいつも元気づけられています。

歳を取っていくことを、無闇に恐れることもなくなり、現在は毎日楽しく、希望でいっぱいです。

自分の能力(脳力?)を過信せず、案件は外部記憶とし、地道にワーキングメモリを鍛え、断酒も続けて、キレッキレの中高年を目指していきたいと思います。

樺沢先生、楽しくためになる本をありがとうございました。何度も読み返して理解を深めていこうと思います。



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