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ビールの泡

 ビールをグラスに注ぐと、美しい泡が立ち上ります。この泡はビールの味や香り、見た目にも大きな影響を与えています。

 このビールの泡の正体は、ビールの中に溶けている二酸化炭素(CO2)です。

泡の正体は二酸化炭素

 ビールは発酵過程で酵母が糖分をアルコールとCO2に分解します。このCO2はビールのなかに溶け込み、溶け込んだCO2は、気圧や温度などの条件によって気化しやすくなり、ビールをグラスに注ぐときに物理的な刺激を受けると、CO2が気泡として放出されビールの泡となります。

 ビールの泡はすぐには消えません。これは、ビール中に含まれるタンパク質や、ホップ由来の樹脂成分(ルブロン)が、泡の表面を覆って膜を作るからです。この膜は、泡が外部からの圧力や温度変化などによって破裂するのを防ぐとともに、水の分子とCO2の分子の間にお互い引きあう力を働けせて、泡の内部圧力を低く保ちます。これによりビールの泡は安定して長く持続することができます。

ビールの泡は器に影響

 ビールの泡は、グラスに注いだ時にコップの壁からも発生します。これは、コップの壁にある微細な傷や汚れによりCO2が気化しやすくなる場所、つまりは泡が発生しやすい場所で発生するのです。

 グラスの壁から発生した泡は上昇する際に他の泡を引き連れていき、グラスの壁から泡が立ち上るように見えるのです。

美しい泡はグラスから

 洗浄が不十分なグラスにビールを注ぐとグラスの壁面に泡が発生しやすくなります。ビールの泡は器の汚れや傷に依存しないものも当然あるので、泡がたくさん立つからと言って洗浄が不十分とは一概には言えませんが、やはり”名店”と呼ばれるようなビアバーなどで飲むビールの泡立ちは他とは違う美しさがありますね。

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