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0037 未来は小さい

先日Twitterで、考えさせられるツイートを見つけた。

2001年のメタルギアソリッド2の中のセリフで

世界のデジタル化は、人の弱さを助長し、それぞれに都合の良い『真実』の生成を加速している。

『政治的正しさ』や『価値相対化』というキレイゴトの名の下に、それぞれの『真実』がただ蓄積されていく。

衝突を怖れてただそれぞれのコミュニティにひきこもりー

ぬるま湯の中で適当に甘やかしあいながら、好みの『真実』を垂れ流す。

とあります。

ツイートでも触れられているように、SNSがまだ浸透していない当時に、この洞察をしていたこと自体が驚きですが、この流れはさらに加速していっています。

人々は、さまざまなプレッシャーや不安に囲まれながら、いやおうなしにSNSやネットで繋がり、その不安を増大させています。

そんな中で、なぜコミュニティやトライブが大事になってきたのか。地域や地方で独自のの動きが出てきたのか。下町のクリーニング屋やゴールデン街、スナックに若者が注目するのか。どうしてD2Cが人気なのか。

インターネットやSNSで広くつながればつながるほど不安になり、小さな集団で殻をつくるようになってくるのです。

Community is in the shell.

さらに、デジタルテクノロジーにより場所や移動の自由度が増したことにより、デジタル上だけでなく物理的な「小さな場所」への回帰が起こっているのではないでしょうか。

F・アーンスト・シューマッハーは「Small is beautiful」と説きました。

そして、隈研吾は「場所原論」の中で、

近代化によって切り離された場所と人間を再び結びつける「小さな場所」の復活。

と、「小さな場所」への回帰を訴えています。

例えば、「住み開き」に代表されるような、新しい地域コミュニティのあり方も、今の生き方のひとつではないでしょうか。

田中元子さんの「喫茶ランドリー」などもいいですね。

小さな殻の中に閉じこもるのではなく、小さくてその場に根付いてながら開いたスペース、ここにデジタル時代の新しい価値観の萌芽を感じます。

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