玉の間攻略編 ⑭:筋カウントを考える(その1)
【筋カウントの必要性】
今回のnoteでは、みんな大好き(?)筋カウントについて考えていこうと思います。筋カウントとは、麻雀の牌におけるリャンメン待ちの筋を6本(1-4/4-7/2-5/5-8/3-6/6-9)×3種(マンズ/ピンズ/ソーズ)=18本と考え、リーチ者に対して通った現物牌を数えることでリーチ者に当たり得る牌を消去法で絞っていく、というテクニックです。分かり易く言うと、リーチに対して今から自分が切ろうとしている牌がどの程度危険かをざっくり可視化してくれる手段、みたいな感じですね。
例えば上の例。西家の先制リーチに対して、マンズは4本(1-4/5-8/3-6/6-9)、ピンズは0本、ソーズは1本(6-9)、合計5本の筋が通っていますね。(※北家がリーチ後に無筋8mを通しているため)残り筋は18-5=13本なので、次に切る片無筋の牌の放銃率はざっくり1/13=約7.7%となります。
さて、筋カウントについて細かく考えていく前に、この問題を取り上げましょう。
そもそも、筋カウントは必要なのか?
筋カウントを取り入れていない人の意見としては、こんな感じでしょうか。
・そもそも数える余裕なんてない(初級者~中級者)
・なんかメンドくさい(サボリ派)
・数えて本当に意味あるの?(懐疑派)
・押す時はどんな牌でも押すんで結構です(ポリシー派)
・特にやっていません(上級者)
1つ目は初級者あるあるですね。リーチ対応で精いっぱいなのに、現物牌の数なんて数えられるか!!って感じでしょうか。2つ目は省略。3つ目はこの後考えていきます。4つ目はこだわり強くて説得できなさそうなのでスルーで(笑)
注目は5つ目です。雀魂の最上位勢の段位戦や大会の配信を見ていて、筋カウントをしている配信者さんって記憶にありますか?そう、ほとんどいないと思います。自分の記憶だと、トリプル天鳳位のないおトンさんぐらいでしょうか。「ほら、最上位勢が取り入れてないんだから、筋カウントなんて必要ないんじゃん!!」というツッコミが飛んできそうですが、まぁまぁそんなに焦らず。彼らが筋カウントをしていないこと、イコール筋カウントが意味のない行為であること、という訳では必ずしも無い・・・と筆者は思っています。
それは何故か。彼らは危険牌の濃淡の判断を、(筋カウントを行わずとも)自らの読みや経験則を材料に行うことができているからです。具体的には、捨て牌の切り順や他家含めた河全体、手出しツモ切り、副露メンツ、そして牌の残り枚数などから我々には読み取れない情報を多数読み取っています。よって逆説的に、こういった類のスキルを身に付けていないレベルのプレイヤーは(筆者もこちらに含まれます)、それに代わる外部補助ツールとして筋カウントに頼るのも悪く無いのでは?というのが、筆者個人の意見です。
ただしここで注意したいのは、筋カウントはあくまで危険度を測る『手段』であって、危険度を測ることそのものが『目的』ではない、ということですね。「筋をカウントした結果、この牌は危険だね!」→Q.E.D.、という訳にはいかないってことです。「危険だから切らずにオリる」もしくは「危険だけどあえて切る」、といった具体的な行動に結びつけて初めて、手段を目的に昇華できるのですから。言い換えると「筋カウントによって可視化した危険度」と「その後の押し引き判断」とを結びつけた、いわば基準表みたいなものが別に必要だよね、ということです。
筋カウントを元にした押し引き基準の例(※注:内容は適当です)
・8巡目で残り筋10本の場合の放銃率は○%なので押し有利
・対親なら筋は-2本でカウントする
・河3段目で残り筋6本以上は危険なのでオリ有利
正直、この先についてはもはや体系化・パターン化は不可能と思っているので、今回のnoteでは勿論取り上げません。それもそのはず、自分の手牌価値、相手の想定打点、残り局数、その時点の点差、etc・・・。他にも考慮すべき要素が麻雀にはありすぎて、とてもじゃないですが押し引きの基準表なんて作れません。というかもし自分が作れるなら、とっくに有料noteにしてお金儲けしてますよ(笑)
ということで、冒頭から長くなっちゃいましたがまとめ。ちなみに筆者は雀豪3時代から筋カウントを少しずつ取り入れて、雀聖2昇段の頃にはほぼ定着させることができました。現在進行形でお世話になっております。
・筋カウントは、切る牌の危険度を機械的に可視化してくれる手段
・カウントそのものは手段であり、目的の押し引き判断はまた別に必要
・絶対に身に付けるべきスキル、とまでは言えない
・筆者はお世話になっております!!
【筋カウントのポイント】
さて、「筋カウントは絶対身に付けるべきスキルとはいえない」とブチ上げておいて、果たしてこの先の記事を読む人がどれだけいるのだろうか・・・と若干不安にはなりますが、まぁ気にせず進めていきましょう。ここでは筋カウントのコツや注意すべきポイントとして、以下4つ挙げておきます。
① マンズ/ピンズ/ソーズの3種類ごとに分けてカウントする
② 筋1本ぐらいカウントミスしても気にしない
③ 両無筋の牌はカウントも放銃率も2倍になる
④ カウントが増えたら他家が押しているサイン
①マンズ/ピンズ/ソーズの3種類ごとに分けてカウントする
リーチ者の河1段目から切られている牌をカウントしていく、という方法もありますが、これだと2度出てくる牌を重複カウントしてしまったりと混乱しがちです。ということで、盤面全体を見渡してマンズ/ピンズ/ソーズの3種類ごとに分けてカウントしていくと、比較的スムーズにカウントができると思います。
この例だと、対面の河で河に並んだ順に1m,9s,9m,,,,と数えるのではなく、マンズ179で3本、ピンズ57で3本、ソーズ689で3本、みたいな感じです。
②筋1本ぐらいカウントミスしても気にしない
筋1本くらい数え損ねてもいいや、それくらいざっくりとしたカウントで問題ないと思います。正直5本が6本になろうが、8本が9本になろうが、あんまり変わらないかと(笑)ただし、ある程度筋が通った後の筋1本の影響度は相対的に大きくなるので、しっかり数えましょうね。
◆筋残り 13本 vs 12本
→ 放銃率 1/13=7.8% vs 1/12=8.3%(差は0.5%と 小さい)
◆筋残り 6本 vs 5本
→ 放銃率 1/6=16.6% vs 1/5=20.0%(差は3.4%と 大きい)
③両無筋の牌はカウントも放銃率も2倍になる
ここでの両無筋の牌とは「4,5,6」の牌です。4は1-4/4-7、5は2-5/5-8、6は3-6/6-9とそれぞれ2つの筋にまたがるので、他の牌に比べて放銃率が2倍になります。よってある程度筋が通った後に両無筋の牌を切るのには慎重を期したいですね。
④カウントが増えたら他家が押しているサイン
筋カウントは、(リーチ者以外の全員がオリに回っている場合は)通常リーチ者がリーチ後に切る牌でのみカウントが上がっていきます。逆を言えば、リーチ者以外の他家が切った牌でカウントが上がった場合、それ即ち他家が無筋の牌を切ってきている=押し返しの可能性アリ?と警戒する必要があります。カウントするのに夢中で他家のダマテンに放銃・・・などには気をつけて下さいね。
と、こんな感じで今回の筋カウントを考えるnoteは一旦おしまいです。近日公開予定?の筋カウントを考える(その2)では、実践での活用方法をご紹介する予定です。
最後にこちら、おススメの関連記事なのじゃ!!
https://kinmaweb.jp/archives/110836
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