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俺のおやじ、ミノル 【其ノ拾】俺のおやじ、ミノルは、俺の友人にポ◯ノカレンダーを配ったことがある

俺のおやじ、ミノルは、しがない印刷工である。


あれは、俺が小学5年のときだった。
家に遊びにきていた俺の友だちに、
「おう、これもってけ!」
と、おもむろに丸められた大きな紙の筒を突き出した。

それは、
カレンダーのサンプルだった。


だが、そこは俺のおやじ、ミノルだ。
ただのカレンダーではない。

おやじが広げてみせたそのサンプルは、
なんと、
ポルノカレンダーだったのだ!!!

さすがにふだんち◯ぽま◯こと
すけべな言葉を連発している友だちも、

それを目の当たりにして、
ごくんと生唾を呑み込んだ。


そして、ページを括るまでもなく
「い、いや、いいです…..」
とおやじに差し戻したのであった。


そりゃそうだよな。
仮にもらって帰ったとして、
家のものにどう言えばいいのか !!?

「◯◯のお父さんにもらったんだ」といって、
「ああ、そうかい」では済まないだろう。


この日から、
ミノルは俺の友人たちから一目置かれるようになった。

恐るべし、俺のおやじ、ミノル。


ヒロシ


#創作大賞2022

#俺のおやじミノル

実家にいた頃は、俺にはおやじはいるのか?と思うくらい、夜遅くまで呑みあるっていて顔を見る機会も少なかったおやじ、ミノル。晩年は缶ビール1本を飲むか飲まないか、というレベルの酒量でしたが、それでも楽しく嗜んでいたようです。おやじへの酒代として大切に使わせていただきます。