島耕作は平家物語だった
いきなり何の話かと思うのですが、年末年始にふと思い立って電子コミックで島耕作を一気読みしてしまいました。
島耕作シリーズは、課長島耕作からはじまり部長・取締役・乗務・専務・社長・会長と昇りつめ、相談役・社外取締役(イマココ)となっています。この他に、学生・ヤング・係長・スピンオフやインスパイア物などもあり読み応えがあります。
そもそも島耕作シリーズを読んでみようと思ったのは、失われた30年と言われるここ最近の日本の状況を今一度振り返ってみたいなと思ったからでした。
島耕作:日本型ビジネスパーソンの生き様
島耕作は1947年9月9日生まれ、1970年3月 早稲田大学法学部卒で、現在76歳(!)。 生年月日、出生地、最終学歴全て作者・弘兼憲史さんと同じ設定となっています。
島耕作の長大なシリーズを読み進めるうちに感じたは、「その当時は最適と思って行動していたことが、マクロ視点・グローバル視点で見ると決して正解ではなかったんだ」ということ。
島耕作は、企業の中での出世競争に勝つものの、その後の衰退を経験します。ビジネスの世界では、成功もあれば失敗もある。しかし、仕事における栄光と挫折は時の流れの一部であり、大きな世の中の変化に適応できなければ滅んでいくのです。
平家物語:古の戦士たちの栄光と悲哀
一方、平家物語は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武士の世界を描いた古典です。平家の隆盛と衰退は、この物語の核となっています。平家の滅亡は、どんなに栄えた者でも避けられない運命を表現していて、私たちに時の流れの中での謙虚さと、今このときを大切にすることの重要性を教えてくれます。
どんなに個人や集団が頑張っても、大きな変化の前ではなすすべもない。そんな無常観が二つのストーリーの根底にあるのではないでしょうか。
つまり、「島耕作=平家物語(=盛者必衰の物語)」なのだと感じた瞬間でした。
島耕作においては、韓国・中国・インドといったグローバル諸国の台頭であり、平家物語においては、源氏という武士階級の台頭。
この世の中のうねりに飲み込まれてしまうのは、仕方のなかったことなのでしょうか。
風の盆から始まり風の盆で終わる
「風の盆から始まり風の盆で終わる」という表現は、平家物語の構成やテーマを象徴する言葉です。この表現は、物語が「風の盆」という節で始まり、同じく「風の盆」で終わるという特徴を指しています。
「風の盆」とは、物語中で繰り返される舞踊を指していて、その舞踊が物語の始まりと終わりに重要な役割を果たします。
この表現は、歴史や人間の運命が循環的であり、栄光と衰退が繰り返されることを示しています。また、物語の始まりと終わりに同じ要素が現れることで、一種の閉じられた循環を表現しています。
何事も盛者必衰。歴史は繰り返されるということを、島耕作が教えてくれたような気がします。
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