ブロック読みを身に付けよう!(その1)

【ブロック読みとは?】

今回は「ブロック読み」と呼ばれるテクニックをご紹介します。筆者も取り入れたのは割と最近なのですが、初心者~中級者でも気軽に身に付けられる知識なので、是非参考にしてみてくださいね。

まず、麻雀の数牌9種×3色を、上中下のブロックに分けます。

ブロック読み07

麻雀の手組というものは、基本的に手が進むような受け入れ牌を最大にするように進めていくものですよね。そうすると、自然と「受け入れが被るような手組は避け、9種×3色の牌(=3×3で9ブロック)をバランスよく使うような手組になりやすい」ということが言えます。

ブロック読み09

例えばこんな手牌。リャンメンターツ3種から落とすものを考える場合、「ピンズは4pが2度受け(=受け入れが被るので非効率)だ。タンヤオもつかないし、端寄りの待ちで優秀な2p3pを残して5p6pを払おう」となりそうです。

ブロック読み08

他家からこんな感じで白ポン→123mチーの仕掛けが入った場合、「さすがに1-4mの2度受けは無いよね?」みたいな読み、よく使うと思います。これは裏を返せば「上中下のエリアで待ちが被るようなことはレアケースである」という想定が働いている、といえますよね。

こんな感じで、他家の副露メンツ+捨て牌を参考に、3色×上中下の「全9種のブロックのどこでメンツが完成しているか」「どのブロックが未完成か(=待ちになっていそうか)」をざっくり予想するテクニックを、ブロック読みと呼びます。たぶん。たぶんね。違ってたらゴメンナサイ。


【ブロック読みの基本3要素+α】

「ブロック読み」については、自分は大きく基本の3要素+おまけで4要素をミックスして考えるようにしています。①②③がブロック読みの初級レベル向け、④⑤⑥⑦は余裕が出てきた中級レベル向けのおまけ、みたいなイメージですね。

副露メンツ
②河の現物牌
③リャンメン待ち前提
④上家から鳴いていない牌
⑤生牌のシャンポン待ちに注意
⑥場に高い色に注意
⑦河1段目の5切りは1-4/6-9に注意

①副露メンツ
これは分かり易いですね。マンズの下で鳴いていたら(例:234mチー)、マンズの下のブロックにはもう待ちは無いぞ、みたいな感じです。1副露よりも2副露、2副露よりも3副露、と、副露数が増えれば増えるほど待ちの候補はおのずと絞られてきますよね。

②河の現物牌
河の現物の牌をチェックすることで、通っている筋を待ちの候補から消去していきます。初級レベルでは読む相手の河のみでも十分ですが、中級レベルでは他家の河に切られている&読む相手がその間ツモ切りで実質的に現物となっている牌、も有益な情報にしていきたいですね。

リャンメン待ち前提
ブロック読みでは正直な所、あらゆる愚形の可能性を含めた超高精度の読みとなるともはや持ち時間内には不可能かなー、と。ということであくまでリャンメン待ちの場合の本命を予測するぐらいが程よいと思います。

④上家から鳴いていない牌
副露進行をする場合、「この部分は愚形だから鳴くけど、ここは良形/山に沢山あって自力で引けそうだから鳴かない」みたいなメリハリをきちんと付けている人、意外と少ないと思いませんか?基本的にはシャンテンが進むなら全部鳴いちゃう、って人が多いと思います。その思考を逆手にとって、「副露進行の他家が上家から鳴いていない(チーしていない)牌は、待ちになっていない可能性が高い」という読みになります。個人的にはこれ、結構当たってると思ってます。(※根拠データ無しwww)

⑤生牌のシャンポン待ちに注意
プラスαで分かり易い読み方として、「場に見えていない生牌はシャンポンで結構当たる」というものもあります。余裕があれば、見た目枚数をカウントしつつ読みの要素に加えていきたいですね。

⑥場に高い色に注意
場に高い(=河全体にあまり切られていない)色は、すなわち他家の手牌に多く組み込まれている→待ちになりやすい、みたいなヤツです。言われてみれば確かにそうかも!と思えますよね。周辺があまり河に切られていないブロックは、リャンメン待ちは勿論、愚形(シャンポンやカンチャン待ち)も少し警戒したい所。

河1段目の5切りは1-4/6-9に注意
これも結構麻雀あるあるですよね。序盤の235mからは5m切り、578sからは5s切り、ってみんなやると思います。ただし5が赤ドラの場合はテンパイ直前まで引っ張られるイメージですね。なのでリーチ宣言牌周辺の赤5切りは、1-4/6-9待ちも警戒しましょう。


【ブロック読みの例:その1】

ブロック読み08

下家の待ちを予測してみましょう。役牌の中の可能性もありますが、序盤の河がおとなしいので基本的にはタンヤオが本線となります。

《ピンズ》
3pポン、現物に1p9p5p7pと切られています。どう見ても、ピンズのメンツは完成していそうな感じですよね。
《ソーズ》
567sでチーして打6s。チー出しが関連牌ですので、ソーズの真ん中のブロックはこれで完成した模様。5巡目に8sツモ切りですし、あるとしたらソーズ下2-5sでしょうか。

ということで、本命はマンズ待ちになります。3巡目に3mを切っていますので、そのまたぎの1-4mあるいは2-5mは可能性が低そう(…233mや334mから普通は序盤に3mを切らずに残しておくので)。タンヤオで残る筋は4-7mあるいは5-8mとなります。どちらもドラ5mが絡む危険なゾーンですね。

ブロック読み09

下家の手牌は・・・4-7m待ち、そりゃそうですよね~(笑)次巡、仮に4sツモなどの場合に5mは不要牌になりますが、我慢して白を切りましょう(上家には3m9m、対面には1sが安全牌になるので白は持たなくても大丈夫そう)。ド本命の5mはテンパイ打牌まで我慢したいところですね。


【ブロック読みの例:その2】

ブロック読み01

南1局で僅差でラス目の親番。上家が4pをチーして打5pとした場面です。チーして打4sで、4m片和了りのタンヤオのみ1500点テンパイとなります。1mと4mはともに残り2枚ずつ。さて、この5p鳴きますか?

「現状ラス目、親番連荘もしたいしここはチーにゃ!」という方も多いと思いますが、ここはスルー推奨ですね。理由は上家の副露メンツと河です

《マンズ》
最初にど真ん中5mをダイミンカン、その後マンズがバラ切りされています。マンズが上下に分断されていて、マンズのブロックはもう残っていなさそうですよね。
《ピンズ》
そして2副露目でピンズのど真ん中456pチー、打5pです。3p9pが現物なので3-6-9pのリャンメン筋は否定。5pが現物なので2-5-8pもありません。残る4-7pの筋でチーをしているので、もうピンズのリャンメン待ちブロックは残っていなさそうです。わずかに残っている候補としては、場に生牌の2pか7pのシャンポンくらいでしょうか。

ということで、本命は上家の河に切られていない、ソーズ待ちのタンヤオになります。となれば4s5s6sの両無筋は超危険牌。既に副露メンツでタンヤオ赤1が確定、カンが入って2s3sがドラであることを考えると最低3900点は覚悟する必要があります。さて、ここで対面の河に注目です。対面が切った6sと5sに、上家が反応していませんよね。これは消去法で(リャンメン待ちだとしたら)4-7s待ちがド本命です。読み筋の4sを切って、放銃したら最低3900点以上。それだけのリスクを負って、自身の手は片和了りのタンヤオのみ1500点。どうにもリスクに見合わない感じがします。

ブロック読み02

実際の手牌はこちら。下家が發バックのテンパイを取り、テンパイ打牌の4sが上家の3900点に放銃となりました。結果論ではありますが4sをビタ止めした形です。ちなみに、上家の2p対子、対面の7pアンコもほぼ読めていますね。イェイ。(※5p3見え8p4見えなのに7p生牌は不自然→誰かに対子以上?)


【ブロック読みの例:その3】

ブロック読み03

対面が3副露目、5sチーで打7sとした場面です。これもブロック読みをしてみましょう。マンズのど真ん中567mでチーの後、ソーズど真ん中の567sでチーして5s7sと手から出てきています。ソーズのブロックはもう完成していそう。普通に考えると、ピンズ待ちが濃厚ですよね。1p2p8pが切れているということは、リャンメン待ちならピンズの中頃、残り筋の3-6pまたは4-7pがド本命です。今回は自分がドラ3の勝負手なのでほぼゼンツになりますが、点棒状況や相手の想定打点が異なるケースの場合、この4枚は止めるぐらいの押し引きも必要ですね。

ブロック読み04

実際の手牌はこちら。やはり4-7p待ちでした。対面の役は中なのでタンヤオよりも待ち候補は増えますし、シャンポンやカンチャンといった待ちも十分可能性は残るのですが、ブロック読みで「ド本命の待ちを想定する」ぐらいは常に意識できると良いですね。


【ブロック読みの例:その4】

ブロック読み05

下家のリーチに対して、上家が2副露目を仕掛けて無筋の打6m。明確に押しており、テンパイ濃厚ですね。役牌はすべて見えているので、役はタンヤオでしょう。さて上家の待ちをブロック読みで考えてみましょう。まずは1副露目、7sポン。ソーズは2s3s手出しなので1-4sは可能性低いし、対面の8sもチーしていないので5-8sも否定?だとするとソーズの待ちは残っていなさそうです。続いて2副露目のピンズ。345pの下でチーしています。上の789pは河に現物として切られており、こちらも待ちとしては残っていなさそうな河です。となると残りはマンズ濃厚。最終手出しが6mなので、そのまたぎであるマンズの中頃、4-7mあるいは5-8mがド本命になります。

ブロック読み06

実際の手牌はこちら。やはり4-7m待ちでした。上家親はタンヤオ濃厚の仕掛け(役牌がすべて否定されている、トイトイでもない)であり、ドラが北であることから1500点~2900点程度の安い仕掛けと読むことができます。下家がラス回避争いのライバルの場合などは、あえて4-7mあるいは5-8mで上家の安い手に放銃して下家の和了りを防ぐ、などの応用テクニックも有効かもしれませんね。


ということで、ブロック読みの例を4つご紹介しました。ちなみにこれらは全て筆者の実際の段位戦対局中に行った読みですので、麻雀プロが用いるような手出し順や鳴き方などを踏まえた超高度な読みでは全然ありません。目に見える情報を用いて機械的に判断するだけでも、これぐらいざっくりとした読みはできるようになるかも?です。

最近はこのブロック読みのおかげで、副露に対する放銃率が劇的に改善されている・・・ような感触がかなりあるんですよね。一点読み!!とまではいきませんが、なんとなく他家の副露メンツ+捨て牌を見て「この辺で待っていそうだなぁ」ぐらいの予測をしてみるのはいかがでしょうか。いきなり対局中に実践するのは難しいかもしれませんので、まずは対局後の牌譜を見ながらチャレンジしてみる、みたいな勉強法もおススメ。

ということで、ブロック読みのnote記事でした!それではまた~。


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