若い営業マンから学んだこと
家の近所には、イワシ料理で有名な居酒屋さんがある。
ランチは、11時半~14時までやっているが、12時前後には大体いつも満員。人気メニューはイワシフライ定食かアジフライ定食。冬には、カキフライ定食も登場する。
早いと12時半前には、人気メニューは売り切れる。だからみんな食べたいメニューを食べるために急いで店に向かう。
夜通し雪が降って、まだ雪が地面に残る日のこと、13時半ごろにお店を訪れた。
ラストオーダーは13時半。もしかしたら、もう間に合わないかも…と思いながら、店を覗いたところ、「鯖塩かホッケ定食ならまだ残っている」と言ってくれたので、鯖塩定食を注文。
料理が運ばれてきて、食べている所に、1人、また1人とお客さんが帰り、お店の客は私1人になった。
すると、1人の若い男性が店内に入ってきた。聞き耳を立てていると、どうやら店長と約束をしているとのこと。今話題のスキマバイトのマッチングサービスの営業マンのようだ。
いま利用料無料なんで、ぜひ使ってほしいんですよね、と話しながら、一番奥の席に座った。
その時にふと思った。私はこの店に何度か来たことがあるので、この店はランチは、パートのおばちゃん、若いおねえちゃん、大将のようなおやじなど7人体制ぐらいで、フル回転で回している。
ランチどきは、料理も出てくるのは早い。お客さんをなるべく待たせないよう、万全の態勢で挑んているのが分かる。「この店は、スキマバイト人材のニーズあるのかな」と。
私はこのお店はランチしか行ったことがない。ランチどきにいるのは年配の主婦っぽい女性がほとんどだ。きっと彼女たちはランチ限定のパートさんで、夜は働かないだろうから、夜は人材が不足しているのかもしれない。
だとしたら、スキマバイトのニーズはあるかもしれない。
けれども、昼を見る限りでは、この店にはスキマバイトのニーズはなさそうだ。
この営業マンの若い男性は、この店に食事に来たことがあるのだろうか。
この店が、ランチどきはいつも万全の態勢で挑んでいることを知っているのだろうか。
夜は人手不足だという情報を把握しているのだろうか。
どういう風に、営業をかけていくのだろうか。
そんなことを考えたら、店長が戻ってきて、商談をするところを聞きたいような気分になった(笑)
少ししたら、店長が戻ってきた。ただ、店長は営業マンがいる奥の席に来る気配はない。きっと、お客さんが帰ってからでないと商談はしないつもりだろう。
食事も終わったので、会計をしてお店を後にした。
帰り道、歩きながらふと考えた。自分は、仕事と向き合うとき、準備万端で挑めているだろうか。
できる限りのことはリサーチしたうえで、臨んでいるだろうか。
もちろん、お金も時間も限りがあるから、なんでもかんでもできるわけではない。けれども、「お金がもったいない」「時間がもったいない」と言って、準備を怠ってないだろうか。もっとできることはあるのではないか。仕事にももっと、真摯に向き合わないと。
その営業マンが店に来たところを目撃しただけだったが、拓さんのことを学ばせてもらった。
その若い営業マンの商談はどうなったのだろうか。
また今度、そのお店にランチに行ってみよう。引っ越してこの街を離れる前に。
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