見出し画像

即効で7割読めるハンガリー語講座

私が監修した中央ヨーロッパ現在進行形ミュージックシーン・ディスクガイドで、キーパーソンとして大々的にご紹介したハンガリーのサローキ・アーギがとうとう初来日します!拙著を読んで実際にライヴに接してみたいと思った方も多いと思いますし、また、ご覧の通りのすごい美貌なので、女性のファンの方も憧れを持って興味津々になった方もいらっしゃると思います。この来日を機に、ファッション誌とかでも採り上げてくれないかな~と本気で考えているんですけど。

来日公演については↓のリンクでどうぞ!5/24Cotton Clubで2ステージのみです!
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/szaloki-agi/
http://eventlive.exblog.jp/22890148/

さて、来日公演を間近にしたプロモ記事はまた別途でアップしますが、彼女自身や来日メンバーを紹介する際に避けては通れないのがハンガリー語の読み方。名前とかが読みにくいと、どうしても距離を置いちゃいますよね。それってもったいない!ってことで、この記事を読むだけで7割くらいハンガリー語が読めるようになっちゃうという超かんたんなハンガリー語のコツを書いてみます。

ところで「読み」っていう言葉には2つの意味があって実際に口にする「発音」と、日本語に書く際の「カナ表記」です。この記事では後者に特化して書くので、実際の微妙な発音が出来る!という意味ではないことを最初にお断りしておきます。でも、カナ表記ならすぐ出来るようになります。

1.a/i/u/e/o
ハンガリー語の母音5つは、すべてそのままア・イ・ウ・エ・オとだけ読みます。逆に言うと、母音に何か記号がついている時は「違う読み方をする」からだと考えてください。とてもシンプルですよね。

2.á/í/ú/é/ó
では「違う読み方をする」の例です。母音の上にアクセント記号のようなものがついていたら、すべて「伸ばします」。アー・イー・ウー・エー・オーです。そして、これはハンガリー語でかなり出てくるものなので、これだけでもうかなり読めるようになります。

3.szとs
これも頻出です。ハンガリー語でszとsが出てきたら、つづりから受けるイメージと反対の音だと思ってください。szは「サ行」、sは「シャ行」です。例えば、szaは「サ」、語末のsは「シュ」と読みます。saなら「シャ」です。この2つの違いを知らないために、カナ表記を間違っているパターンが結構見られるのですが、逆に言うと、ここだけでも押さえられればかなり読めるようになります。

チェックポイント1:これだけでもうだいぶ読めるぜ!
Szalóki Ági → サローキ・アーギ (×シャロキ・アギ)
Dés András → デーシュ・アンドラーシュ (×デス・アンドラス)
Lovász Irén → ロヴァース・イレーン (×ロヴァシュ・アイレン)

4.終わりのlyとgy
これも結構出てくるのですが、とにかく何も考えず「イ」「ジ」と読めばいいです。
例:Mihály → ミハーイ Kodály → コダーイ Nagy → ナジ
ハイ、かんたん♪
(ついでに書いておくと、yはハンガリー語では「i」イとまったく同じと考えておけばいいです。例えば、byは「ビ」です)

5.「ャ行の+s」 zsとcs
zやcにsがつくと、それぞれ「ジャ行」「チャ行」になります。少し難易度が上がってきましたね。
Zsolt → ジョルト
Cseke → チェケ

6.öとő
これも母音の「違う読み方をする」の例です。とにかくそのまま「オ」と読まないでください。まず、öは「エ」になります。これを頭に入れたら、上の点がアクセント記号に変わったら「伸ばす」と思いましょう。つまりőは「エー」です。1つでも2つでも、アクセント記号は常に「伸ばす」音に変わります。さてこの2つ、つづりから受けるイメージとだいぶ違いますが、このようにカナ表記します。
(何度も書きますが、実際の発音はもっと微妙な発音です)

7.üとű
これも母音の「違う読み方をする」の例です。早速いっちゃいましょう。
üは「ュ」、űはそれを「伸ばす」ので「ュー」です。わかりにくいですがどちらもユは小文字です。

チェックポイント2:4~7は1~3にくらべてそれほど出てきませんのでおそるるに足らず
例として、サローキのウェブサイトから適当に文章を抜き出してみましたが、だいたい読めるようになっていると思います。
ben született Borlai Gergő dobos - zeneszerzővel közös zenei anyaga,
ベン・スュレテット・ボルライ・ゲルゲー・ドボシュ - ゼネセルゼーヴェル・ケゼシュ・ゼネイ・アニャガ、
みたいな感じっす。

8.子音が2つ重なってたら、その前に小文字の「ッ」を入れよう!
上のチェックポイントでもszületettという単語がありましたが、最後のtettの部分は「テト」ではなくて「テット」です。難しいことはあまり考えず、ただ機械的に「ッ」を入れれば良いです。
例:Attila → アッティラ Zoller → ゾッレル

9.ちょこっと注意点:czやj、語末のhやcについて
まず、中欧語は基本的にjは「ヤ行」です。例えばJordanという単語があったとしたらジョーダンではなく、ヨルダンです。もしハンガリー語でジョーダンと読む単語があるとしたらGyódanってな感じになります。
あと、czはハンガリー語では「ツァ行」です。czaは「ツァ」、czuは「ツ」ですね。csとは違うのでご注意を。
また、ハンガリー語では語末のhは無視します。例えばOláhは「オラー」です。「オラーフ」ではありません。また語末のcは「ツ」です。「ク」ではありません。

チェックポイント3:これでとりあえず来日メンバーの名前全部読めます!
Szalóki Ági (vo) → サローキ・アーギ
Bacsó Kristóf (sax) → バチョー・クリシュトーフ
Schreck Ferenc (tb) → シュレック・フェレンツ
Cseke Gábor (p) → チェケ・ガーボル
Juhász Gábor (g) → ユハース・ガーボル
Kovács Zoltán (b) → コヴァーチュ・ゾルターン
Cseh Balázs (ds) → チェ・バラージュ
実は「全部」は言いすぎで、トロンボーンのフェレンツのファミリーネームだけは結構やっかいなのですが、こういうドイツ語っぽいつづりはとりあえずドイツ語っぽく読むということにしておきましょう(笑)

この辺までのことを、何回か繰り返し試してもらえれば、あなたはもうハンガリー語を読むのが苦にならなくなります。今回のサローキ・バンド以外のハンガリー人ミュージシャンの名前だってすぐ読めます。そうすると、もっと聴いてみたくなるかもしれませんね。

とりあえず、サローキの来日公演は絶対見逃せないですので、ぜひぜひ。


フリーランスのため、みなさまのサポートは取材や執筆活動の貴重な経費とさせていただいております。また、サポートいただくとものすごく励みになります。最高のエネルギーです。よろしくお願いします。