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コラム:ホープワークの理念を考える

大知俊基(ぼす)

ホープワーク協会は6月で2周年を迎え、3年目に突入します。「世の中の希望の総量を増やす」という理念を掲げ活動してまいりましたが、ここにきて、このステートメントを見直そうという動きが出ています。きっかけは、2か月前から始めたnoteでした。
https://note.com/hopework/
その理由は、…

noteのコラムを作成した際、当初はこのステートメントとともにホームページのタイトル画像を記事と一緒に掲載していました。それを見たあるメンバーが「ちょっと上から目線だなあ」と…。言われてみればそうですね。「~増やす」という表現がいかにも発信者の目線。もっと受信者目線の表現にできないものか、とハタと悩みました。

そこで、そもそも会社や組織における「理念」って何?という疑問が湧いてきました。ここからは、私が常日頃から”バイブル”にしている名著「生きた戦略の条件」(新将命 著)の一部受け売りです(笑)

「理念」とは「原理原則」です。何のために存在しているのか(存在意義:Purpose)、何をすべきか(使命:Mission)、どこへ向かうのか(夢:Vision)、何を大切にしているのか(価値観:Value)といったことを表現した大本となるものです。そして理念の役割は、事業の大きな方向性を決めるための「核」であり、様々な局面で判断に迷った際に振り返る「軸」であり、トラブルや問題が発生した際に拠り所となる「芯」であり、常に中心にあって立ち返るべきものです。

このような原理原則としての「理念」が、時にはその会社や組織の想いを表すために形や表現を変え、事業活動のあらゆる場面で活用されていきます。例えば、特定のお客様向けに我々の想いを伝えるための「メッセージ」となったり、世の中のトレンドを事業活動に反映した「キャッチフレーズ」になったり、目標達成に向け我々の意気込みを表した「スローガン」になったりします。

理念は、経営の原理原則の中でも最上位の地位を占める必要条件ということができます。ただ、世の中には「理念なんて綺麗ごとでは商売はできない」「理念でお金が儲かりますか?」という経営者も少なからずいます。ハーバード・ビジネススクールのコッター教授の研究では、米国企業のうち企業理念のある会社は11年間で売上を平均で682%伸ばしたのに対し、ない企業は166%でした。純利益では、理念のある企業は765%伸ばしたが、ない企業はわずか1%の増益でしかなかった、という統計結果が出ています。理念の重要性はこういった数字にも如実に表れています。

話が大きくなり過ぎてしまいましたので元に戻します。改めて、なぜホープワーク協会を設立したのか、そこに思いを馳せてみると、世の中の希望の総量は、我々協会のメンバーだけでは増やせない、一緒に増やしていく仲間が必要だ、と強く感じていたことを思い出しました。そう考えると理念のステートメントは、「~増やす」ではなく「~一緒に増やしていく」という感じの表現が良さそうだな、と想いが至りました。そして現時点でいくつかの候補が挙がっています。

 希望の灯をともにつむぐ
 希望の光をともに紡ぐ
 ともにつむぐ希望の灯
 ともに紡ぐ希望の灯

灯は「ひかり」と読みます。「紡ぐ(つむぐ)」という行動に焦点を当てるのか、「希望の灯」自体に焦点を当てるのか、また、ひらかなの「つむぐ」で柔らかい表現にするのか、漢字の「紡ぐ」で厳格なイメージを醸し出すのか、そもそも「紡ぐ(つむぐ)」という表現が我々の実現したいことを本当に表しているのか、最終的な議論をおこなっている最中です。もしご意見やコメントがございましたらホープワーク協会(info@hopework.jp)までメールをいただけますと幸いです。この理念が「原理原則」として機能するのか、我々の想いを世の中に浸透させていくに値するものなのか、熟慮した上で改訂したいと考えています。

3年目を迎えるにあたり、協会のあり方と今後の活動を考えるとてもいい機会になりました。またひとつ、希望の灯(ひかり)が見えた瞬間でした。

_/_/_/_/ ホープワークニュースレター vol.28_/_/_/_/
<希望の便り from ホープワーク協会>2024.5.24